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Question

4人家族に最適な間取りとは?快適な住まい選びのポイントを解説

4人家族で、家の購入を考えています。今はまだ子どもが小さいのですが、今後のことや予算を考えると、どんな間取りを選べばよいのか悩んでしまい、物件を絞り込むことができません。4人家族の場合、何に気を付けて間取りを選べばよいのでしょうか?

Answer

家族の年齢や構成、ライフスタイルによって最適な間取りは異なってきます。4人家族で子どもがいる場合は、将来の家族のライフプランや、子どもの年齢や成長に合わせて適した間取りも変わってきます。また、家の中での過ごし方や家財の量によっても変わります。将来的にどのような暮らしを望んでいるのか家族のライフプランも踏まえて考えるのがおすすめです。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

4人家族の理想の広さと人気の間取りとは?

4人家族といっても家族の構成やそれぞれの年齢、ライフスタイルは家族ごとに異なります。マイホームは大切な生活の拠点となるので、購入の際は家族全員が暮らしやすい家を慎重に選びたいものですよね。なかでも間取りを選ぶということは、広さや部屋数、生活動線などが、暮らしやすさを決定する重要な家選びのポイントとなります。

今回は「4人家族の理想的な間取りが分からない」「間取りを選ぶポイントが分からない」という方のために、4人家族を中心に最適な間取りを選ぶためのポイントについて詳しくご紹介します。

キレイな部屋と家具
※イメージ写真

政府が目指す理想の広さは都市部で95㎡
自分の家族に合った住まい選びの第一歩は、世帯人数に適した広さを把握することからです。適した広さを把握することで、より快適な住まい選びに近づきます。では、4人家族に適した広さとは具体的にどれくらいなのでしょうか?

国土交通省が発表している「住生活基本計画」※1では、4人家族の最低居住水準と、住まいとして政府が推進していきたい理想的な広さが以下のように提示されています。

●最低居住面積水準
健康で文化的な生活の基礎として必要な広さを示す水準です。最低居住面積水準では、2人以上の世帯では、「10㎡ × 世帯人数 + 10㎡」となっており、4人家族の場合の広さは50㎡となります。

●誘導居住面積水準
豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルを想定した場合に必要な広さを示す水準です。誘導居住面積水準では、都市居住型で2人以上の世帯では、「20㎡ × 世帯人数 + 15㎡」、一般型(都市部以外)では、「25㎡ × 世帯人数 + 25㎡」となっています。4人家族が都市部で暮らす場合の広さは95㎡となり、都市部以外の一般地域の広さの場合、125㎡となるのです。

あくまで政府(国土交通省)が示す2つの水準ではありますが、4人家族がマイホームを購入する場合、居住面積は最低50㎡、理想は都市部で95㎡、それ以外の地域で125㎡となっています。

立地や予算によって、購入できる家の広さも限られるため、必ずしも理想通りにはなりませんが、たとえば、都市部の70㎡のマンションなら、最低水準以上であり、家族4人でもライフスタイルに適した間取りであれば、十分快適に暮らすことができるでしょう。

日差しと床
※イメージ写真

マンションで売れている間取りは3LDK
4人家族の世帯がマイホームを購入する際には、3LDKを選ぶことが多い傾向にあります。これは、3LDKの間取りの住宅が多く供給されているということもありますが、現実的な予算範囲内で使い勝手を考えたファミリー層の需要が高いともいえます。
都市部の3LDKマンションの平均的な広さは60~75㎡前後となっており、坪数に変換すると18~22坪程度となります。しかし、同じぐらいの広さでのマンションであっても、広さの印象は間取りによって大きく変わることを覚えておきましょう。たとえば、玄関や廊下、浴室などが広い場合は、同じ3LDKで同程度の面積でも、居室が狭くなるため住宅自体が狭い印象になることがあります。

また、3LDKの間取りの場合、4人家族であっても家族構成や子どもの年齢によって、3つの居室は以下の例のようにさまざまな使い方が考えられます。

●夫婦と子ども2人の場合
・夫婦の寝室 + 子ども部屋2室
・夫婦の寝室 + 子ども2人で部屋1室 + 収納部屋
・夫婦が1人1部屋で2室 + 子ども2人で部屋1室

●夫婦と子ども1人、親1人の場合
・夫婦の寝室 + 子ども部屋1室 + 親の部屋

このように3LDKといっても、居室の使い方が異なれば、1つの居室に必要な広さが異なってきます。そのため、分譲マンションや建て売りの一戸建てでは、購入する人の家族構成に合った使い方で選んでもらえるように3LDKでもいろいろな間取りが用意されています。

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子どもの成長に合った間取りを考えよう

4人家族であれば、使い方にもよりますが、3LDKでも十分快適に過ごすことができます。ただし、「うちの子はまだ小さいから部屋はいらない」「うちの子はもうすぐ独立する可能性がある」など、家族の状況によっては3部屋も必要ないと思う人がいるかもしれません。ただし、子どもの年齢によって必要な部屋数は変わってきます。そのため、子ども部屋を設ける際は、子どもの人数や年齢に応じて考えていくことが大切といえるでしょう。

では、夫婦と子ども2人がいる4人家族の場合、どのような間取りが理想なのでしょうか?ここでは子どもの年代ごとにおすすめの間取りについてご紹介していきます。

リビングでくつろぐ親子
※イメージ写真

子どもが小さい場合:広めの2LDKか3LDK
未就学の子どもが2人いる4人家族におすすめの間取りはリビング広めの2LDKか、3LDKです。子どもが小さいうちは、家族で一緒に過ごす時間も長くなります。一緒に過ごす時間を大切にするためには、リビングやダイニングが広めの間取りがおすすめです。
なかでも、広いリビングダイニングであれば、家族で過ごす時間にゆとりが生まれるといえます。

2LDKの場合なら、2つある居室をそれぞれ夫婦の部屋と子ども部屋にするとよいでしょう。あるいは広い寝室に家族で寝て、1つは収納部屋とすることもできます。また、3LDKであれば、将来子どもが大きくなったときに、2人の子どもの部屋にできるため、居室の使い方に幅が出てきます。

ただし、2LDKの場合、2人の子どもが成長とともにそれぞれの子どもの部屋が欲しくなった際、住み替えを考える必要が出てくるかもしれません。そういったことも考慮すると、2LDKでも面積が広めでリフォーム可能な住宅を選んでおくと、子どもの成長に合わせてリフォームして対処できるでしょう。家族4人で暮らす家を購入するときは、将来も考えた住宅の広さを意識しておくことをおすすめします。

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子ども部屋の最適な間取りのポイントとは?

子ども部屋を作る際のポイントや仕切り方などについて解説しています。

子育てをする夫婦
※イメージ写真

子どもが小学生の場合:3LDK
2人の子どもが小学生の場合、おすすめする間取りは、3LDKです。

子どもが2人とも小学生であれば、数年で2人とも中学生になりますから、そのときそれぞれに個室として子ども部屋を与えるつもりで3LDKを選んでおくことをおすすめします。まだ小学生でも低学年のうちは、夫婦の寝室と、子ども2人で1部屋と収納部屋としてもよいですし、1室を夫婦の寝室として、2室は成長に合わせて子ども1人に1部屋ずつとして用意することもできます。

小学生の子どもがいる家庭は、子どもが成長するにつれて部屋が手狭に感じる可能性があります。未就学の子どもがいる家族と同様に、ある程度の広さがある住宅を選ぶことが賢明です。

パソコンで勉強する小学生
※イメージ写真

子どもが中学生以上の場合:3LDKか4LDK
1人でも中学生以上の子どもがいる4人家族におすすめの間取りは、3LDKか4LDKです。
子どもが中学生になり思春期を迎えると、子どものプライバシーを確保するためにも、最初から1人1室にしたいと考えるケースが多い傾向にあります。

夫婦1部屋とすれば、3LDKでも十分です。夫婦もそれぞれの居室が必要な家族や、ものが多く収納に1部屋欲しいという子ども2人の4人家族の場合は、4LDKという選択肢になります。

ただし、4LDKは住宅の面積が相対的に広くなるため、物件価格が高くなり、予算面で注意が必要になります。また、子どもが独立した後、部屋が余ってしまう可能性も考えられるでしょう。将来、夫婦だけになった場合、余った部屋をどうするのか、そもそもそのまま同じ家に住み続けるのか、住み替えるなら1LDKや2LDKなど小さな間取りの住宅に住み替えるのかなど将来のことまで考えておくことが必要です。

おしゃれなリビングダイニングキッチン
※イメージ写真

予算的にゆとりがあるなら4LDK以上も
子どもの年齢に関係なく、予算的にゆとりがあるなら4LDKという選択肢もあります。ただし、4LDKは面積が広くなる分、物件価格が高くなるため、購入者数が減ることが予想されることから分譲マンションの一棟全体で見ると販売される戸数が少ない傾向にあります。そのため、選べる間取りも少なくなるという点には注意が必要です。

それでも4LDKであれば、部屋数にゆとりができるため、子どもが小さいうちは、1室を来客用の客間やテレワーク用の書斎兼仕事部屋、あるいは趣味の部屋として活用することもできます。両親や友人が泊まりにくることが多い家庭であれば、寝室として利用しやすい和室がある間取りを選ぶのもよいでしょう。

また、4LDKなら家族4人の人数分の部屋があるので、各居室を個人の部屋として使用することもでき、子どもが中学生以上の世帯でも子どものプライベートを確保することが可能です。

5LDKであれば、家族4人の個室に加えて、ゲストルームを確保できるというメリットがあります。ただし、5LDKの間取りは、マンションでは販売戸数が非常に少なく、間取りのレイアウトはほとんど選べないといえるでしょう。そのため、4LDKを超える間取りを希望する場合は、一戸建てを選ぶことも検討するとよいですよ。

一戸建てを選ぶ際の注意点として、先にお伝えしたように住宅の面積が増える分、物件価格が高くなることが挙げられるでしょう。また、子どもが独立した後に部屋が余ってしまう可能性があるということも考慮しておきましょう。

なお、立地や築年数などの条件を少し緩めて予算の範囲内となる物件を探すことも可能なため、4LDK以上を希望しながら、予算が厳しいときにはほかの条件を緩和してみるのも1つの方法です。

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間取りを決めるときのポイントは?

4人家族で子どもの年代に合わせた使いやすい間取りの目安をお伝えしてきましたが、マイホーム購入をしようとする人の家族構成やライフスタイルは千差万別です。間取りを決めるときは、自分たちのライフスタイルにその間取りが合っているかどうかを熟慮することが大切です。では、どういったことに注意しながら間取りを決めていけばよいのでしょうか?ここからは、間取りを実際に決めるときのポイントをお伝えしていきます。

家族3世代
※イメージ写真

将来のライフプランを考えて部屋数を選ぶ
将来、夫婦いずれかの実家に戻る、子どもが独立して夫婦2人になったら住み替えるなど将来のライフプランを考えたとき、購入した家をどうするかまで考えて部屋数や家の広さなどを検討するのもポイントです。

たとえば、実家に戻り購入した家に住まなくなったとき、売却するか、賃貸住宅として人に貸すという選択肢があるでしょう。いずれにしてもファミリー層の購入希望者や入居希望者、ほかの場合でもより汎用性の高い3LDKを選択する可能性が高いため、そういった少し先の将来から逆算して家を選ぶことをおすすめします。

家での過ごし方に合わせて部屋の広さを考える
家族の家での過ごし方も部屋数を考える際のポイントになります。

赤ちゃんや未就学児など小さな子どものいる場合は、家族が一緒に過ごす時間が長くなります。それを考慮すると、各居室よりもリビングやダイニングが広い間取りのほうが快適に暮らせるといえるでしょう。また、家族全員が同じ部屋で寝ることを想定する場合は、1つの居室が広くなっている間取りを選ぶという選択もあります。

一方で、子どもが大きく、それぞれ個人で過ごす時間が長い家族は、リビングを重視するよりも各居室の広さを充実させたほうが過ごしやすいかもしれません。

また、テレワークをする場合はワークスペースが必要になります。1つの居室を仕事部屋にすることもできますが、納戸がある部屋を選べば部屋を間仕切って、書斎やワークスペースなどとして活用できるでしょう。このように、過ごし方によって選ぶ間取りが異なってきます。

さらに、過ごしやすさを求めるときには、リビングやダイニング、居室の広さだけを見るのではなく、キッチンや洗面室なども含めた生活動線を考えた部屋の配置バランスを考えることが大切です。

●納戸の活用方法に関する記事はこちら

納戸とは?暮らしに合わせた活用方法もご紹介!

納戸の利用方法を解説しています。

間取りが書いてある図面
※イメージ写真

家族の持ち物の量を把握する
間取りを考える際、リビングやダイニング、居室などの各部屋の大きさだけではなく、家族の持ち物の量に合わせた収納スペースも配慮する必要があります。特に子どもがいる家庭では、子どもが成長するにつれて学習教材や洋服など子どもの持ち物が増えていきます。

物件を選ぶ際は、今の家族の持ち物や将来的に増える家財を想像して十分な収納スペースがあるかも確認するとよいでしょう。家族の持ち物が多い場合は、広めの納戸やウォークインクローゼットがある間取りを選ぶようにするのがおすすめです。

しかし、「リビングも居室も広く、収納力が高い間取りを求めた結果、当初の予算をかなりオーバーしてしまいそう…」というケースもあるでしょう。そういったことにならないために、間取りを選ぶ際は、無駄なスペースが少なく、ちょっとしたスペースも収納として活用できる工夫のあるものを選ぶとよいですよ。

併せて、納戸のように大きな収納が1か所にあるもの、リビングや水回りなど必要な場所に適度に収納が分散されているものなど、収納の位置や容量を考えて選ぶ際は、家族のライフスタイルに合ったものにしましょう。このように収納スペースを意識し、間取りを選ぶというのもポイントです。

なお、持ち物が増えて収納場所に困った際は、外部のストレージを利用するというのも方法の1つです。そもそも、ものが増えて困らないために、子どもの進学や学年が変わるタイミングなど日頃から不要なものは捨てるといった習慣も大切といえますね。

●ファミリークローゼットに関する記事はこちら

ファミリークローゼットで、家族のものをまとめよう!メリットと注意点を解説

家族全員で使えるファミリークローゼットの使い方について解説しています。

フレキシブルに対応できる間取りを選ぼう!

家族の成長によって、住まいの使い方も変化します。住み替えしない場合は、家族が今の間取りに合わせて暮らすか、リフォームするといった選択肢が一般的でしょう。また、物件のなかには、はじめから間取りを変更できるように考えられている物件もあります。

マンションや一戸建てのなかには、可動間仕切りで部屋を調整できるようなフレキシブルな間取りの物件があり、将来を考えて間取りを簡単に変更したいと考えている方にはおすすめです。フレキシブルに対応できる間取りであれば、子どもの成長に合わせて、部屋数や広さを変え、そのときの家族に合った使い方になるように間取りを変えることができます。

間仕切り
※イメージ写真

たとえば、リビングダイニングの横に間仕切りがついた居室があるとすれば、子どもが小さいうちは間仕切りを使わずに広いリビングダイニングとして使用し、子どもが成長したら間仕切りを使い一部を居室にすることも可能です。

また、広い居室の中心に可動式の間仕切りがあるという間取りの場合、たとえば、2人いる子どもが小さいうちは1部屋として広く使い、子どもが大きくなってきたら、間仕切りで部屋を分け、2つの子ども部屋に分けることができます。

一方、はじめから可動間仕切りが用意されていない間取りでも、広い居室があれば、収納棚を間仕切り代わりに活用する、あるいは後付けで間仕切りを設置することで、居室を2つに分けて利用するといった工夫が可能です。この場合は家具の配置や簡単な間仕切りを付けるだけで大がかりなリフォームは不要なので、おすすめです。

今回は4人家族にとって最適な間取りの選び方をお伝えしてきました。家族によって年齢や構成、ライフスタイルも全て異なるため、目安の1つとして参考にしてみてくださいね。

迷ったら、インターネットや書籍で事例を調べてみるのもよいでしょう。また、不動産会社に相談してみると、実際に見聞きしてきた多くの家族の事例や気付かなかった間取りの使い方などを教えてもらえますよ。自分の家族に合った間取りを選び、快適な暮らしが実現できるとよいですね!

間取りについてお悩みがある方は、ぜひ長谷工の住まいアドバイザーにお気軽にご相談ください。

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※1出典:国土交通省「住生活基本計画における「水準」について」
https://www.mlit.go.jp/common/001098415.pdf
(最終確認日:2023年3月20日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14