マンション購入ガイド
分譲住宅とはどんな住宅?特徴やメリットを解説
結婚して子どもも生まれるので、新築一戸建てのマイホームを購入しようと検討中です。そこで、いろいろ調べて見ると「分譲住宅」というあまり聞いたことがない言葉が出てきました。分譲住宅の特徴や、建売住宅との違いを教えてください。
分譲住宅とは、分かりやすくいうと分譲地に建てられて販売されている住宅のことです。建売住宅とは「建築済みの住宅を土地と一緒に販売している」という共通点があるため、多くは同じ意味で扱われていますが、厳密にいえば「建てられる土地」に違いがあります。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
分譲住宅とは?
分譲住宅とは、簡単にいえば分譲地に建てられて販売されている住宅のことをいいます。加えて、新築分譲住宅とは、その名の通り分譲地に新しく建てられて、販売されている住宅のことです。分譲地とは、不動産会社やハウスメーカーが、販売を目的に広い土地を購入して区画割りを行った「分けて譲る土地」のことです。
分譲地は一般的に、暮らしやすい街づくりをコンセプトに開発される土地です。そのため、大規模分譲地に建てられた分譲住宅であれば、ショッピングセンターや病院、学校などの施設が近い、交通の便がよいなど、利便性に優れていることが多いのも魅力でしょう。また、そのような土地に建てられる分譲住宅についても、多くの人が使いやすいと感じる広さや間取りの工夫が施されているという特長があります。
なお、分譲住宅と似た言葉に「分譲マンション」がありますが、こちらは一棟のマンションを一住戸ごとに分割して販売する形態を指し、分譲住宅とは意味合いが変わるので注意しましょう。
この記事では、分譲住宅の購入を検討している方に向けて、建売住宅との違いや分譲住宅のメリット、押さえておきたいこと、見学のポイントなどを紹介します。
分譲住宅と建売住宅の違い
結論からいえば、分譲住宅と建売住宅には、大きな違いはありません。「建築済みの住宅を土地と一緒に販売している」という点で両者は共通しており、同じ意味で扱われることが多いです。ですが、細かく分けると住宅の販売方法に違いがあるといえます。それは、「建てられる土地が異なる」ということです。
分譲住宅は、広い土地を複数に区切って分譲地にして、それぞれの土地に建物を建てて販売される住宅のことを指します。そのため、外観の似た建物がそろった美しい街並みをつくり出します。
一方、建売住宅は、1つの土地に1戸の建物を建てて販売される住宅をいいます。ハウスメーカーが住宅用の土地を購入し、そこへ住宅を建てて販売しています。前述のように「土地と住宅がセットで販売されている」という共通の特徴はあるものの、建売住宅の場合は、分譲住宅よりも設備やデザインなどの自由度が高くなり、必ずしも同じような外観の建物が建ち並んでいるとは限りません。
分譲住宅のメリット
分譲住宅のメリットは、以下の通りです。
・建築コストを抑えられる
・予算やスケジュールが立てやすい
・住んだときのイメージが湧きやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
建築コストを抑えられる
分譲住宅は、ハウスメーカーや不動産会社が設備や建材などをまとめて大量に購入し、同時に複数の物件を建築するのが特徴です。そのため、建築にかかるコストが抑えられており、立地や間取りが同等の注文住宅と比較すると購入価格が安くなる傾向にあります。注文住宅に関して詳細を知りたい方はこちらを参考にしてください。
予算やスケジュールが立てやすい
分譲住宅は、事前に販売価格が決まっているため、予算や住宅ローンをはじめとする資金計画が立てやすく安心です。また、既に住宅が建てられている・完成前の住宅でも完成予定日が明確であるため、購入してから引越しまでの計画が立てやすいというメリットもあります。
住んだときのイメージが湧きやすい
前述した通り、分譲住宅は既に建てられた状態で販売されていることが多いため、「実際の住宅を見てから購入できる」「住んだときのイメージが湧きやすい」というのも分譲住宅の特長です。また、完成前の場合でも、モデルハウスが用意されていれば、しっかりと中身を見て購入を検討できます。マイホームの購入は大きな買い物になるため、「イメージと違った」ということが起こりにくく安心して購入できる点は、大きな魅力といえるでしょう。
分譲住宅で後悔しないために押さえておきたいこと
分譲住宅は、一般的に住みやすいとされる間取りやデザイン、設備などを採用しているため、多くの人にとって快適で充実した住宅だといえます。その一方で注意すべき点もあるため、後悔しないためにも事前に押さえておきましょう。
たとえば分譲住宅は、既に完成している住宅を購入することになるため、間取りの自由度がほとんどありません。また、完成前であったとしても、あらかじめ建築家やデザイナーが間取りを決めているため、注文住宅のように自分好みに変更することは難しいでしょう。ただし前述した通り、分譲住宅は多くの人にとっての住みやすさを意識した間取りになっています。シンプルな分、インテリアや家具のレイアウトを工夫し、自分好みの家づくりを楽しむことができます。
また、分譲住宅の場合、一戸建てが建築されている、または建築中の状態で売り出されるため、施工会社を選ぶことができません。実績のある、信頼性の高い施工会社が担当しているのかどうか、事前に確認して選ぶことが大切です。
よくある質問│分譲住宅
ここでは分譲住宅に関する、よくある質問を紹介します。
・注文住宅とは?
・分譲住宅に土地代は必要?
・分譲住宅が向いている人は?
注文住宅とは?
注文住宅とは、自身が所有している土地や新たに購入する土地に、自分好みのデザインや間取りで建築してもらう住宅のことです。購入者が設計プランにかかわりながら住宅を建てていくもので、購入者のかかわり方によって「フルオーダー」と「セミオーダー」の2つに分類されます。
フルオーダーは、間取りや外観、内装などの全ての点において自分好みにカスタマイズできる方法です。一方でセミオーダーは、間取りや外壁、内装などある程度仕様が決められている状態で、一部について好きなものを選んで建てる方法をいい、フルオーダーよりも費用を抑えられます。
分譲住宅に土地代は必要?
分譲住宅は、土地と建物をセットで売り出すため、販売価格に土地代が含まれています。一方、注文住宅は、前述のように自身の所有している土地、または新たに土地を購入して、その場所に建物を建てるため、特に使用できる土地を所有していなければ土地代は別にかかります。
土地と建物がセットで販売されている分譲住宅は、住宅ローンが利用しやすいというメリットがあります。セットで販売されることによって、土地と建物の価格が明確なうえ、土地と建物を合わせた1本の住宅ローンとして融資が受けられるからです。一方、注文住宅の場合、土地を新たに購入してから建てるケースでは、土地を購入する際に建物の建築計画がある程度決まっていないと一般的な住宅ローンの融資は難しいでしょう。
分譲住宅がおすすめな人は?
分譲住宅がおすすめな人は、以下の通りです。
・土地を所有していない人
・時間や手間を極力かけたくない人
・建築コストを抑えたい人
・間取りや設備の利便性を事前に確認したい人
分譲住宅は、前述の通り土地と住宅をセットで購入できます。そのため、土地を所有していない人でも、土地を探して購入する時間や手間がかからず、注文住宅と比べると短期間で住み始められるでしょう。
また、お伝えしたように、分譲住宅は立地や間取りが同等の注文住宅と比べると、購入価格を抑えられる傾向があります。そのため、コストをできるだけ抑えて新築の一戸建て住宅を購入したい人にもおすすめです。
さらに、分譲住宅は完成前の状態でも、モデルハウスを見学できる場合があります。そのため、事前に住宅の間取りや設備の利便性を確認しておきたい人にも向いています。住宅での生活イメージは、実際にその場に行って体感してみないと分かりにくいものです。「思った間取りと違った…」「採光があまりよくなかった」といった購入後の後悔を避けるためにも、購入前に実際に住宅に出向き、自分の気になるポイントをよく確認してから購入するようにしましょう。
分譲住宅を見学する際のポイント
分譲住宅は、既に完成している物件や建築中のモデルハウスを見学することが可能です。そこで、見学する際のポイントについて紹介します。
見学前に準備しておくこと
分譲住宅の見学とは、ネットやチラシなどから情報を入手して気になった物件を見学するというのが一般的です。そのため、どんな家に住みたいのか、間取りや広さ、エリア、予算などの希望をまとめておき、希望条件に合う物件を探しましょう。
条件に合う物件が見つかったら、見学の予約を入れておくとじっくりと見ることができるのでおすすめです。また、事前にどんな箇所を見ておくか、確認ポイントをまとめておき、見学の際に活用しましょう。見学時は、カメラ(スマホのカメラで十分)や寸法を測るメジャーを持参するほか、現在使用している家具のサイズをメモに記載しておき、持っていくとよいです。
見学時の確認ポイント
見学の際は、確認しておきたいポイントは多岐にわたります。主な確認ポイントは以下の通りです。
・外観
・庭および駐車場
・玄関
・居室
・水回り
・ベランダ
外観では、外壁や屋根などの施工に問題がないかの確認はもちろんですが、プライバシーとセキュリティについてもチェックしましょう。外から丸見えであっては問題がありますが、逆に敷地内が外から見えなさ過ぎると侵入者にとって死角となり、十分なセキュリティが保てません。程よいバランスかどうかを確認しましょう。
庭では、メンテナンスの負担が過度に生じないかどうかを見ておきましょう。駐車場がある場合は、所有している車が負担なく入れられるか、所有台数分の駐車スペースがあるかといったことを確認するとよいです。
玄関では、間口は十分か、立て付けに問題ないか、といったポイントをチェックしましょう。シューズボックスほか、十分な収納が確保されているかどうかも大切なポイントです。
居室では、床材や壁材に問題がないか、必要な収納が確保されているか、使いやすい生活動線になっているか、といったことをチェックしましょう。また、照明やコンセントの位置が適切か、日当たりはどうか、といったことも併せて見ておくとよいです。
水回りのチェックでは、家事動線がスムーズかどうかの確認のほか、たとえばキッチンなら、キッチンカウンターの高さは問題ないか、十分な収納が確保されているかを確認しましょう。バスルームでは、浴槽の高さや広さのほか、換気性能に問題はないかといったことをチェックしておくとよいです。トイレでは、広さや扉の開閉方法など、使いやすい構造になっているか、十分な換気性能になっているかを見ておきましょう。
ベランダでは、必要な場所に配置されているか、洗濯物を干しやすい位置に物干しがあるか、洗濯機の設置場所から移動しやすい場所か、といった内容を確認しておきましょう。
なお、住む人によって重視するポイントが異なりますが、上記のポイントを参考にしつつ、自分に合ったチェックリストを事前に用意して見学の場に臨むようにしましょう。
新築一戸建ての分譲住宅を検索してみよう!
マイホームの購入を検討中の方は、現在だけでなく、将来のライフスタイルも考慮することが大切です。もちろん、後からリフォームで間取りの変更や設備の追加をすることは可能ですが、その分費用がかかるので注意しなくてはなりません。
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・子育て環境が整っている
・主要路線へのアクセスが良好
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情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/