不動産取得税を支払うタイミングはいつ?
不動産を取得し、都道府県税事務所に申請をしてしばらくすると納税通知書が送られてきます。目安としては、取得日の半年から1年後に支払うのが一般的ですが、各自治体によって支払いのタイミングが異なってくるので、納期は事前に確認しておきましょう。土地と建物を取得した場合は、土地と建物でそれぞれ不動産を取得したことを都道府県税事務所へ申請した後に、通知書が送られてきます。ちなみに納税しなければならないのは、不動産を取得した初年度の1回のみです。
なお、不動産取得の申請は各自治体によって異なりますが、取得後10日〜60日ぐらいまでに申請しなければなりません。
不動産取得税はいくら払うのか?
不動産取得税を具体的にどのくらい納めるのか気になっている人も多いでしょう。ここでは、不動産取得税はいくらかかるのか算出方法も含めてご紹介していきます。
不動産取得税は、固定資産税評価額に一定の税率を乗算することにより求められます。固定資産税評価額とは、土地や建物に対する固定資産税を計算する際に用いられる各市区町村が決定した基準となる価格です。土地の場合は、地価公示価格の約70%、建物の場合は新築時であれば請負工事金額の50〜60%とされています。
土地、建物にかかる不動産取得税は下記のように計算できます。
不動産取得税額=固定資産税評価額×3%
原則は4%ですが、2027年3月31日まで特例で3%とされています。マンションの土地の場合は、敷地全体に対する専有部分の割合に応じて計算します。なお、会社や学校の寮、有料老人ホーム、病院、ホテルなど住宅以外の建物の税率は4%です。
また、宅地の場合は2027年3月31日まで固定資産税評価額が2分の1となる特例が適用されます。後述しますが、一定の条件を満たすことで、軽減措置を受けることができます。
土地と建物の両方を所有している場合は、土地と建物それぞれの計算が必要になります。
なお、不動産取得税は相続で取得した場合は対象外となります。
不動産取得税の申請や納税の仕方は?
不動産取得の申請手続き、納税はどのようにして行うのでしょうか。ここではそれらの方法についてご紹介します。
都道府県税事務所へ不動産の取得を申請
都税または県税事務所へ不動産の取得申請を行う場合、期日までに行う必要があります。一般的には、不動産を取得した日から10日以内から60日以内と設定している市区町村が多く見られますが、正確な申請期限は事前に確認するようにしましょう。
不動産の取得申請の方法としては、都税または県税事務所の窓口に出向いて行う方法と、郵送で行う方法の2つがあります。
窓口で申請を行う場合
都税または県税事務所の窓口で直接手続きを行う場合は、期日内の平日に行きましょう。土地の申請手続きを行う場合は、地目や地積、建物の場合は床面積や構造を記入する必要があるので、あらかじめ登記書類や建築図面などを用意しておくとスムーズに記入できますよ。
郵送で申請を行う場合
郵送で申請を行う場合、申請書を各市区町村の都税または県税事務所のサイトからダウンロードすることができます。
納税方法
一般的な納税方法としては、都道府県税事務所や郵便局が代表的ですが、それ以外の方法でも納税することができます。
都道府県税事務所や郵便局
都道府県税事務所や郵便局の窓口へ納税通知書や納付書を持参し納税します。
銀行
銀行の窓口でも納税することはできますが、各市区町村の指定する金融機関で納める必要があります。また金融機関から各市区町村に収納の連絡が届くまで、時間がかかる場合があるので注意が必要です。
コンビニエンスストア
コンビニエンスストアで納税する場合、バーコード印字のある納税通知書や納付書が必要になります。また、納付手続き日がコンビニエンスストア取扱期限以内になっていることを確認したうえで、納付しましょう。
先にご紹介した納税方法のほかにも、クレジットカード納付や電子マネーでの納付が可能な場合もあります。納付をする際は、どんな方法が可能なのか、どのように納付するのかを各市区町村のホームページで確認するようにしましょう。
軽減措置と受けるための要件とは?
不動産を取得した際は、何かとお金がかかるもの。少しでも節税できるほうが嬉しいですよね。不動産取得税は一定の要件を満たせば軽減措置を受けられ、結果的に数十万円も軽減される場合があります。ここでは、軽減措置について、主な要件も含めてご紹介します。
そもそも軽減措置は、不動産取得税が不動産購入の足かせとならないように設けられたものです。2024年度の税制改正に伴い、宅地等における税率の軽減措置が2027年3月31日まで延長されました。土地や建物に対してそれぞれの控除の内容と条件があり、ここでは主な内容と要件をご紹介します。
軽減措置の内容
軽減措置の内容は、土地と建物によって変わってきます。また建物のなかでも、新築と中古でも内容が異なってきます。以下が主な内容です。
土地(新築住宅が建っている場合)
新築住宅が建っている土地は、一定の条件を満たすことで控除を受けることができます。また、宅地の場合、固定資産税評価額が2分の1になる特例が2027年3月31日まで適用されるため、不動産取得税を算出する計算式は次の通りになります。
不動産取得税 = (固定資産税評価額×2分の1×3%)- 控除額
控除額は次の2つのうち、金額の多いほうが適用されます。
- 4万5,000円
- (土地の1m2あたりの価格)×課税床面積の2倍(200m2が限度)×税率3%
新築の建物
固定資産税評価額から1,200万円の控除を受けられます。(2026年3月31日までに取得した認定長期優良住宅の場合は1,300万円)
中古の建物
新築した日によって一定の減額を受けられます。控除額は各自治体によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。
控除を受けるための要件
控除を受けるための要件も、土地や建物によって変わってきます。また建物のなかでも、中古か新築かで要件は異なってきます。要件は以下の通りです。
土地※
土地における控除を受けるための条件は下記の通りです。
- 建物が、軽減要件を満たしていること
- 土地を取得後に住宅を建てる場合は、それが3年以内であること
- 建物の建築が土地の取得よりも先行する場合、築1年以内にその土地を取得すること
新築の建物※
新築の建物における控除を受けるための条件は下記の通りです。
- 建物の床面積が50m2以上で240m2以下であること
- 居住を目的とした建物であること
中古の建物※
中古の建物における控除を受けるための条件は下記の通りです。
- 建物の床面積が50m2以上で240m2以下であること
- 1982年以降に建築された建物であること(それ以前の場合は、新耐震基準や耐震改修などの要件を満たす必要がある)
- 居住を目的とした建物であること
新築中古ともに、軽減措置を受けられますが、築年数によって控除額が異なってくるので、築年数の確認が必要です。また、宅地建物取引業者が中古住宅を取得し、住宅性能の向上を図るための改修工事を行った後に、その住宅を譲渡する場合も、一定の要件を満たすことで不動産取得税を減額できます。
不動産取得税はいつ払うのか正しい知識をもって賢く納税しよう!
今回は、不動産取得税を支払うタイミングや軽減方法についてご紹介をしました。不動産取得税は、期限内に納めないと延滞金が発生するため、必ず期限を守ることが重要です。
万が一、正当な理由があって期限内に支払いが難しい場合は、分納できる可能性もあるため、都道府県税事務所に相談してみましょう。
また、納める前に自分の取得した不動産が、軽減措置の対象になるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
不動産取得税に関する正しい知識をもって、早めの段階から計画や準備をして、フレッシュな気持ちで新居生活を送りましょう!
※出典:東京都主税局「不動産取得税」
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_f.html#q12
(最終確認日:2024年9月6日)
※参考:国土交通省「令和6年度国土交通省税制改正概要」
https://www.mlit.go.jp/page/content/001712685.pdf
(最終確認日:2024年9月6日)