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Question

登記簿謄本を取得する方法は?不動産を売るなら早めに準備しよう

家を売ることになり、登記簿謄本が必要になりました。登記簿謄本はどこでどうやって取り寄せるのでしょうか。取り寄せる際に注意した方がよいことはありますか?

Answer

登記簿謄本は、法務局で取得します。それにはまず地番を調べることから。地番がわかったら、法務局に申請書を提出し、登記簿謄本の取得となるのですが、その方法や手順で気をつけたいポイントがあります。ポイントを押さえてお伝えしますね。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

不動産や法人の諸手続きに必要な登記簿謄本

不動産や法人の情報が記載されている登記簿謄本。以前は「登記簿謄本」と呼ばれていましたが、現在は一般的に「登記事項証明書」となっています。また、不動産に関する情報が載っているモノを「不動産登記」、法人に関する情報が載っているモノを「商業登記」と呼びます。さらに、登記簿謄本にあたるものを「登記事項全部証明書」といい、その一部を抜粋して記載しているものは登記簿抄本で、「登記一部事項証明」と呼ばれています。

今回はそんな登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法についてご紹介します。まずは、登記簿謄本がどんなときに必要になるのか、押さえていきましょう。

登記簿謄本書類
※イメージ写真

住宅ローン控除の申請や不動産売却の際に必要な不動産登記
不動産の登記簿は、住宅ローン控除を受ける際の確定申告や不動産を売却するときなどに必要になります。不動産登記簿は、土地や建物など不動産の個別の情報や権利関係を示す書類。所在地や面積、種類など不動産を表す個別の情報と所有権や抵当権などの権利に関する権利者や条件などが記されている公的な文書です。

土地や建物がどこにあり、どれくらいの広さで、どういった人に所有され、また誰によって抵当権の設定がなされているかなどさまざまな情報が、明らかに示されています。そのため、不動産取引や税金の申告など重要な場面でその不動産を扱うときに必要とされるのです。

会社役員の交代の際や補助金をもらう際に必要な商業登記
商標登記は、会社の商号(法人名)や本店の所在地、役員、目的など法人に関する基本情報が記載されています。新規取引や法人が融資を受ける際など法人の素性を明らかにするのに必要です。

また、融資だけでなく会社で助成金や補助金を申請するときにも、法人の登記簿謄本の取得が必要になります。特に公的な機関とのやりとりには、登記簿を提出することで会社が実在していることを証明しなければなりません。

登記簿謄本取得の流れ 4ステップとは?

不動産の売却や住宅ローンの借り入れ、ローン控除の確定申告など不動産に関わる重要な取引で必要になる登記簿謄本。そのうち、不動産の登記簿謄本を取得する流れをみていきましょう。取得には、大きく4つのステップがありますよ。ここではそのステップを詳しく見てみましょう。

日本公証役場
※イメージ写真

[ 1 ]不動産を特定する所在地を調べる
不動産の登記簿を取得するには、取得する不動産を特定しなければなりません。特に気を付けなければならなのが、「所在地」、別名「地番」です。実は、普段利用している「住所」と「所在地(地番)」は異なることが多いのです。登記簿謄本を取得する際には、「所在地(地番)」を申請時に記載しなければならないので、まずこれを調べる必要があります。

所在地は、毎年届く固定資産税納税通知などの書面で確認することができます。もし、分からない場合は、法務局にある専用のパソコン端末や備え付けの地図で調べることもできますが、法務局に電話して、住所を伝えて所在地(地番)を知りたいと言えば教えてもらうことも可能です。

[ 2 ] 申請書を用意する
登記簿謄本を取得するためには、申請書を用意する必要があります。申請書は、法務局の窓口か法務局のホームページでダウンロードできますよ。

不動産登記の申請書の記載内容は以下の項目です。

・申請者の住所・氏名
・取得したい土地または建物の所在地(地番)、(分かれば所有者)
・登記簿謄本(登記事項全部証明書)または抄本の必要な数
・共同担保目録の記載の有無
・登記簿謄本、抄本、公図(地図)など必要な書類を選択肢の中からチェック

不動産を売却する場合では、該当する土地と建物すべてについて、それぞれの登記簿謄本が必要になります。さらに、土地と建物に抵当権が設定されている場合、共同担保目録が必要になることがあります。共同担保目録が必要な場合は、申請書の該当する項目にチェックを付けましょう。共同担保目録には、1つの債権に対して複数の担保となっている土地や建物などが記載されています。

申請書に必要事項を記入したら、必要な金額の収入印紙を貼って提出します。その際に、印紙に割印を押す必要はありません。なお、収入印紙は、法務局内で販売しているので、法務局の窓口で取得する場合は、必要な金額を確認してから収入印紙を購入することもできます。

登記申請書
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[ 3 ] 申請する
登記簿謄本を取得するための申請書を入手し、記入し終えたら、申請書を提出しましょう。申請方法は3つあります。

・法務局の窓口で提出する
・申請書を郵送する
・申請書をオンラインで送付する

これらの方法は、後ほど詳しく説明しますね。

[ 4 ] 受け取る
登記簿取得の申請書を提出した後、登記簿謄本を受け取ります。受け取り方は、窓口か郵送のどちらかで可能です。窓口で受け取る場合は、窓口で発行された登記簿謄本の内容を確認してから受け取ります。

なお、登記簿謄本は、誰でも取得できます。自分の所有する不動産だけでなく、他人の不動産でも取得することができますよ。

法務局の窓口で申請する方法

登記簿謄本を取得するための申請書は、「窓口」「郵送」「オンライン」の3つの方法があることをお伝えしました。その1つ目、法務局の窓口での申請方法について詳しくお伝えします。

法務総合庁舎
※イメージ写真

窓口で交付申請をする
登記簿謄本を取得するには、法務局に直接出向く方法があります。その場で申請書の記載し、窓口に提出するか、備え付けの端末を操作して申請します。法務局の窓口での申請は、行く手間と若干の待ち時間がありますが、登記簿謄本を当日に入手できます。

窓口の混雑具合にもよりますが、空いていれば申請も含めて10分程度、年末や年度末など混んでいるときだと1時間程度の手続きで登記簿謄本が取得できますよ。

法務局の窓口、支社、出張所の受付時間は平日8:30~17:15となっています。

●全国の法務局一覧はこちら

窓口で申請する場合に必要なもの
窓口で登記簿謄本を取得するためには、600円の収入印紙が必要です。収入印紙は法務局で売っているので、事前に用意しておく必要はありませんよ。

郵送で申請する方法

登記簿謄本を取得する方法の2つ目は、郵送で申請する方法です。郵送にすると、直接窓口に行かなくてもよいので移動する必要がなくなりますが、郵送のやり取りで日数がかかるので時間的なゆとりが必要になります。

郵便局
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申請書を記載して郵送する
登記簿謄本の取得を郵送で行うには、申請書を入手することから始めます。申請書を入手する方法は2つ。法務局の窓口で申請書を入手するか、法務局ホームページからダウンロードするか、です。

申請書を入手したら、それに必要事項を記載し、必要な金額の収入印紙を貼り、返信用の切手を同封して、管轄登記所に郵送しましょう。管轄登記所とは、登記簿謄本を取得したい不動産がある地域を管轄している、法務局の出張所を指します。

申請書を郵送してから返送までには、おおよそ1週間程度で、登記簿謄本が手元に郵送されてきますよ。そのため、郵送での登記簿謄本の取得には、日数の余裕を持ちましょう。

●郵送先の管轄一覧はこちら

郵送で申請する場合に必要なもの
郵送で登記簿謄本を取得するためには、申請書のほかに登記簿謄本1通あたり600円の収入印紙、返送用の切手、返送用の封筒1枚が必要です。

なお、返信用の切手は、請求する登記簿謄本の記載内容が多い場合、紙の枚数が複数枚になることがあるので、94円切手など少し重くなっても大丈夫な金額にしておくと安心です。

申請書だけではなく、返送用の封筒と切手の同封をお忘れなく。同封する返信用封筒に自分の住所氏名を記入して切手を貼って送るとよいでしょう。

オンラインで申請する方法

登記簿謄本を取得する方法の3つ目は、オンラインで申請する方法です。オンラインで登記簿謄本取得をすると、自宅のインターネットで簡単に手続きを終わらせることができます。

かんたん証明書請求を利用して申請する
「かんたん証明書請求」というインターネットで登記事項証明書を請求できるサービスがあります。このサービスを利用するには、「登記・供託オンライン申請システム」に登録しましょう。登録は、Webのブラウザに必要事項を入力するだけで簡単にでき、登録してすぐに必要な登記簿の請求が行えるので便利です。

「かんたん証明書請求」での登記簿謄本の受け取りの方法は窓口か郵送かの2通りです。窓口を選ぶと、今度はオンライン上で指定した最寄りの登記所か、法務局証明サービスセンターの窓口か、どちらかを選んで受け取りになります。窓口ではオンラインで申請した翌日に受け取れる場合がほとんどです。ただし、郵送による受け取りとした場合はもちろん、法務局が混雑していたり、取得する土地が遠方だったりなどする場合は数日かかることがあります。

一方、受け取りの方法が郵送の場合は、手数料を納付してから手元に届くまでに2~3日かかります。登記簿謄本が取得できるにはどれくらいの日数がかかるのか、正式な日数については、法務局に問い合わせましょう。

ここで注意したいのは、オンラインとはいえ24時間対応ではないこと。法務局のオンラインサービスは平日の8:30~21:00となります。また、オンライン登録で取得したIDは、1年間にわたりログインしないと自動的に消滅することを覚えておきましょう。

●「登記・供託オンライン申請システム」はこちら

オンラインで取得する場合に必要なもの
オンラインで登記簿謄本を取得するためには、手数料が必要になります。手数料は、オンラインで申請して郵送による受け取りを希望した場合は480円、窓口での受け取りとした場合は500円かかります。通常は登記簿謄本1通あたり600円なので、少しお得になりますね。

なお、オンラインで申請した場合は、受け取り方法に関わらず、手数料は電子納付となります。電子納付では、インターネットバンキングかのほかPay-easyに対応したATMで納付することになりますよ。

閲覧だけなら専用のオンラインサービスの利用が便利

登記簿を閲覧するだけなら、わざわざ取得するまでもなく、登記情報提供サービスを利用すると早くて便利ですよ!

PC
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登記情報提供サービスを個人で利用するならば、クレジットカードの即決決済による一時利用か、利用者登録を行ったうえで利用する登録利用(個人)か、どちらかの選択となります。一時利用は、事前に登録をせずに、利用の度にIDの発行や支払い情報の入力をして閲覧する方法です。利用にかかる料金は、閲覧1件につき335円です。

登録利用(個人)の場合は、IDや支払い情報を事前に登録して閲覧する方法です。IDの発行や支払い情報の入力を毎回行う手間が省けますが、最初の登録に1週間程度かかります。料金は、登録料として300円、さらに閲覧する情報の種類応じて費用がかかりますが、登記全部事項は1件334円、不動産の所有者事項は1件144円などとなります。

1回だけの利用で十分なら一時利用、継続的にサービスを利用するなら、登録利用の方が便利といえそうです。

登記情報提供サービスの利用時間は平日8:30~21:00で、閲覧に対応するOSはWindowsのみとなります。ただし、閲覧で取得した登記簿(PDFファイル)は、あくまで確認のためのモノで公的な証明にはならないので、自分の用途に合わせて利用しましょう。

状況に合わせて取得方法を上手に使い分けよう!

登記簿謄本には、登記として登録されている不動産や法人の情報が記載されています。その登記簿謄本を取得する方法には3つあることをお伝えしました。

窓口であれば即日で取得できますし、ネットや郵送で申請すればわざわざ法務局まで出向かずとも登記簿謄本を入手できます。状況に応じて使い分けたいですね。

登記簿謄本の取得には、事前の確認と取得の申請、手続き、支払いと、少し手間と時間がかかる場合があります。なかなか平日の窓口が開いている時間に動けない場合は、郵送やオンライン申請が便利になりますが、その分早めに取得の手続きを始めるようにしましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。