マンション購入ガイド
ウォークインクローゼットとは?クローゼットとの違いや活用で失敗しないためのコツも紹介
新居購入を検討しています。新しい家には、収納が十分にあるとよいなと思っていて、特にウォークインクローゼットが気になります。ウォークインクローゼットのメリットや注意点があれば教えてください。
ウォークインクローゼットは、クローゼット内を歩きながらものをしまえるため、整理整頓しやすいというメリットがあります。また、収納を集中させることで、ほかの部屋にものを置かずに済むため、家全体をスッキリと保ちやすくなります。便利な反面、ついつい荷物を詰め込みがちになるので、ルールを決めて上手に使うことがポイントです。
情報提供:プロホームインスペクター 友田雄俊
目次
ウォークインクローゼットとは?
新居を探している人のなかには、「広い収納スペースを確保したい」「おしゃれなウォークインクローゼットが欲しい」と思っている人も多いのではないでしょうか?ウォークインクローゼットとは、中に人が入り歩けるスペースがある小部屋のようなクローゼットのことで、間取り図では「WIC」と表記されます。ウォークインクローゼットとクローゼットの違いは「広さ」であり、一般的なクローゼットは人の通れるスペースがなく、奥行き45~60cm程度です。
ほかに「ウォークスルークローゼット」というものもあり、こちらは入り口と出口の2方向に扉が付いた収納スペースです。通り抜けできるウォークスルークローゼットは、家族の生活動線がスムーズになりやすいといえるでしょう。
ウォークインクローゼットがあることで、そこに収納を集中させることができ、ほかの部屋にものを置かずに済むため、家全体をスッキリと保ちやすくなります。そのため、ウォークインクローゼットがある家は、「おしゃれ」とイメージする人もいるでしょう。なかには和室をリフォームしてウォークインクローゼットにする、という事例も見られます。
今回は、ウォークインクローゼットのレイアウトの種類やメリット、活用方法などを解説します。
ウォークインクローゼットのレイアウトの種類
まずはウォークインクローゼットのレイアウトについて見ていきましょう。ウォークインクローゼットのレイアウトは、以下の4つのタイプに分かれています。
・Ⅰ型
・Ⅱ型
・L字型
・コの字型
なお、長谷工グループが独自開発した、居間の間取りを自由に変えられる可動収納ユニット「UGOCLO」が導入されている物件は、下記の住まい検索サイトから検索できます。ウォークインクローゼットやフリースペースなど、移動させるだけでオリジナル空間を演出できる収納ユニットをぜひチェックしてみてくださいね!
4つのタイプは、それぞれで使い勝手が異なります。順番に見ていきましょう。
Ⅰ型
壁面の片側一面のみにハンガーを掛けるためのパイプや、衣類を整頓する棚などの収納機能を備えているタイプです。
Ⅱ型
向かい合った2つの壁面にハンガータイプや棚などの収納機能を備えているタイプです。中央の通路スペースが十分に取れる広さがある場合には、このレイアウトのウォークインクローゼットは特に使い勝手がよいと感じるでしょう。入り口から一気に収納を見渡すことができるため、収納したものを管理しやすくなります。
L字型
直角に隣り合う壁面2面にハンガーパイプや棚などの収納機能を備えたタイプです。I型より収納力はありますが、角の部分がデッドスペースになりやすいでしょう。奥行きのある細長い形の室内に向いているレイアウトだといえます。
コの字型
入り口のある壁面以外の3面にハンガーパイプや棚などの収納機能を備えているタイプです。収納スペースは広く取れますが、L字型と同じく角の部分にデッドスペースができやすいため、この部分をいかにうまく活用するかがポイントとなります。
ウォークインクローゼットの間取り
ウォークインクローゼットは、家族構成や世帯人数に対して適切な広さが必要です。以下の表は、ウォークインクローゼットの畳数別に、目安となる世帯人数や収納量をまとめたものになります。
ウォークインクローゼットの間取り | 目安となる世帯人数 | 収納できる衣類の量 |
---|---|---|
2畳 | 夫婦2人 | 約150~200着 |
3畳 | 夫婦 + 子ども1~2人 | 約250~300着 |
4畳 | 夫婦 + 子ども2人 | 約400着 |
ただし、上記の数字はあくまでも目安です。洋服の量が多い、将来的に子どもが増える可能性がある、大きな道具を必要とする趣味があるなどの場合には、現在の世帯人数に対して、少し広めのウォークインクローゼットがあると、なおよいでしょう。
また、世帯人数だけではなく、家の収納率から適切な広さを考えていく方法もあります。収納率とは家の床面積に対する収納スペースの面積の割合です。マンションは8%、戸建ては13%程度が平均的な収納率となっています。収納スペースを多く取りたい場合は、平均より高めの数値にするのがおすすめです。いずれの場合でも、レイアウトや収納方法を工夫して、ウォークインクローゼットを上手に活用しましょう。
ウォークインクローゼットのメリット
住まいにウォークインクローゼットがあると、以下のようなメリットがあります。
・広い収納スペースを確保できる
・衣替えをしなくて済む
・中で着替えができる
1つずつ詳しく説明していきます。
広い収納スペースを確保できる
ウォークインクローゼットは、通常のクローゼットと比較して広いスペースを確保できます。そのため、衣類だけでなく、バッグやアクセサリーなどの小物から、スキーウェアや浴衣といった季節用品まで幅広く収納可能です。さらに、奥行きが深いタイプのウォークインクローゼットであれば、布団やスーツケースなどの大きなものまでしまっておけます。
また収納スペースが広いため、ものの管理がしやすく、何がどこにあるのか分かりやすいこともメリットです。
衣替えをしなくて済む
ウォークインクローゼット内で衣料品を春夏用と秋冬用に分けて収納しておくと、衣替えの必要がなく便利です。別の場所にしまったり取り出したりする手間がないので、春先や秋の終わりなど、温度が微妙に変化する時季のコーディネートが楽になり、寒暖差への対応が柔軟にできるようになりますよ。
中で着替えができる
ウォークインクローゼットでスペースを確保しておけば、収納だけではなくその場で着替えもできます。また、スペースに余裕があれば、全身が映る鏡を置くこともできるでしょう。大きな鏡があると、服のコーディネートがしやすく、着替えながらボディチェックもできます。
ウォークインクローゼットの注意点
ウォークインクローゼットには以下のような注意点もあります。
・広いスペースを確保する必要がある
・ものを詰め込んでしまいやすい
・通気性に配慮する必要がある
順番に解説していきます。
広いスペースを確保する必要がある
ウォークインクローゼットは、人が室内で移動する必要があります。そのため、ウォークインクローゼットを設置する際には、人が移動できるだけの広いスペースを確保しなければなりません。
最低限確保すべき通路幅は、人が1人余裕を持って通れる幅である60cmです。生活を圧迫しないよう、ライフスタイルや家の広さを考慮したうえで検討するとよいでしょう。
ものを詰め込んでしまいやすい
ウォークインクローゼットは収納力が高い分、「ものは全てウォークインクローゼットに置けばよい」という感覚に陥りやすくなります。その結果、奥に収納したものを取り出しにくくなってしまう恐れがあります。収納するものを7~8割程度にしてスペースに余裕を持たせると快適に使えますよ。
通気性に配慮する必要がある
ものを収納するスペースであるウォークインクローゼットは、閉め切った空間になりがちです。窓がある場合はよいのですが、ない場合は定期的に扉を開け放したり、換気扇を付けたりして、通風・換気を工夫する必要があります。こうした配慮で、湿気やカビの原因を除き、収納したものの劣化を防げるでしょう。
ウォークインクローゼットで失敗しないためのポイント
ウォークインクローゼットを快適に使うポイントは、大きく以下の3つです。
・動線を意識する
・ものの定位置を決める
・扉を工夫する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
動線を意識する
ものの位置は、人が動きやすい動線を考慮して決めることが重要です。ウォークインクローゼットの場所も、動線を意識して考えましょう。
たとえば、寝室に続く位置にウォークインクローゼットを設ければ、起床後や就寝前の着替えが楽になります。ウォークインクローゼット内に着替えスペースを確保できなくても、衣類を取り出して寝室でそのまま着替えることが可能です。
あるいは洗面室付近に設けると、顔を洗ってヘアセットやメイクを行った後にすぐ着替えられるため、外出前の身支度がスムーズになります。また、帰宅後も、コートを脱ぎ、手を洗い、着替えるといった流れを円滑に進められる動線が確保できます。ただし、水回りの湿気がウォークインクローゼットに及ばないよう、配慮が必要です。
ものの定位置を決める
ウォークインクローゼットの中が散らからないようにするために、収納するもの全ての定位置を決めましょう。
定位置を決めた際は、取り出したものを元の場所にきちんと戻すことがポイントです。戻す場所を分かりやすくするには、中が見える収納ボックスやラベルなどを利用するとよいでしょう。
扉を工夫する
ウォークインクローゼットで一般的な折れ戸や開き戸は、どちらも手前に開くためスペースが必要です。リフォームでウォークインクローゼットを設置する場合には、手前に開くことのない引き戸にすることでスペースを有効に使えます。
また、扉をなくすことも方法の1つです。閉め切った状態にならないことで、通気性がよくなり開放感も生まれます。ただしウォークインクローゼットの中が見えるようになるため、見栄えが気になったり、中にあるものを見られたくなかったりする場合は、目隠し用のカーテンやスクリーンを付けるとよいでしょう。
扉をなくすことで頻繁にものが取り出しやすくなります。ウォークインクローゼット内にコンセントを設置すれば、コードレス掃除機の充電場所やロボット掃除機のステーションも作れるでしょう。
ウォークインクローゼットを活用した収納方法
ここからは、ウォークインクローゼットを活用した収納方法を2つご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
ハンガーを活用した方法
まず紹介するのは、ハンガーを使った収納方法です。ハンガーを活用することで、ものの出し入れが容易になり、通気性が確保しやすくなります。ハンガーを活用する際には、以下の点を意識するとよいでしょう。
・衣類の長さや色で分ける
・ハンガーの種類をそろえる
・シーズン中のものとシーズンオフのものでハンガーの色を変える
ハンガーに掛けた衣類は、長さや色別に分けて収納することでスッキリとした印象になり、出し入れの際も一目で分かるようになります。また、ハンガーの種類をそろえることで、余計なスペースを作らずにコンパクトに収納可能です。ハンガーの種類は統一し、シーズン中とシーズンオフで色分けをすることでさらに使い勝手がよくなります。
収納ボックスを活用した方法
次に、ウォークインクローゼット内で収納ボックスを活用する収納方法を紹介します。整理収納を成功させる秘訣は、「定位置管理」です。収納ボックスにラベリングして、ものの定位置を明確にしましょう。家族内でも定位置を共有しやすくなるほか、収納場所を忘れてしまいがちな人にもおすすめです。
また、収納ボックスを使えば、ハンガーパイプの上や下などのデッドスペースも活用できるので、収納量が増えるでしょう。キャスター付きのボックスを選ぶと、ものの取り出しも楽になりますよ。
ウォークインクローゼットの利点を生かして快適な生活を!
収納は、家族それぞれのライフスタイルに合っていることが大切です。ウォークインクローゼットを検討する際は、家族の人数やライフスタイルを見直しましょう。洋服の数が多いのか、帽子や小物などのアイテムにこだわっているのか、アウトドアで使用するものが多いのかなど、家族のライフスタイルを具体的に思い浮かべることで、効果的で無駄のない収納スペースを作れます。
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情報提供:プロホームインスペクター 友田雄俊
さくら事務所所属プロホームインスペクター。大手リフォーム会社にて、メンテナンス工事から大規模なフルリノベーションまで計300件以上を幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画し、戸建てやマンション等様々な住宅診断の実施、本部運営に携わる。
HP:https://www.sakurajimusyo.com/
https://www.s-mankan.com/