マンション購入ガイド
浴室乾燥機はどのような使い方がおすすめ?メリットや注意点、電気代を節約するコツも併せてご紹介!
マンション購入を検討中です。候補の物件に浴室乾燥機が付いているのですが、今まで住んでいた物件にはなかったので、使い勝手がよく分かりません。付いているほうが、やはり便利ですか?
浴室乾燥機は、分譲マンションによく見られる設備の1つです。洗濯物の室内干しができるほか、花粉症やカビ対策にも役立ちます。電気代もしくはガス代はかかりますが、ニーズが合えば便利さを実感できますよ。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
浴室乾燥機、あるほうがよい?
浴室乾燥機(浴室換気乾燥機)は、浴室内の換気や乾燥を行う機能が付いている設備で、多くは浴室の天井に設置されています。「洗濯物を浴室内で乾かすことができる」という点で人気があり、夜しか洗濯できない方や、ベランダに洗濯物を干したくない方、洗濯する頻度が高い方には重宝するでしょう。
しかし、使ったことがない方にとっては、便利さがイメージしにくいのではないでしょうか?「購入検討中の物件に付いているけれど、使ったことがないのでよく分からない」「後付けを検討しているものの、電気代が心配」などという疑問や不安もあるかもしれません。
そこで今回は、浴室乾燥機を使ったことがない方や、導入を検討している方に向けて浴室乾燥機の基礎知識をご紹介します。費用感や、物件選びの参考にしてみてくださいね。
浴室乾燥機の機能とメリット
浴室乾燥機には、乾燥のほかにも多くの機能が付いています。これらを活用すると、暮らしにどのようなメリットがあるのでしょうか?
浴室乾燥機の主な機能
浴室乾燥機には、一般的に次のような機能が備わっています。
機能 | 説明 |
---|---|
換気 | 湿度の高い浴室の空気を入れ換えます。 |
乾燥 | 換気と温風で、浴室内に干した洗濯物を乾燥させます。 |
暖房 | 主に、冬場の冷えた浴室内を暖める機能です。 |
涼風 | 浴室内に風を送る機能です。主に夏場の暑さを和らげます。 |
ミストサウナ | 浴室乾燥機のなかには、浴室内に温かいミスト(霧)を発生させる機能が付いていることもあります。 体を温め、発汗を促す効果があるといわれています。 |
浴室乾燥機のメリット
浴室乾燥機を活用すると、次のようなメリットがあります。
●雨の日や強風の日でも洗濯物を干すことができる
浴室で洗濯物が干せるため、天候にかかわらず洗濯物を干すことができます。また、浴室乾燥機付きの物件では浴室内に物干し竿も付いており、部屋干しのように扉の上部に洗濯物を引っ掛けるといったことも不要となります。
●衣類にシワが付きにくい
洗濯乾燥機を使うよりも衣類にシワが付きにくいため、取り込んだ後のアイロンがけや畳む作業が楽になります。
●部屋干しより臭いが発生しにくい
浴室乾燥機は、部屋干しの気になる臭いを発生しにくくしてくれます。部屋干しより早く乾くため、濡れた洗濯物に雑菌が繁殖するのを抑えられるのがその理由です。
●花粉症対策に役立つ
浴室乾燥機があれば、外干しによる衣類への花粉の付着を防げるので、花粉の多いシーズンでも安心して洗濯物を干すことができます。家族に花粉症の方がいる場合は、便利ですね。
●季節を問わず快適に入浴できる
浴室乾燥機の暖房・涼風機能は、浴室内の温度調整に役立ちます。冬場は暖かく、夏場は涼しく浴室内を温度調整できるので、快適なバスタイムを過ごしやすくなります。
●ヒートショック対策になる
ヒートショックとは、気温や室温、湯温などの温度が急激に変化することによって身体に影響を及ぼすことです。入浴中に亡くなる事故につながることもあるヒートショックですが、浴室乾燥機の暖房機能を活用し、冷え込みやすい脱衣所や浴室をあらかじめ暖めておくことで、ヒートショック対策になります。
●カビ対策ができる
浴室乾燥機の換気機能は、浴室内のカビを防ぐのに役立ちます。浴室にこもった湿気を排出させることができるので、窓のない浴室でも安心です。
浴室乾燥機の注意点
便利な機能やメリットがいっぱいの浴室乾燥機ですが、注意しておきたい点もあります。
光熱費がかかる
浴室乾燥機を使用すれば、やはりそれだけ電気代やガス代はかかってしまいます。
機種やメーカーによって異なりますが、電気式の場合、洗濯物を乾かすときにかかる電気代の相場は、1時間あたり約30〜50円とされています。
洗濯物を乾かすのに必要な時間の目安は約2〜4時間なので、4時間作動させると120〜200円、毎日使うと年間4万3,800〜7万3,000円ほど電気代がかかるということになります。なお、電気式・ガス式の浴室乾燥機は、それぞれ以下のような特徴があります。
電気式 | ガス式よりも設置が簡単。浴室内の空気を電気で熱する「ヒーター式」と外部の空気を熱する「ヒートポンプ式」がある。 |
---|---|
ガス式 | ガスで温めた水で作られた温風で乾かす方法。電気式と比較すると乾くのが早いです。 |
衣類乾燥中は入浴できない
浴室乾燥機を使って洗濯物を乾かしている間は、入浴することができません。
一人暮らしであれば問題ありませんが、家族と同居している場合は入浴のタイミングで困ることがあるかもしれません。洗濯物を乾かす前に声をかけたり、あらかじめ入浴時間を決めておいたりなど、家族間の協力が必要ですね。
大量に干すのは難しい
浴室内のスペースには限りがあるので、大量の洗濯物を一度には干しにくいという点にも注意が必要です。特に、家族の人数が多い場合は干しきれないことがあるかもしれません。
浴室乾燥機を使うのに向いている人って?
ここまで、浴室乾燥機のメリットと注意点をお伝えしてきました。光熱費のように無視できない注意点もありますが、浴室乾燥機は非常に便利で魅力的なメリットが多くありますよね。ここからは、浴室乾燥機を使うのに向いているのはどのような人なのかをご紹介します。
洗濯物のシワや臭いが気になる人
洗濯物のシワや臭いを避けたい方には、浴室乾燥機が向いています。洗濯乾燥機は衣類のシワや縮みが起こりやすく、部屋干しでは生乾き臭がついてしまいがちです。しかし、浴室乾燥機なら、上記でもお伝えしたように吊るし干しで早く乾かせるので、シワや臭いが起こりにくいメリットがあります。
浴室のカビが気になる人
カビが発生する条件は、「湿度70%以上」、「温度20~30度」、「ほこりや皮脂といった汚れの栄養分」の3つです。浴室は湿度、温度ともに高く、あかや汚れなどの栄養分も豊富なため、カビが発生しやすい場所であるといえます。
そこで浴室乾燥機の換気や乾燥の機能を使うことで、カビの発生を予防できます。浴室に窓がなく換気が難しい方や、家族の入浴時間がバラバラで湿気が残りやすい家庭の方におすすめです。
洗濯物を外に干したくない人
住む家の環境により、洗濯物を外に干したくないという方もいるでしょう。以下のような理由がある方は特に浴室乾燥機の利用がおすすめです。
●外気の汚れが気になる人
「花粉やPM2.5が気になる」「ベランダや物干し竿の掃除が面倒」などの理由で、外に洗濯物を干したくない方にも浴室乾燥機はおすすめです。浴室乾燥機なら外の汚れを気にする必要がなく、お気に入りの柔軟剤の香りが飛んでしまうこともありません。さらに、天候に左右されることなく洗濯物を干すことが可能なので、日中は外出しているという方にも便利ですね。
●防犯面が気になる人
一人暮らしをする女性のなかには、性別やおおよその年齢を特定されたり、生活のリズムを推測されたりするのが怖いといった理由から、外に洗濯物を干せない方もいるでしょう。また、低層階に住んでいる場合も、下着泥棒に遭う恐れや通行人から見られる恐れがあるため外干しできないという方が多いようです。こうした場合も、浴室乾燥機があれば安心して洗濯物を干すことができるでしょう。
タワーマンションに住んでいる人
タワーマンションは高層により、強風で洗濯物が飛ばされてしまう可能性が高く、安全面の問題から洗濯物を外に干せない場合があります。しかし、そのように物件で禁じられている場合は浴室乾燥機や衣類乾燥機が完備されていることが多いでしょう。
電気代を抑えて賢く使うには?
浴室乾燥機の注意点のなかでも、特に気になるのは電気代ではないでしょうか?ですが、いくつかのポイントを押さえれば電気代を節約することは可能です。
せっかくの浴室乾燥機のメリットをあきらめないために、電気代を抑えた賢い使い方をチェックしてみましょう!
浴室の水分を取り除く
浴室内の水分を取り除けば、乾燥にかかる時間を短縮できます。
浴槽のお湯を抜き、壁や床に付いた水滴はスクイージーやタオルなどで拭いましょう。
干し方を工夫する
洗濯物が乾きやすい干し方をすることも、電気代の節約になります。
たとえば、洗濯物が最も乾きやすい送風口の近くには厚手のものを干すと効率的です。また、洗濯物を干す突っ張り棒やハンガーの間隔は、適度に空けるようにしましょう。洗濯物の間に風が通る隙間がないと、乾くのに時間がかかってしまいます。
こまめにフィルター清掃を行う
浴室乾燥機を効率よく稼働させるには、フィルター清掃をきちんと行うことも大切です。
フィルターにほこりが詰まって汚れていると、乾燥に時間がかかり、それだけ電気代もかかってしまいます。
普段は外側から掃除機でほこりを取り除き、月1回くらいのペースで内側のフィルターも掃除をするとよいでしょう。掃除の仕方は、メーカーの説明書に従ってください。
部屋干しと併用する
浴室乾燥機だけでなく、部屋干しも併用することで電気代を節約できます。
最初は部屋干しである程度乾かし、その後浴室乾燥機を使うようにすれば、浴室乾燥機を使う時間を短縮できますよ。
電気料金の安い時間帯に使う
電気式の浴室乾燥機であれば、浴室乾燥機を使うタイミングを電気料金が安くなる時間帯に合わせるのも1つの方法です。電力会社によっては夜間の電気料金が安くなるプランを用意しているケースがあるので、調べてみるとよいでしょう。
扇風機やサーキュレーターを併用する
浴室乾燥機と併せて扇風機を使って風を送りこむことで、より短時間で洗濯物を乾かせます。浴室乾燥機の涼風機能に近い作用があり、併用することによって電気代を抑え効率よく洗濯物を乾かせます。また、浴室内の空気が循環するようにサーキュレーターを使用するのもよいでしょう。
後付け・交換する費用の目安
分譲マンションの設備として付いていることの多い浴室乾燥機ですが、後から設置することも可能です。「今の住まいに浴室乾燥機を付けたい」あるいは「古くなったので交換したい」という場合は、後付け工事を検討してみるとよいでしょう。
費用の目安は、グレードにもよりますが本体価格に工事費をプラスして35〜40万円程度です。ただし、選ぶ機種や工事の規模によって費用は大きく変わりやすいので、必ず見積もりを取りましょう。
また、工事の規模や、構造的に設置が可能かどうかは以下のような設置場所の状況によります。
換気扇や天井の埋め込みスペースの有無
天井に埋め込むスペースがあれば「天井埋め込み型」の浴室乾燥機を設置できます。天井に埋め込みスペースがない場合には、既存の換気扇を利用して「天井付け型」もしくは「壁掛け型」の設置を選択することになります。
取り付け位置のゆとり
浴室乾燥機を取り付けるには、十分なスペースが必要です。具体的には、換気口の周辺に約50cm×35cm程度(プラス数cmずつ)のスペースがあると設置できる可能性が出てきます。
電源やガス熱源機の確保
浴室乾燥機には、専用の電源やガス熱源機が必要になります。電源容量が残っていることや配線の引き込みが可能である点も設置の要件となります。
ニーズが合えば便利な設備!
浴室乾燥機は洗濯物を干すだけでなく、花粉症やカビ対策、浴室の温度調節にも役立つ設備です。浴室乾燥機は一戸建てや分譲マンションに付いていることが多く、特に分譲マンションは浴室乾燥機に加えてオートバス(お風呂のお湯張りや保温をリモコンで操作できるシステム)が付いていることもあります。さまざま機能を使い分け、場面ごとにうまく活用することで日々の、洗濯や浴室環境などに対する悩みを解消できるでしょう。電気代やガス代が気になる場合は、利用している料金を見直してみるのもおすすめですよ。
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また、浴室乾燥機は便利な設備ではありますが、洗濯乾燥機で間に合っていたり、今の住まいにランドリールーム(洗濯から室内干し、アイロンがけまでできる専用部屋)が付いていたりするなら、必要ないかもしれません。自分のライフスタイルを振り返りながら、必要性に合わせて検討してみてくださいね。
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情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/