マンション購入ガイド
家を買うときは何から始めるのがおすすめ?流れや注意点をご紹介!
家族も増えてきたので、そろそろ家を購入しようと思っています。しかし、何から準備すればよいか分かりません。家を購入する際、何から始めればよいか手順を教えてください。

家の購入にはとても大きな資金が必要になります。まずは、どれくらいの家なら購入できそうなのかを把握するところから始めましょう。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
家を買いたい!どうすれば?
マイホーム購入に憧れを持つ人は多いのではないでしょうか?自分の家を買うと、不動産が資産として残り、老後の住まいを確保できます。また、分譲マンションを購入する場合なら、共用部分を含め設備が充実していること、一戸建てを購入する場合なら、プライベートな空間を満喫できることといったメリットも得られます。
家を購入したいと漠然と考え始めたものの、何をすればよいか具体的なイメージが湧かないという人もいるでしょう。そこで今回は、家の購入を検討し始めた人に向けて、マイホーム購入の流れや注意点などをご紹介します。
まずは、家を購入する際の基礎知識として最も大切ともいえる資金計画について見ていきましょう。

資金計画は綿密に行う
マイホームの購入を検討し始めるときは、まず購入する家の予算を決めましょう。また、家を購入すると多額のローンを抱えるため、ゆとりを持った予算を決めて生活が困窮しないように、どのように貯金をしていくか計画することも大切です。
毎月の返済額を決める
まずは、毎月いくら返済をしていくのか、返済額を決めます。返済額を決めるときは、年収に見合った返済額にするとよいでしょう。年収に合わない返済額にすると、返済計画に無理が出たり、生活を圧迫したりしかねません。

前述した通り、住宅ローンを組む際は、無理なく返済できる金額を借り入れする必要があります。その際、返済額を決めるための参考となるのが、「返済比率」です。返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合のことを指します。返済比率は、次の式から算出できます。
返済比率(額面年収に占める年間返済額の割合) = (毎月の返済額 × 12) ÷ 額面年収 × 100
また、一般的に上記の計算結果が20~25%であれば適正とされています。
これらを踏まえ、たとえば以下の条件で返済比率のシミュレーションをしてみましょう。
額面年収:600万円
毎月の返済額:20万円
(20万円 × 12) ÷ 600万円 × 100 = 40
この場合、返済比率が「40%」になってしまうため、「返済額をもう少し減らしてみよう」といった判断をすることができます。このように、返済比率の考え方をもとに、無理のない返済額を計算してみましょう。
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頭金をいくらにするか決める
住宅ローンを借り入れる際は、頭金を支払う必要があります。頭金とは、入居までに支払う自己資金のことです。頭金をいくら支払うかによって、毎月の返済額が決まります。頭金の金額の目安は、物件の購入額の20%程度とされています。
ただし、頭金の金額を決める際は、将来のことも考えて決めるようにしましょう。家の購入を考えるタイミングは、結婚・出産・親との同居などさまざまです。たとえば、出産を機に家を購入するのであれば、将来生まれてくる子どものためのお金が必要になります。まとまった金額が必要になる場合もあるので、頭金の金額を決める際は、ライフプランに合わせて無理のない範囲で決めるようにしましょう。
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家の条件を整理しよう
資金計画が立てられたら、理想の家を購入するために物件への希望やこだわりなどの物件情報を整理し、優先順位を付けていきましょう。物件といっても、新築なのか中古なのか、またマンションなのか一戸建てなのかなど、さまざまな選択肢があります。また、子どもに通学させたい学校があれば、学校に近い場所を希望するのもよいですし、外で遊べる環境が欲しいのであれば近くに公園のある物件がよいでしょう。また、住む人数によって、購入する物件の最適な広さも変わるので、快適に暮らせる家の広さを検討しましょう。
マンションか一戸建てか
まず考えるのは、マンションにするのか一戸建てにするのかという選択肢なのではないでしょうか?ここでは、マンションと一戸建ての特徴をご紹介します。
マンションの特徴は、設備が充実していることや交通アクセスがよい物件が多いなどが挙げられます。築年数が新しい物件であれば浴室乾燥機や床暖房など部屋の中の設備に加え、宅配ボックスやラウンジなどの共用設備や、オートロックなどの設備が備わっている物件も増えています。また、最寄り駅から近い距離にある物件も多く、通勤・通学のしやすい物件もあります。
さらに、マンションでは住民が使う設備の管理や老朽化対策などが整っています。24時間ごみ出しできる物件もあり、マンションならではの便利さを感じられるでしょう。ただし、住民はこれらのサービスを受けるために、毎月の管理費や積立修繕費を支払う必要がある点に注意しましょう。
一方、一戸建ての特徴は、共同住宅と違い、建物全てが個人の所有なので、マンションに比べて騒音や生活音を気にする必要がないことです。
また、一戸建てだと屋内だけでなく、屋外にも個人の専用スペースを確保できることも大きな特徴の1つです。たとえば、敷地内に庭やウッドデッキを作ったり、専用駐車場を用意したりすることができます。
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新築か中古か
マンションか一戸建てかが決まったら、新築住宅にするのか中古住宅にするのかという選択肢もあります。新築 ・ 中古のメリットや注意点など、それぞれの特徴をご紹介します。
新築の場合は、新しく使用感のない家に住めることがメリットです。また、最新の設備が備わっており、耐震基準もクリアしているので、物件の利便性や機能性の点では優れているでしょう。新築住宅を購入する際の注意点は、中古住宅と比較して購入価格が高くなってしまう点です。
一方、中古の場合は、新築と比較すると購入価格を抑えることができます。加えて、リフォームやリノベーションを行うことで、新品同様の住宅に改修することができるというメリットもあります。しかし、設備が古くなっている場合はメンテナンスや修繕に手間や費用がかかるといった注意点もあります。
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新築マンションと中古マンションについてそれぞれの特徴をご紹介しています。

家を買うときの流れ
では実際に家の購入はどのようなステップで行うのでしょうか?ここでは、引渡しまでの流れと、住宅ローンを利用するときの流れについて見ていきます。
引渡しまでの5ステップ
物件を検討してから引渡しまでにかかる期間は、竣工済みの物件を購入する場合は通常3か月〜半年前後とされています。検討から引渡しまでは、主に以下の5ステップの流れで行います。
●[ 1 ] 物件の選定・内見を行う
物件の選定では、経済的な条件や希望条件を整理したうえで検討していきます。展示場やモデルハウス、モデルルームなどで実際と同じような物件の見学ができるため、内見時には、間取りや動線の確認はもちろん、家具が置けるか、窓の位置、周辺環境などもチェックすることをおすすめします。また、ローンの事前審査もこの段階で行いましょう。
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●[ 2 ] 購入の申し込みをする
物件の選定や内見を踏まえて、購入したい物件が見つかり、ローンの事前審査も通ったら、購入代金や支払う手付金の金額、引渡し日などを記載する申込書(中古物件の場合は買付証明書)を不動産会社に提出します。
●[ 3 ] 売買契約をする
重要事項の説明を受けて書面によって売買契約を結びます。なお、売買契約の前に手付金の振り込みが必要となります。
●[ 4 ] 住宅ローンの契約をする
売買契約が終了したら、住宅ローンの本審査や契約に移ります。
●[ 5 ] 引渡し
住宅ローンは引渡し日に実行されます。引渡しでは重要書類や鍵の引渡しが行われます。また、引渡しのタイミングで、残金の支払いが発生します。
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住宅ローン契約までの4ステップ
住宅ローンの実行までの期間は約1か月半程度です。家の購入の際に住宅ローンを利用する場合は、一般的に以下の4つのステップが必要になります。
●[ 1 ] 事前審査
住宅ローンは、事前審査と本審査があります。最初の事前審査は購入を希望する物件が決まった時点で行うのが一般的です。事前審査では、債務者が住宅ローンの返済能力があるのかどうかを審査するもので、1週間程で審査結果が通達されます。
●[ 2 ] 本審査
本審査とは、不動産会社と売買契約を結んだ後に正式に住宅ローンに申し込むと実施される審査のことです。ここでは債務者の返済能力だけでなく、物件の担保価値や債務者の健康状態など詳細な部分まで審査されます。審査期間の目安としては、1~2週間程です。
●[ 3 ] 契約
本審査が通った場合、正式な住宅ローンを契約します。融資のお金が振り込まれる日は引渡し日となります。
●[ 4 ] 融資実行
引渡し日の当日に、いよいよ融資の実行がなされます。

家を購入する際に注意するポイント
家を購入する際、注意しておきたいポイントがいくつかあります。理想の家と購入希望の家を比較してみて、より理想に近い家を購入できるようにしましょう。ただし、理想の家を求めるうちに、購入価格が高くなってしまう場合もあるので、ポイントを押さえておきましょう。
立地と周辺環境をしっかり調べる
購入希望の物件の立地条件は、事前に情報収集することが重要です。利便性を追及する場合は、仕事場や学校までどのくらいの時間がかかり、どのような手段でいけるのか、物件の周りにはどのような商業施設があるのか、などを確認するようにしましょう。また、住むうえでの安全性を考慮する際には、道端にごみが散乱していないか、落書きがないかなど、周辺の治安を確かめましょう。
物件を細かく調べる
物件の間取りは慎重に検討しましょう。家族構成や一緒に住む人などによって、適切な家の広さは異なります。検討している物件の広さは、一緒に住む予定の人たちが快適に暮らすために十分な広さなのか、また、暮らしやすい間取りなのかを事前に確認するようにしましょう。
住宅診断を受ける
中古住宅を購入する場合は、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を受けるのがおすすめです。ホームインスペクションとは主に、住宅の劣化状況や不具合がないか、改修すべき箇所や改修にかかる費用などを確認します。
中古住宅は、建物は築年数が長くなればなるほど老朽化が進み、入居前に補修が必要になる場合もあります。
●ホームインスペクションに関する記事はこちら

インスペクションに関して、メリットや注意点、かかる費用などを解説しています。
重要事項説明を聞き不明点をよく確認する
売買契約締結前に、「重要事項説明」をしっかりと理解しないとトラブルにつながる可能性があります。重要事項説明とは、物件に関しての詳細な情報や契約における取引条件などを、売買契約前に宅地建物取引士が買主に対して行う説明のことで、不動産売買契約の前には重要事項説明が義務付けられています。
契約した後に後悔しないように、重要事項説明の際に不明点は確認しましょう。あらかじめ、重要事項説明書のコピーをもらって、内容を確認しておくことも大切です。
将来的に売却することも考慮する
ライフステージの変化に伴い売却する可能性も見据えておきましょう。たとえば、子どもが大きくなって独り立ちし、広い家を持て余してしまったり、自らが年齢を重ね施設に入居することで家が不必要になったりすることで、将来的に家の売却を行う可能性もあります。

購入費以外にかかる費用は?
家を購入する際、家の購入費以外にもさまざまな費用がかかります。どのような費用があるのか、それがどのくらいの金額なのか、資金計画を行っていくうえでも知っておく必要があります。ここでは、家の購入時に必要となる費用を具体的にご紹介します。
税金
家の購入時、購入後にはさまざまな税金が課せられます。課せられる税金は以下の通りです。
●不動産取得税
不動産取得税とは、家や土地を取得した際に、1回のみ課される税金のことです。不動産売買のほかに、家屋の贈与や増改築などにも課されます。不動産取得税(土地及び住宅)は、課税標準額 × 3%で計算することができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
●不動産取得税に関する記事はこちら

不動産取得税に関して、かかる金額や軽減措置などについて解説しています。
●固定資産税
固定資産税とは、所有する不動産に対して毎年課税される税金で、課税標準額 × 1.4%で算出することができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
●都市計画税
都市計画税とは、固定資産税と同じく毎年課税される税金です。ただし、課税の対象になるのは、市街化区域という、市街化を促進するエリアに指定される区域に属する不動産です。都市計画税は、課税標準額 × 0.3%以下(市町村の条例による)で計算することができます。都市計画税の税率は自治体によって異なる場合があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
●都市計画税に関する記事はこちら

都市計画税とは何か、計算方法や軽減措置などについて解説しています。
●登録免許税
登録免許税は、不動産取得に際し、所有者を登録する登記に必要な税金です。登録免許税は、課税標準額 × 税率で計算することができます。登録免許税は、不動産の種類と登記の原因によって、税率は異なります。以下の表は不動産の種類と登記の用途における税率を表したものです。
不動産の種類 | 登記の用途 | 税率 |
---|---|---|
土地 | 売買(移転登記) | 2%(本則) |
建物 | 新築購入(保存登記) | 0.4%(本則) |
中古売買(移転登記) | 2%(本則) |
詳しくは以下の記事をご覧ください。
●登録免許税に関する記事はこちら

登録免許税とは何か、計算方法や軽減措置について解説しています。
●印紙税
印紙税は、売買契約書のような課税文書(印紙を貼らなければいけない書類のこと)を作成したときに支払う税金のことで、ここでは売買契約書に収入印紙を貼って納税します。納税額は購入した不動産代金によって異なります。
金額 | 本則 |
---|---|
1~50万円以下 | 400円 |
100万円以下 | 1000円 |
500万円以下 | 2000円 |
1000万円以下 | 1万円 |
5000万円以下 | 2万円 |
1億円以下 | 6万円 |
諸費用
家を購入する際には、税金以外にも以下のような諸費用が発生します。
●手付金
手付金は、売買契約時に契約の証として売主に支払うお金であり、購入代金の一部に組み込まれます。金額の相場は物件価格の5~10%となっております。ただし、買主の都合で一方的に契約を解除した場合、手付金は違約金となって返金されなくなるため、よく検討してから契約するようにしましょう。
●手付金に関する記事はこちら

新築マンション購入にあたってかかる費用について解説しています。
●頭金
頭金は、不動産購入額のうち、自己資金に該当する現金のことです。頭金があることで住宅ローンの審査が通りやすくなり、金利が引き下がることもあります。
●頭金に関する記事はこちら

マンション購入にあたり、頭金の金額を決めるポイントを解説しています。

マンション購入に際して、住宅ローンを組む場合頭金がゼロでも大丈夫か解説しています。

●住宅ローンを組む際の諸費用
住宅ローンを契約する際には、住宅ローン借入契約書に使う印紙代や、融資事務手数料、保証料などさまざまな費用が発生します。
●火災保険料・地震保険料
住宅ローンを組む際は、ほとんどの金融機関が火災保険への加入を条件にしています。火災保険には建物と家財があります。また、火災保険に加入すると、地震保険に加入することもできます。
●火災保険に関する記事はこちら

火災保険とは何か、保証内容やかかる費用などを解説しています。
●引越し代金
新居の購入に際し、家具や家電の移動など引越し代が発生することもあります。引越し代金は、距離や内容により異なります。
●新居の家電や家具
新居への引越しを機に、家具や家電を買い替えることもあるでしょう。新生活に伴って、家財の買い替えも考慮しながら資金を確保しておくようにしましょう。
●司法書士報酬
登記の登録手続きを司法書士に依頼したら、司法書士報酬を支払わなくてはいけません。費用は事務所によって異なるため、確認しておきましょう。

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情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/