マンション購入ガイド
2023年、家を買うベストなタイミングとは?購入時の費用やポイントも解説!
周囲の友人がマイホームの話をするようになって、私も家の購入を考え始めました。しかし、本当に今買うべきなのか迷っています。家はどのタイミングで買うのがよいのでしょうか?
家を買う適切なタイミングは個人によって異なりますが、初めて家を購入する人の平均年齢は30~40代という統計があり、結婚や出産などのライフイベントを機に購入する人が多い傾向にあります。費用面や今後のライフプランを考えて、自分に最適なタイミングを見極めましょう。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
家の「買い時」はいつなのか?
家を購入することは、生涯に何度もあることではない大きなイベントです。非常に大きな金額の動く買い物だからこそ、慎重に考えて計画していく必要があります。
しかし、具体的に家を買うタイミングを考え始めると「何を参考にしたらよいか分からない」「自分に合ったタイミングが分からない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、自分に合った住宅購入のタイミングを判断するために役立つ情報をご紹介します。
「今が買い時!」といえるタイミングは、何を見て判断すればよいのでしょうか?まずは、不動産価格と住宅ローン金利の観点から見ていきましょう。
不動産価格は上昇傾向
国土交通省が公表している、不動産価格の動向を示す「不動産価格指数」によると、不動産価格は、近年上昇傾向にあります。※12020年中ごろに一時的に価格が下落しましたが、全体の傾向としては2013年以降上昇し続けているといえるでしょう。
ただし、住宅の種類やエリアによっても、価格変動は大きく異なるため、自分の住みたいエリアの状況を細かくチェックしておくことが重要です。
※国土交通省「不動産価格指数、住宅は前月比 0 .7%上昇、商業用は前期比 0 . 8%上昇」より引用
近年不動産価格が上昇している要因としては、まず建築費の上昇が考えられます。その背景にあるのは、ここ数年の建設業界における慢性的な人手不足です。また、住宅ローンが低金利で組みやすい状況が続いており、不動産の需要は高まっていることも大きな要因です。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大も、不動産市場に大きな影響を与えています。ウィズコロナ時代になり、働き方やライフスタイルが変化したことから、部屋数の多い家や、テレワークスペースのある家、地方にある家などの購入を検討する人が増加しました。このような需要の増加に加え、感染拡大により外国産木材の品不足が発生したため、ウッドショックと呼ばれる世界的な木材価格の高騰も生じました。
変動金利は史上最低水準
住宅ローンの金利には、金利が変動しない固定金利型と、一定の期間ごとに金利が変動する変動金利型があります。そのなかでも特に変動金利は、2023年1月時点で総じて低い水準にあります。住宅ローンを利用して家を購入する場合は、金利の低いうちに住宅ローンを組むことで、利子の支払い額を抑えることができるでしょう。ただし、変動金利は今後上昇する可能性があるため、金利の動向をこまめに確認することをおすすめします。
また、金利は金融機関ごとに基準が決まっており、これを「店頭金利」と呼びます。一方、実際に借りるときに用いられる金利は「適用金利」と呼ばれ、店頭金利よりも低く設定されることもあります。適用金利が低く設定されるには、一定条件を満たす必要がありますが、低金利となるメリットは非常に大きいため、住宅ローンの利用を検討している人は、店頭金利だけでなく、実際に適用される適用金利を見て比較しましょう。
●住宅ローン金利に関する記事はこちら
住宅ローン金利の概要や金利変動の仕組みなどについてご紹介しています。
みんなが家を買うタイミングは?
多くの人はどんなタイミングで家を購入しているのか、その傾向を2021年度の国土交通省「住宅市場動向調査」※2から見ていきましょう。
なお、以下で紹介するデータはあくまで平均の数値となっています。家庭の事情や収入などによって、人それぞれ家を買うタイミングは異なるため、あくまで参考程度の数値としてご覧ください。
年齢は30代後半~40代前半
年齢別の家を買うタイミングは、30代後半~40代前半が最も多くなっています。ただし、分譲戸建住宅は38.4歳、分譲マンション(新築)では44.3歳、中古マンションだと46.4歳となっているように、家の種類によって平均年齢に大きな差があることが分かります。※2
※国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」より引用し一部加工
年齢別の購入者の割合は、過去の統計からも30代後半~40代前半の年齢層で多くなるという傾向が読み取れます。その要因はいくつか指摘することが可能です。まず、勤続年数がそれなりに長くなっているため、住宅ローンを利用するのに必要な、一定以上の安定した収入がある年齢層であるということです。
また、住宅ローンの返済期間とも関係があります。一般的な住宅ローンの融資条件は、金融機関により異なりますが、借入時の年齢が20~65歳、完済時の上限年齢が75~80歳となっています。そのため、仮に35年の返済計画でローンを組むと考えると、ローンを借りられるタイミングは遅くても40~45歳となるのです。そのタイミングを超えると、1年ずつ借入(返済)期間が短くなるので、同じ金額を借りるならその分毎月の返済額が増え、同じ返済額ならその分借入(融資)可能額が減っていきます。
さらに、後述しますが、30~40代は結婚や子どもの誕生、子どもの新入学などといった、節目となるライフイベントが多い年代であることも関係してきます。
年収は700万円前後
初めて家を買う人の平均世帯年収は、700万円前後となっています。しかし、家の種類別に見ていくと、分譲戸建住宅が703万円、分譲マンションが852万円と大きな差があります。分譲マンションは都市部の土地価格が高い地域に集中している傾向があるため、全体を平均すると分譲マンションのほうが高い年収が求められる結果といえるでしょう。
また、近年は新築マンションの値段が高騰している影響があり、購入に必要な住宅ローンの借入額も増えます。適切な借入額には、返済比率や年収倍率といった年収に対する指標が存在します。返済比率とは年収に対する年間返済額の割合のことで、年収倍率とは年収に対する借入金総額の倍率のことです。
なお、近年高額物件を購入できている人たちの例として、「パワーカップル」が挙げられます。パワーカップルとは、世帯年収1000万円以上の夫婦を指します。パワーカップルは年収に余裕があることから、物件価格が高くなっても返済比率や年収倍率を適切な範囲で抑えやすいという強みがあります。
●パワーカップルに関する記事はこちら
パワーカップルの定義や夫婦で返済する3つの方法をご紹介しています。
その一方、世帯年収が600万円未満で家を購入している人も、家の種類によらず一定の割合存在し、分譲戸建住宅では約33.5%、分譲マンションでも約16.5%となっています。※2分譲マンションでも、立地や設備、面積などの条件次第では、ある程度購入価格を抑えられるためです。
※国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」より引用し一部加工
●年収300万円台でマンションを購入する方法に関する記事はこちら
年収300万前後の人へマンション購入の資金計画と購入のポイントを紹介します。
居住人数は2~4人
家を購入する世帯のほとんどは2~4人となっています。特に、注文住宅や一戸建て住宅では7割以上が3人以上の世帯となっており、結婚や出産などにより家族が増えたタイミングで購入している人が多いと考えられます。
世帯人数ごとにもう少し掘り下げてみると、3人世帯の場合、分譲マンションを選ぶ割合が最も高く、次いで4人世帯の場合だと分譲戸建て住宅を選ぶ傾向があるようです。
※国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」より引用し一部加工
家を買うタイミングをライフイベントから捉える
家を買うきっかけとして多く挙げられるのが、節目となるライフイベントが発生するタイミングです。具体的には、結婚や出産、子どもの進学や独立など、家族の環境やライフステージの変化に伴い、家を購入することが多いようです。それぞれのライフイベントと家を買うタイミングについて詳しくご説明していきます。
結婚を機に家を買う
大きなライフイベントの1つに、結婚があります。結婚して新しい家庭を築くことを機に、家の購入を検討する人は多く見られます。
夫婦が共働きで2人分の世帯収入がある場合、単身世帯に比べて住宅ローンの借入額を増やせることも、結婚を機に家の購入に踏み切る理由の1つといえるでしょう。
出産を機に家を買う
出産も家を買うタイミングとして、よく挙げられるライフイベントです。新しい家族が増え、今住んでいる家が手狭になったり、子どもを育てやすい環境が必要になったりすることで、家の購入を検討する人が多いと考えられます。
このタイミングであれば、将来的に子どもが通う保育園や小学校などの教育環境を、より詳細にイメージしながら家を選ぶことができるでしょう。
子どもの進学・独立を機に家を買う
子どもが進学するタイミングで家を買うケースもあります。たとえば、子どもに通わせたい学校がある場合、通学しやすい場所に引越すというのはその一例です。
また子どもが独立し、定年退職を機に、夫婦2人だけの新たな住まいを購入するケースもあります。この場合は、広すぎる家を手放してコンパクトな家を購入し直すことが多く、結婚や出産といった家族が増えるタイミングで購入するケースより、費用を抑えられる可能性が高いといえます。
家を購入する際にかかる費用は?
家を買うタイミングを見極めるうえで、必要な費用が十分に用意できるかも重要なポイントです。では、実際に家を買うにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?家を買う際にかかる費用は、大きく物件の購入価格とそれ以外の費用に分けられます。それぞれ見ていきましょう。
物件の購入価格
物件の購入価格は、物件のある地域や物件の種類、築年、面積などで大きく異なります。 2021年度の国土交通省「住宅市場動向調査」※2では、物件の購入資金の平均は新築注文住宅(土地含む)で5112万円、分譲戸建てで4250万円、分譲マンションが4929万円となっています。また、平均的に購入額の60~75%ほどが住宅ローンの借り入れにより賄われています。
※国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」より引用し一部加工
物件の購入価格以外の費用
家を購入するとなると物件の購入価格だけに目がいきがちですが、実際には物件以外にも以下のような費用がかかってきます。これらの諸費用の相場は、物件の種類や住宅ローン利用の有無などにもよりますが、購入価格の約4〜10%といわれています。
●諸費用の項目とその概要
費用の種類 | 概要 |
---|---|
不動産取得税(都道府県税) | 不動産を取得した際に一度だけかかる税金です。ただし、一定の要件を満たす住宅では発生しないこともあります。 |
印紙税(国税) | 売買契約書やローンの金銭消費貸借契約書に貼付して納める税金です。契約書の記載金額によって異なります。 |
固定資産税・都市計画税(地方税) | 不動産を所有している人に対して毎年かかる税金です。土地と建物それぞれにかかります。中古住宅の場合、売買時には従前の所有者と引渡し日を基準に日割りで清算するのが一般的です。 |
登記費用 | 所有権移転登記や抵当権設定登記を行う際にかかる費用です。内訳は、登録免許税や司法書士の報酬、必要書類の取得などの実費になります。 |
仲介手数料 | 中古物件を、仲介会社を通して購入した場合にかかる手数料です。 |
また、上記以外にも、住宅ローンを借り入れる際には事務手数料や火災保険料などもかかります。家を買う際には、物件以外の費用の金額も加味して資金計画を立てるようにしましょう。
●家を買うときにかかる費用に関する記事はこちら
マンションを購入する際に発生する費用について紹介しています
●固定資産税の軽減措置に関する記事はこちら
固定資産税についてや、節税方法をご紹介しています。
家を買う前に考えるポイントとは?
家を買う際には、タイミングだけでなく「どんな家を買うのか」もよく考えるべきポイントですよね。ここでは、一戸建てとマンション、新築と中古について、それぞれを比較してみましょう。
一戸建てかマンションか考える
どんな家を購入するか選ぶ際に、一戸建てにするかマンションにするかという点で悩む人もいるでしょう。ここでは、一戸建て・マンションそれぞれのメリットと注意点を比較しながら、ご紹介していきます。
●一戸建ての場合
一戸建ての場合、マンションと違って建物が独立しているので、足音やテレビ・ステレオなどの騒音をそれほど気にせずに生活でき、生活に関係する音や臭いによる近隣トラブルになりにくいといえます。収納量も、一般的なマンションと比べると多い傾向です。また、庭や駐車場が持てたり、購入後のリフォームも行いやすかったりといったように、自由度が高い利用が可能という点もメリットになるでしょう。
ただし、定期的な建物のメンテナンスや修繕は全て自分で計画を立てて行わなければならないという注意点もあります。また、オートロックや防犯カメラが基本的に設置されているわけではないので、セキュリティは自分で整えていく必要があります。
●マンションの場合
マンションの場合は、管理費と修繕積立金を支払う代わりに、建物共用部分の管理や修繕を自分で行う必要がなく、メンテナンスがラクであるというメリットがあります。また、オートロックや防犯カメラなどが設置されセキュリティに優れる物件が多いこと、宅配ボックスといった共用設備が充実している物件もある点もメリットといえます。
●分譲マンションの施設や設備に関する記事はこちら
家事の時短につながる便利な共用設備をご紹介しています。
ただし、共用部分の管理費や修繕積立金などの毎月の支払い額を、自分で決めることができない点に注意が必要です。また、専有部分に関しては、一戸建て同様に自分で計画を立てて管理や修繕を行う必要があります。将来的に困らないよう、これらの支払いを含めてしっかりと資金計画を立てるようにしましょう。
●一戸建てとマンションの選び方に関する記事はこちら
今回はマンションと一戸建てのそれぞれのメリットや注意点を細かくご紹介します。
新築か中古か考える
次に新築住宅か中古住宅かという点で考えてみましょう。新築・中古それぞれのメリットと注意点を比較しながら、どちらが自分のライフスタイルに合っているのかを検討してみましょう。
●新築の場合
新築のメリットは、何といっても真新しい住宅に住むことができる点でしょう。そのほかにも、新築なので、建物が耐震性や防火対策など最新の住宅性能をクリアしており、設備も中古住宅に比べて最新のものが設置されています。そのため、新築は中古に比べて当初の修繕が発生しにくく、長く住める可能性が高くなるでしょう。また、中古に比べて、税制上の優遇や保証を受けやすいというメリットもあります。
その一方、中古と比べて物件価格が高くなる傾向があります。また、新築は建設途中に売買契約を結ぶ物件もあり、その場合は現物を見てから購入することができないため、間取り図などの資料によく目を通すとともに、建設地周辺の環境を確認したうえで購入を検討するようにしましょう。
●中古の場合
中古の場合、新築に比べて希望する立地に物件の売りが出ている可能性が高く、その場合は購入物件の選択肢が増えます。また、中古である分、同程度の立地の物件を、新築と比べて安い価格で購入できるという点もメリットといえるでしょう。
しかし、建物が古い場合は、修繕費がかかってしまう可能性が高くなります。物件を購入する際は、購入価格だけでなく、長期的に見てどれくらいの費用がかかるのかを考える必要があるでしょう。
●新築と中古の選び方に関する記事はこちら
新築マンションと中古マンションについてそれぞれの特徴をご紹介しています。
●家の探し方に関する記事はこちら
家探しの流れやポイントをご紹介しています。
自分のライフスタイルと相談しながら購入を検討しよう!
家を買うタイミングを見極めるポイントには、不動産価格や住宅ローン金利の動向など社会経済的な要因と、ライフイベントや資金の準備、住宅ローンを完済するまでの年齢といった家庭的な要因があります。
そして購入する物件選びの条件は、物件価格以外にも周辺環境・交通アクセスといった立地、また建物の広さ、間取りなど、人によって違います。一戸建てとマンション、新築と中古のどれがよいかは一概にいえないため、それぞれの特徴を把握して自分に合っている家を選びましょう。
さまざまな要素のなかから、どのタイミングでどんな家の購入を決断するかは自分次第です。しかし、家を買うことに興味が湧いたタイミングは、購入のよいきっかけの1つといえます。
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※1出典:国土交通省「不動産価格指数、住宅は前月比 0 .7%上昇、商業用は前期比 0 . 8%上昇」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001580605.pdf
(最終確認日:2023年3月6日)
※2出典:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001477550.pdf
(最終確認日:2023年3月6日)
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/