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Question

マンションの4階の住み心地は?眺望や安全性など気になるポイントをチェック

新居を探していたら、よさそうなマンションに4階の住戸がありました。これまで1階や2階階、また10階にも住んだことはあるのですが、4階の住み心地はどうなのかと気になっています。マンションの4階の特徴や住み心地などを教えてください。

Answer

マンションの4階は、7階~10階建て程度のマンションなら中層階、タワーマンションなど高層マンションでは低層階にあたります。3階~5階の住戸は、周辺環境やマンションの配置にもよりますが、1、2階や高層階と比べたときに特徴があるので、マンションを検討する際に、把握しておきましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

マンションの4階前後は住みやすい?

マイホームを探してさまざまな物件を見ていると、マンションは同じ建物のほぼ同じ面積や間取りでも、階数や方角によって値段が違うことに気付くでしょう。マンションは、高層階ほど価格が高く、低層階ほど価格が安いというのが一般的な傾向です。特に、新築マンションでは基本的にそのように価格が設定されている場合がほとんどです。

同じマンションでも、高層階は近隣の建物の影響を受けにくく、日当たりや眺望に恵まれやすいため、価格が高く設定される傾向があります。一方、低層階は外部からの出入りが楽にできたり、特に1階だと庭付きだったりというメリットがあります。しかし、眺望や日当たりを重視する人も多く、低層階は比較的安い価格設定になる傾向があります。

マンションと青空と緑
※イメージ写真

では、マンションの4階前後はどうでしょうか?住環境や安全性などいろいろな角度からほかの階と比較検討してみましょう。

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マンションの1階は住みやすい?
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マンションの4階はどのくらいの高さ?

一般的なマンションの4階は、天井までの高さが地上から約12メートル程度になります。一般的なマンションは、1階あたりの高さ(階高)が約3メートルだからです。4階の床の部分の高さはおよそ9m~10mということになります。では、この4階の住環境とはどういったものでしょうか?詳しく見てみましょう。

階段の昇り降りが可能
マンションの3階、4階は、階段の昇り降りがそれほど苦にならない階数といえます。もちろん感覚には個人差があるため一概にはいえませんが、5階までなら何とか毎日階段を利用することになっても不便は感じないかもしれません。災害時でエレベーターが使えない生活となったときに、階段の昇り降りが苦にならない程度だと安心ですね。

日常でもマンションの3階、4階なら、エレベーターが混み合う時間帯は階段を使うということもできます。

エレベーターがない物件の場合、引越しの際、荷物の運搬は階段で行うことを念頭に入れておきましょう。マンションの4階への入居にあたっては、マンションの階段の幅をあらかじめ測っておくと便利です。

マンションの階段
※イメージ写真

眺望も恵まれやすい?
マンションの4階、5階の場合、1階~3階よりは眺望が開けやすい傾向があります。
もちろん、タワーマンションのような高層マンションの高層階のように広く視野が開けた眺めは難しいかもしれません。しかし、マンションが位置する「用途地域」によっては眺望が期待できます。

眺望には周辺環境が大きく影響します。マンションが建つ地域に指定されている用途地域が「低層住居専用地域」であれば、その地域は、建物の高さや住宅以外の建物の建築が制限されていることになります。「低層住居専用地域」では、用途の指定によって静かな住環境が保たれているといえます。

一方で、マンションが商業地域や近隣商業地域といった高さ制限の緩い用途地域に建っていたり、隣接している場合は注意が必要です。現在の眺望がよかったとしても、将来的に隣接地に高い建物が建ったりと眺望が変わる可能性があります。

4階前後の住戸を見学する際には、周囲の高い建物の有無や近隣の建築計画などを調べ、現在の状況と、将来の眺望についても変化しないか確認しておくとよいでしょう。近隣で近い将来に建物が建築される場合、建築計画の概要を最寄りの市区町村で閲覧することができます。

マンションの4階前後の住戸の主な特徴

例として4階の高さのイメージは先にお伝えしましたが、実際にマンションの4階前後に住むとどんな生活になるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

日当たりは1階、2階より良好
マンションの4階前後の住戸は、先にお伝えした眺望が開けるのと同じ理由で、1階や2階に比べて日当たりがよくなる傾向があります。日当たりがよければ、洗濯物が乾きやすい、湿気がたまりにくい、冬でも暖かいなどのメリットがあります。また、3階~5階は1階、2階に比べると外部からの人目が気になりにくい傾向もあり、プライベートの面でも過ごしやすいといえます。

また、高層階とは違って強風で洗濯物が飛んでしまう可能性が低く、布団なども干しやすく洗濯物に関しては扱いやすいというメリットもあるといえます。

ただ周囲の建物との関係によっては、時間帯によって日当たりがよくないことも考えられます。物件の見学では、室内の窓やベランダから周囲を確認したり、時間帯を変えて複数回現地に行って周辺環境を確認してみるとよいでしょう。

リビングルーム
※イメージ写真

マンション価格は比較的安くなる
マンションの4階前後の住戸は、上層階の住戸と比べて価格が比較的手ごろな価格となる傾向があります。特にタワーマンションなどの高層・超高層マンションでは4階前後は低層階にあたるので、価格が安くなる傾向があります。新築マンションでは、階数に応じて価格を設定していきますので、高層マンションであればあるほど、同じマンション内では4階前後の住戸の価格は相対的に安くなります。

また、中古マンションの場合、同時期で比較すると、新築マンションと同じような階数の価格差になる傾向があります。そのため、高層マンションの上層階よりも、4階前後の住戸の方は価格が手ごろになります。

騒音はどの階も変わらない
マンションの最上階なら上階がなく、1階なら下階がないため、上階や下階の音が気になることはありません。一方、それ以外の階の住戸は上下に住戸があり、ある程度上下からの生活音が伝わってきます。

外を走る車の音や通りを歩く人の声など外からの喧騒は、1階、2階よりは4階前後の住戸のほうが比較的伝わりにくい傾向があるといえます。しかし、音は道路の反対側の建物に反響して上部に届くことがあるので、一概に下階より静かとは言えません。特に、街の喧騒をどう室内で感じるかは、感じ方の個人差もありますし、マンションの立地が幹線道路や線路、商店街といった音の発生源からの距離などによっても変わってきます。

物件の内見時には、窓を開けて外からの音がどれくらい響くのか、周辺を歩いて騒音の原因となる道路や商店街などとマンションがどの程度の距離があるのか確認しましょう。

また、室内で仕事や家事をしている昼間とは違い、夜寝る時間帯に気になる騒音があると、なかなか寝付けず、生活や健康に支障が出てしまいます。そこで、近隣の道路の夜間の交通量や深夜営業している店の種類や状況、夜間操業している工場の有無など夜の周辺環境も確認してみるのもよいでしょう。

排気ガスは道路との距離に注意
マンションが交通量の多い道路の近くにある場合、車の排気ガスが気になりますね。車の排気ガスは、1階、2階だけではなく4階前後でも影響する可能性があります。特に高速道路に隣接する場合、道路が高架となっていることが多く、4階前後の目の前に道路があることがあります。高速道路や幹線道路の近くでは騒音だけではなく、排気ガスの影響も考慮しなければなりません。

マンションと道路
※イメージ写真

虫の侵入は1階や2階よりは少ないが油断は禁物
マンションの4階前後なら、地面に近い1階、2階よりも虫が室内に入ってくる確率は低いと考えられます。しかし、エレベーターや外廊下などからゴキブリやムカデ、ネズミなどが侵入することはあります。一方、セミといった飛来してくる虫は風向きによっては10階程度まで侵入してくることがありますので、虫が苦手な方は、油断は禁物です。

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マンションのゴキブリ対策
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マンション4階前後の住戸の安全性は?

マンションの4階前後の住戸の住み心地の特徴をお伝えしましたが、では災害などの非常時はどうでしょうか?ここからは安全性についてご紹介します。

都心の街
※イメージ写真

防犯性は低層階より高い
マンションの4階前後になると、窓からの侵入がしにくくなるため、1階、2階よりも防犯性は高くなるといえます。

ただし、警視庁のデータ※1によると、実際に空き巣に侵入されるケースは、「無施錠」の場合が多いというデータがあります。「マンションの4階でオートロックの建物だから大丈夫」と安心して、玄関や窓の鍵を施錠しないままでいると、居住者の後を付けオートロックをすり抜けた空き巣が建物内に侵入されてしまう、ということもありえます。階数問わず、油断しないように気を付けるのがよいでしょう。

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地震の揺れは高層階より感じにくい
マンションの4階前後は、高層マンションの場合、高層階と比較すると地震の揺れを感じにくい傾向があります。地震の際、建物の規模や構造によっては、高層階に大きな振動が伝わることもありますが、4階前後であればそこまで揺れは大きく伝わりません。

地震に強いマンションに住みたい場合は、マンションの構造をあらかじめ確認しておくことが重要です。建物自体の地震の揺れを抑える免振構造や制振(制震)構造は、耐震構造よりも地震に強くなります。耐震構造の場合は、そのマンションが建てられた時期によって、国の定めた耐震基準が異なり、いわゆる旧耐震構造の建物は、新耐震構造の建物より地震に対して耐震性が弱くなります。

したがって、中古マンションの場合は、建物の構造を確認するだけではなく、どの耐震基準に準拠した建物なのかも知っておく必要があります。

津波は4階以上まで届く恐れも
マンション4階程度の高さでも、立地によっては大きな津波が届く恐れがあります。実際に東日本大震災では、15m以上の高さに到達した地点が複数報告されています。 また、津波の被害に関しては、津波の高さばかりではなく、地形や海抜といった地理的な条件によっても津波の被害に違いが出てきます。

海沿いや海抜の低い地域、ハザードマップで津波の浸水の恐れが高いと指摘のある地域などにマンションがある場合、地域やマンションの防災対策がどのようになされているかを確認しましょう。

海抜を示す標識
※イメージ写真

台風の被害は上層階より少ない?
マンションの4階前後は、上層階よりも台風の被害が少ないといえそうです。一般的に地上から高さが高くなるほど風が強くなる傾向があり、高層マンションの場合、4階前後の住戸であれば、上層階に比べて風力は小さく被害を受けにくい傾向があります。避難の際も、階段を利用して早く、楽に建物の外へ避難することができます。

また、台風の被害によって、電気や水道などのライフラインが停止する可能性があります。停電や断水となった場合、マンションではエレベーターが使用できなくなり、水の確保も難しくなることがあります。ライフラインがストップした場合、高層マンションの上層階はもちろん、一般的なマンションの6階、7階でも、1日に何度も階段の昇り降りするのは大変です。4階前後であれば、上層階より生活の負担が比較的少なくなるといえるでしょう。

マンションのベランダ
※イメージ写真
住環境とコストのバランスを見て決めよう!

マンションの4階前後の住戸についてご紹介しましたが、いかがでしたか?マンションの4階前後の住戸は、1,2階や上層階とも違うメリットがあるといえそうです。一方で、メリットばかりとはいえないところもありましたね。

また、同じ4階の住戸でも、4階建てなら最上階になりますし、5階建て、10階建て、さらにはタワーマンションでは違いがあります。

日々暮らす住まいとなりますから、これまでご紹介したことを参考に住環境とコストのバランスを図りながら、マンションを検討してみてくださいね。

リビングルームと家具
※イメージ写真

※1 「令和元年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/akisu/ppiking_house.html
(最終確認:2021年5月14日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14