マンション購入ガイド
マイホーム計画を立て、見学に行こう!モデルハウス見学のポイントを解説
マイホーム購入を検討し始めてインターネットで情報収集したり、カタログを取り寄せたりするうちに、モデルハウス見学にも興味が湧いてきました。モデルハウス見学とはどのようなものなのか、また見学する際のポイントも教えていただけませんか?
モデルハウスとは、住宅展示場のような敷地に建てられた展示用住宅のことをいいます。また、分譲地に建てられた販売用の住宅を、一時的にモデルハウスとして展示している場合もあります。外観や内装の質感、生活空間のなかでの動線や自分なりのこだわりポイントなど、モデルハウス見学で確認できることは多くありますよ。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
モデルハウスとは?
「家が欲しい」と思い始めてから、「家を買う」と決心するまでには、理想の家と現実的な予算や、自分たちの暮らしに合った間取りや場所など、さまざまな角度からの検討が必要ですよね。そのためネットで調べたり、チラシを見たりして情報収集する人も多いでしょう。ほかにも「モデルハウス」を見学してイメージをつかむ人もいます。その理由は、モデルハウスの見学がマイホームの具体的な情報の宝庫だからです。
モデルハウスとは、ハウスメーカーや工務店が住宅や設備の販売促進のために建てる、展示用住宅 のことです。モデルハウスの多くは「住宅展示場」と呼ばれる、複数のモデルハウスが展示されている敷地に建設されています。注文住宅の購入を検討している人が、間取りや設備を体感するために見学することが一般的ですが、分譲地に建てられた建売住宅を一時的にモデルハウスとして展示し、展示期間後に販売するケースもあります。なおマンションの展示用施設は「モデルルーム」と呼ばれます。
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モデルルーム見学の流れやチェックポイント、注意点をお伝えします。
実際に家を購入した人の多くが、モデルハウスで情報収集しています。一戸建ての購入を考えている人にとって、購入先を選んだり、暮らしをイメージしたりするためにモデルハウスの見学は有効な手段だといえるでしょう。
今回は、建売住宅(分譲住宅)の購入を検討している人に向けてモデルハウスの見学について解説します。
住宅展示場の種類
モデルハウスには、住宅展示場に建てられているものと、分譲地に建てられているものがあることをお伝えしましたが、住宅展示場はさらに2つに分けられます。1つはハウスメーカーや工務店が多数出展する「総合展示場」、もう1つはハウスメーカーや工務店が独自に行う「単独展示場」です。
総合展示場での見学では、複数のハウスメーカーや工務店が手がける多くのモデルハウスを比較検討できます。一方で、既に気になるモデルハウスがある場合は、そのモデルハウスのハウスメーカーや工務店が行う単独展示場へ見学に行くのもおすすめです。
また、気に入った家をそのまま購入したいという人は、分譲地に建てられたモデルハウスを見学するのもよいでしょう。
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建売住宅とは?魅力と注意点、注文住宅や分譲住宅との違いをご紹介します。
モデルハウス見学のメリット
パソコンやスマートフォンで見る3D画面やカタログとは異なり、住空間のより具体的な情報をキャッチできるモデルハウス見学のメリットは、以下の通りです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
実物大の家を体験できる
モデルハウス見学では、住空間の広がりや間取り、動線、仕上げ材の色合いや質感など実物大の家を体験できるのが何よりのメリットです。リビングでソファに座ったときの天井の高さや、キッチンから見たダイニングやリビングへの目線、洗濯機から物干しまでの動線などは、実際に自分が見てみないと分かりにくいものです。実物大の家を体験すると、そこで生活したときのイメージが具体的に広がります。
設備を体験できる
モデルハウスに設置されているキッチンやお風呂などの設備の多くは、最新のものとなっています。スタイリッシュな佇まいや時短につながる配慮など、それらがある日常を想像するとワクワクするようなものがそろっていますよ。こういった便利な最新設備を体験できるのは大きなメリットでしょう。
さらに多くの設備に触れたいときは、モデルハウスの営業担当者に「ショールーム」を紹介してもらうこともできます。ショールームとは、設備や家具・家電、インテリアなどのメーカー各社が自社の商品を陳列しているスペースのことです。モデルハウスで気になるアイテムがあれば画像やメモで記録しておいて、そのアイテムのショールームに出向いてみるとよいでしょう。
担当者に質問や相談ができる
モデルハウス見学では、気になったことを担当者にその場で聞けます。建物の構造や住宅の性能、他社メーカーとの違い、補助金を利用できるか、最新の家のトレンドといったことも質問してみましょう。
見学の流れとチェックポイント
モデルハウス見学では、事前に見学の流れを把握して、準備をしておくことが大切です。ここではモデルハウス見学をする際の事前準備と、見学当日の流れについて解説します。
事前準備
モデルハウス見学の事前準備は、主に以下の4つです。
・チェックポイントのリスト化
・持ち物の準備
・見学予約
・気になるハウスメーカーや工務店のピックアップ(総合展示場)
●チェックポイントのリスト化
玄関の収納量やキッチンの高さなど、必ず確認しておきたいチェックポイントはリストにしておくと便利です。チェックポイントは、マイホームに対する要望から挙げていきます。今の住まいの不満な点や改善したい点を挙げると、将来の家への要望が明確になりやすいですよ。
たとえば、現在のキッチンの高さが合わず調理をしていて疲れるようなら、現在のキッチンの高さを測っておき、モデルハウスにあるキッチンの高さをチェックします。ほかにも、新居でも使いたい家具や家電の寸法を計っておき、モデルハウスでそれらが置けるか、間取りに合うかなどのチェックをしてみましょう。
また、断熱性や耐震性、省エネ性はどうか、各部屋や設備の使い勝手や快適さ、安心感を得られる雰囲気かどうかも、大切なチェックポイントです。
●持ち物の準備
モデルハウス見学に持参するものを準備しましょう。あると便利なのは、チェックポイントを記入したリストと筆記用具やカメラです。
ただし、カメラを用いて撮影する際は、撮影前に担当者に許可を取るようにしましょう。
撮影の目的が自宅での確認に限られる場合は、許可されることが多いです。一方で、webで画像をアップしたり、チラシや雑誌に掲載したりといった場合は、許可が下りないこともあります。
●見学予約
モデルハウスの見学には、予約してから行くのがおすすめです。予約すれば待ち時間なしでスムーズに見学できます。なお、分譲地に建設されている建売住宅のモデルハウスの場合、自分が見学したいモデルハウスに担当者が常駐しているとは限らないため、予約必須になります。特に内部の詳細な説明を求める場合は必ず予約しましょう。予約は電話やネットで簡単にできますよ。
●気になるハウスメーカーや工務店をピックアップ
総合展示場での見学の場合は、出展しているモデルハウスのなかから、あらかじめ気になるモデルハウスを選んでおくのがおすすめです。住宅展示場には多くの住宅が並んでいるため、全てを見学するには時間がかかります。そのため、事前に気になるハウスメーカーをいくつかリストアップして、優先順位を決めておくとよいでしょう。1つのモデルハウスを見学するには30分~1時間前後かかります。その日の都合にもよりますが、1日3棟程度を目安に見学の予定を立てるとよいでしょう。
また、当日に開催されるセミナーやイベントもチェックしておきましょう。参加すると、住宅購入に関する詳しい情報を入手できますよ。それ以外にも、家族で楽しめるイベントもあります。
見学当日
モデルハウス内のトイレは使えないため、トイレは事前に済ませておきましょう。住宅展示場での見学の場合は、総合案内所でマップをもらい、公衆トイレの位置を確認しておくのがおすすめです。
モデルハウスでは、受付でアンケート用紙に記入をします。質問項目には、家族構成や年収、予算、希望の間取り、入居可能時期などがあります。それらに詳細な回答をしておくと、担当者から的確なアドバイスや新しい情報をもらえますよ。
モデルハウスではチェックポイントのリストを中心に以下のような点を確認します。
チェックポイント | チェックする内容 |
---|---|
サイズ感・デザイン性 | 空間の高さや広さの体感、キッチンや洗面台の高さ、通路幅や収納の寸法、日当たり、風通し、窓からの眺め、外装や内装の仕上げ材の色合い・質感など |
動線 | 調理や洗濯、掃除のときの家事動線やトイレや洗顔といった家族の生活動線、玄関からリビング、トイレに至る来客動線など |
収納スペース | 靴やアウトドア用品、衣料品、食料などの収納の数、壁付けやウォークインクローゼットなどといった仕様 |
天井の高さ、広さ、間取り、各設備の寸法と配置、窓からの風景や日当たり、そして外観をしっかり見ることが重要です。サイズとデザイン性は、住まい全体の雰囲気に影響し、安心感や快適さにつながります。外装や内装の仕上げ材については、汚れが目立ちにくいものでないかどうかもチェックしておくことが望ましいです。
モデルハウスの中を歩き、生活動線や家事動線を確認する際に、来客動線もチェックしておきましょう。その際、来客はどこを通り、何が見えるかを実際に確認するのがおすすめです。
また、収納スペースは使いやすいか、デッドスペースはないか、収納の目的がその部屋に合っているかなどをもチェックしましょう。
モデルハウスで見聞きしたことや気になったことはその日のうちに記録しておくと、後々見直す際に便利ですよ。
モデルハウス見学の注意点
モデルハウス見学では注意すべきポイントがいくつかあります。具体的に見ていきましょう。
実際のサイズ感を見極める
住宅展示場のモデルハウス見学ではサイズに注意しましょう。モデルハウス見学のメリットで「実物大の家を体験できる」とお伝えしましたが、モデルハウスのなかには、一般的な家と比べて大きく造られているものもあります。
たとえば、モデルハウスの階段の幅や玄関の上がり口、吹き抜けなどが広いと、モデルハウスに足を踏み入れた瞬間に「広くて気持ちがいいな」という印象を与えます。しかし、実際にかけられる費用や土地の形・大きさの違いによって、全く同じ大きさの家を購入するのは難しいことが多く、実際に購入できる家とのギャップを感じてしまうこともあるでしょう。
モデルハウス見学の際は、モデルハウスのサイズと、自分が希望する家の延床面積とを照らし合わせながらサイズを確認するのがおすすめです。
●延床面積に関する記事はこちら
延床面積が一体どのようなものか具体的に説明します。
標準仕様とオプションの違いを把握する
モデルハウスは標準仕様にオプションを付けてハイグレードにしている設備やデザインも多々あります。モデルハウスは、その住宅メーカーの技術を見せるために、標準規格では付いていないようなオプションも豊富に盛り込まれていることもあります。現地でモデルハウスを見学する際には、どの部分がオプションでどの部分が標準仕様なのかをその都度確認するのがおすすめです。自宅に帰ってから、自分たちにとって必要なオプションと不要なオプションを考えてみましょう。
ただし、分譲地に建てられた建売住宅をモデルハウスとして開放している場合、展示期間の終了後に販売されることが一般的です。その場合は、ハイグレードな設備やデザインの住宅をそのまま購入することができる場合もあります。
立地や周辺環境を確認する
分譲地に建てられたモデルハウスの場合は立地や周辺環境についても確認しましょう。確認することとしては以下にまとめてあるので参考にしてみてくださいね。
・日当たり
・周辺環境
・歩道の有無
・隣戸との距離
・駅までの距離
・ハザードマップ
・駐車のしやすさ
このとき、分からないことがあれば販売会社の担当者に質問してみるとよいでしょう。
見学マナーを守る
モデルハウスを見学する際は、最低限の見学マナーを守ることが大切です。見学マナーを守ることで、無用なトラブルを避けられるだけでなく、見学者同士が気持ちよく見学を楽しむことにもつながります。
モデルハウス見学では以下のようなことに気を付けましょう。
・撮影は許可を得る
・子どもの行動に気を付ける
・住宅内部、展示品に傷を付けない
モデルハウスは家の魅力を紹介するためのものですから、傷を付けたり、壊したりといったことには特に気を付けなければなりません。子どもと一緒のときは子どもがいたずらしてしまい、うっかりものを壊さないように気を配りましょう。
理想のマイホームが実現に近づく!
マイホーム購入を実現するためには、納得がいくまで疑問を払拭することが大切です。気になるモデルハウスに出会ったら、もう一度、同じモデルハウスを見学するのもよいでしょう。また、モデルハウスを見学して、より詳細に検討したいと思ったら、「資金計画」を担当者に依頼してみることをおすすめします。家の資金計画とは適切な予算で家造りの総額をまとめてもらうことです。
モデルハウス見学以外にも、ハウスメーカーや工務店のなかには、オーナーの許可のもとで実際の物件の見学を用意しているところがあります。家の基礎や骨組みなど、施工途中しか見ることのできない部分の見学や、住民が入居する前の住宅といった、普段目にすることのない物件の完成見学会に行くと、一戸建て購入の意欲が高まるかもしれません。
また、前述の通り、分譲地に建てられたモデルハウスは、展示期間が終わるとそのまま販売されることがあります。その場合、モデルハウス用に建てられた高いグレードの住宅を、相場より安く入手できる可能性があるでしょう。
モデルハウス見学を通じて、住空間に関する有益な情報や体験を得ると、一戸建てのマイホーム購入に向けた着実な一歩を踏み出せます。今回の記事を参考に、モデルハウス見学に行ってみてはいかがでしょう?
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※出典:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001477550.pdf
(最終確認日:2023年2月13日)
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/