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駅近のメリットとデメリットとは?駅近の実態に迫る!
新しい家の購入を検討しており、立地について悩んでいます。「駅近の家は暮らしやすい」と友人に勧められたのですが、駅近物件は具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?注意点もあれば、併せて教えてほしいです。
駅近物件の最大のメリットとしては、最寄り駅までの距離が近いという点が挙げられます。一方、購入価格が高い傾向にある点には注意が必要です。また、駅からの距離が変化すると周辺環境も大きく変化するため、立地を決める際は、該当する物件の周辺環境が自分に合っているのかしっかりと見極めるようにしましょう。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
「駅近」の実態に迫る!
家探しをしていると「駅近」という言葉を目にしたり、耳にしたりしますよね。家を探すうえで、立地はとても重要な要素であり、駅近というキーワードが気になる人も多いでしょう。そもそも「駅近の物件」とはどういった物件を指すのでしょうか?一般的に駅近物件とは、駅から徒歩で10分圏内にある物件のことをいいます。反対に、駅から遠い物件は「駅遠物件」と呼ばれることもあります。
駅近物件は、電車をよく利用する人のなかでも移動時間を少しでも短縮したい人や、帰宅時間が遅くなることが多い人に適しているといえます。子育てをしている家庭においても、子どもの送迎の手間が省けるという点は大きなメリットとなるでしょう。
しかし、駅近物件を探すうえで、注意しなければいけない点もあります。そこで今回は、駅近物件を選ぶメリットを知りたい人や、駅近物件を検討している人に向けて、駅遠物件と比較しながら駅近物件をご紹介します。
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駅近物件のメリットとは?
駅近物件は具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは、駅近物件のメリットを詳しく見ていきましょう。
最寄り駅までの距離が近い
「駅近物件」という名前の通り、最寄り駅までの距離が近いことが最大のメリットといえるでしょう。通勤や通学で電車を頻繁に利用する人にとっては、最寄り駅までの距離が近いほうが時間短縮になります。
また、駅から物件が近く、電車を利用しやすくなることで、地域や生活スタイルにもよりますが、自転車や自動車が不要になるケースもあります。これによって、アパートをはじめとする賃貸物件や分譲マンションといった持ち家の駐輪場や駐車場は、有料であることが一般的なため、駅近物件であれば毎月の固定費を抑えられることも魅力の1つといえるでしょう。
一方で、駅から距離のある家で生活するとなると、自家用車を持っておくか、バスやタクシーを利用することも増え、駅近物件で暮らすよりも交通費が多くなる傾向があります。また、雨の日や夏の暑い日に、自転車での移動時間やバス停での待ち時間が発生するとなると、駅に向かうだけでも億劫になってしまうこともあるでしょう。
周辺施設が充実している
駅の周りには、スーパーやコンビニ、学習塾といった施設が充実している傾向があります。そのため、駅近物件ではこれらの生活利便性の高さを享受できるでしょう。これに加え、都市部の駅構内や駅周辺は、デパートやショッピングモールなどの大型商業施設が整っていることもあり、買い物がさらに便利になるといった魅力があります。
また、役所や学校、病院といった公共施設や、カラオケボックスや映画館などの娯楽施設は駅周辺に建てられることが多いため、買い物以外のさまざまな生活シーンにおいても便利です。
資産価値が下がりにくい
駅近物件の特徴の1つとして、築年数が経過しても、利便性のよさから資産価値が下がりにくいという点があります。それどころか、将来的に駅周辺が開発地域の対象となった場合には、資産価値がより高くなることも考えられます。ちなみに、駅近と呼ばれる物件は、一般的に一戸建て住宅よりもマンションのほうが多いです。
このように、駅近物件は「暮らす」という観点でも非常にメリットの多い物件ですが、将来的に売却したり、賃貸に出したりといった場合にも需要が高いため、投資用としてもおすすめです。
安全性が高い
駅が近い物件の場合、帰宅が遅い時間になっても、自宅までにかかる時間を最小限に抑えられ、かつ、人通りの多い道を歩いて帰れるといったメリットがあります。駅周辺は、街灯が整備されていたり、近くに交番があったりするため、子どもが学校や塾から帰宅する際の犯罪発生のリスクは低くなります。
しかし、人通りのある道だからといって、「治安が100%よい」とは限りません。たとえば、駅周辺に歓楽街がある場合は、むしろ治安が悪いことも考えられるので、家探しの際は周辺地域の治安をチェックしておくとよいでしょう。
駅近物件の注意点とは?
ここまで駅近の物件のメリットをご紹介してきました。しかし、駅近物件には購入や賃貸契約の前に注意しておきたいポイントもあります。具体的に見ていきましょう。
価格が高い
駅近物件は、ここまででもお伝えした通り、利便性がよいため需要が高く、駅遠物件と比較すると家賃や購入価格が高くなるのが一般的です。そのため、同じような条件や間取りの物件でも駅に近くなればなるほど、価格が高くなる傾向があるといえます。また、郊外の物件と比較すると、価格に対して居住空間が狭くなるケースがある点には注意が必要です。
閑静な住環境は望めない
基本的に駅近物件は、駅が近く人が集まりやすいため、閑静な住環境ではない場合が多いといえます。エリアによっては、夜遅くまで営業している飲食店や若者が集まりやすい施設が建っていることがあるため、駅近物件を探す際は、自分にとって快適な住環境となっているかを必ずチェックしておきましょう。
周辺環境が変わることがある
駅の規模によっては、駅周辺の開発のために頻繁に工事が行われることがあるため、騒音や振動に悩む可能性があります。ビルや商業施設が集まっているような駅の周辺地域では、改修や新築工事が行われる機会は高くなります。駅近物件を探す際は、その駅は今後どのように開発されていくのか、計画されている工事はあるのかについて、しっかりと調べておくことが大切です。
また、場合によっては入居した物件の近くに高層の建築物が新しく建てられ、日当たりや眺望が悪くなるといったケースも考えられます。
駅遠物件にもメリットがある
ここまでは主に駅近物件のメリットと注意点についてご紹介してきました。駅近物件は最寄り駅までの距離が近く、便利な暮らしを実現しやすいという点で、とても魅力的な住宅だといえます。しかし、駅から遠い「駅遠物件」が、駅近物件より劣っているわけではなく、駅遠物件ならではのメリットも存在します。
近年では、在宅勤務をはじめとする働き方の変化により、東京郊外や地方の物件のマーケットも活性化してきています。また、長谷工アーベストが実施した調査では、マンション価格が上昇した場合の対応において、「予算を変えず、条件を変更する」と回答した人が多く、なかでも「最寄り駅からの距離」を変更すると回答した人が最も多かったです。そのため、駅から近いかどうかという条件に対する許容度が拡大してきているといえます。
では、ここからは、駅遠物件のメリットについて順に見ていきましょう。
駅遠物件のメリット
駅遠物件は、駅近物件と比較すると購入価格が安くなる傾向にあります。ここまでお伝えしてきたように、物件の価格は駅から近くなればなるほど高くなる場合が多いため、駅から離れた駅遠物件は、逆に購入価格が安くなるといえるでしょう。そのため、駅までの交通手段に問題がなければ、より安い価格で希望条件に合った物件を見つけられる可能性があります。
さらに駅遠物件は、敷地や周囲の空間が広くなることで、日当たりがよかったり、眺望のよさが期待できたりと、駅近物件では実現しにくい住環境を得やすいでしょう。
また、駅遠物件の周辺は商業施設やビルが少なくなる傾向にあるため、広い公園や畑など緑地が多くなるケースがあります。緑の多い環境を希望する場合は、駅遠物件を検討してみるのもよいでしょう。
駅遠物件の注意点
駅遠物件は名前の通り、駅から物件まで距離があるため、駅近物件に比べて交通の利便性が悪い傾向にある点には注意が必要です。遠出をする場合は、自転車や自動車を用意したり、バスやタクシーを利用したりする必要があります。そのため、通勤や通学に時間がかかったり、外出すること自体が億劫になってしまったりすることもあるでしょう。
また、駅遠物件の場合は周辺に商業施設が充実していない場合があります。ちょっとした買い物をするにも、バスやタクシーの利用が必要になるケースもあるでしょう。周辺に商業施設がないような場合は、人通りや街灯が少ないといった可能性もあります。その場合、駅から自宅まで帰る際、女性や子ども1人だと少し不安かもしれません。
加えて、子育てをしている場合、場所によっては送迎が毎日必要になる可能性もあるため、駅遠物件を選ぶ際は、無理のない範囲で通勤や通学ができるかを確認する必要があります。
駅近の物件に住むなら
今回は駅近物件を駅遠物件と比較しながらメリットと注意点をご紹介してきました。駅近、駅遠、どちらの物件を選ぶにしても、駅から物件までの道や周辺環境を自分の目で確かめることが大切といえます。平日や土日、昼や夜といったシチュエーションを変えて何度も実際に歩いてみることも、自分に適した立地かどうかを判断するよい方法となるでしょう。
また、駅からの距離は、雨や風などの天気に通勤や通学が左右されないか、朝や夜の電車の音や、繁華街の雰囲気など物件周辺の環境は、入居後も自分にとって利便性が高いかを検討することが重要です。今回ご紹介した駅近と駅遠のそれぞれのメリットを押さえて、納得のいく家選びを進めましょう!
(出典:Mansion Market Research,長谷工アーベスト)
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/