マンション購入ガイド
引越しの荷造りは2週間前から始めよう!手順やコツは?
引越しをすることになりました!これから荷造りを始めようと思うのですが、まずは何から手を付けたらよいものか…。荷造りはいつ始めるべきか、また手順やコツを教えてもらえませんか?
荷造りは、引越しの2週間前には着手しましょう。手順としては、段ボールやガムテープなどの梱包資材をそろえた後、使う頻度が少なく、玄関から遠い部屋から始めると、効率よく作業が進みます。梱包する際は、1つの段ボールに詰める重さは大人1人が持てる程度にすることも大切です。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
引越しの荷造りのスケジュールを立てよう!
荷造りを始める目安は、引越し当日の2週間前です。しかし、世帯人数や荷物の量によって荷造りにかかる時間は異なります。2週間を目安として、自分の状況に合った期間設定をし、計画をしっかり立てることが重要です。引越しの際に必要となる作業として、荷造り以外にも、ライフラインや役所への手続きなどさまざまな準備が必要です。それらを含めて引越しの全体的なスケジュールを立てましょう。
続いては、引越し当日までのおおまかな荷造りの順番と時期をそれぞれ見ていきましょう。
引越しの約1か月~3週間前
●[ STEP 1 ] 家の中をグルーピングする
まずは、作業をしやすくするために部屋やコーナーごとにおおまかなグルーピングをします。引越し業者に梱包を依頼するのか、自分で梱包作業を行うかこの段階で決めましょう。引越し業者に梱包を依頼する場合も、グルーピングすることで引越し業者へ指示が出しやすくなります。
●[ STEP 2 ] 不要なものを処分する
粗大ゴミを出す場合、地域によっては、1か月前に予約が必要なケースもあるため、早めに管轄の自治体のホームページで確認しておきましょう。
引越しの約3~1週間前
●[ STEP 3 ] 使用頻度の低いものから順に梱包を始める
シーズンオフのグッズや衣類などから梱包します。荷ほどきがラクになるように、リビング周り、キッチン周りといったように部屋によって段ボールを分けるとよいですよ。
●[ STEP 4 ] 冷蔵庫の中を整理する
引越しの前日には、冷蔵庫の中が空になるように、整理しておきましょう。使い切れそうなものや食べ切れそうなものは、引越し前日まで計画的に消費することをおすすめします。
引越しの5日前~前日
●[ STEP 5 ] 使用頻度の低いものから順に梱包を始める
この段階で家具や家電、当日まで使用するものを、段ボールのフタをせずに詰めていきます。必要になったときにいつでも取り出せるようにしておきましょう。
●引越しの準備に関する記事はこちら
引っ越し準備の大まかな流れや手続きのポイントをお伝えします。
引越しの手順を確認しよう
おおまかなスケジュールが立ったら、荷造りの手順を確認します。ここでは、手順ごとに細かく見ていきましょう。
手順[ 1 ] 部屋をブロックに分ける
まずは、荷造りが必要となる部屋を以下のイラストのようにブロックごとに分けていきます。リビング、キッチンなどブロックごとに分けることで搬入や荷ほどきも効率的に行えます。
なお、リビングやキッチンなどと比べて荷物の少ないバスルームやトイレなどの荷物は、部屋の位置関係や利用用途の近いものでまとめるようにしましょう。
手順[ 2 ] ブロックをグルーピングする
手順[ 1 ]で分けたブロックをさらに細分化してグルーピングしていきます。たとえば、リビングダイニングの場合は「テレビ周り」「テーブル周り」など細かく分けていきましょう。
手順[ 3 ] 使う予定がないものを梱包する
次は、引越し後まで使う予定のない荷物を段ボールに詰めていきましょう。詰め終えた段ボールには、ブロック、グループ、荷物の内容をペンで記載しておきます。段ボールに書き込むことによって、開梱作業を行う際に、優先度の高いものから片付けやすくなります。
この段階で詰めるとよいものの主な例は以下の通りです。
●使用頻度:低
・シーズンオフの洋服
・来客用の皿やグラス
・ベッド下に収納している日用品や雑貨
・アルバムや図工の作品といった思い出の品
・テレビ台の周辺にあるDVDやCD、レコード
・ティッシュ、トイレットペーパーや食材などの備蓄品
・クリスマスやひな祭りなどのイベントで使用するもの など
●使用頻度:中
・書籍や常備薬
・ゴルフセットやヨガマットといった趣味のアイテム など
手順[ 4 ] 使う可能性があるものを梱包する
使う予定がないものを梱包したら、次は引越し前日までに使うかものしれないものを梱包していきます。ここまでにお伝えした通り、これらを段ボールに詰めたら、必要なときにすぐ取り出せるように段ボールのフタは閉めずにそのままにしておきましょう。必要になった場合は、その都度取り出し、使い終わった時点で段ボールに戻して当日にフタをします。
そのほか、子どものおもちゃや勉強道具をこのタイミングで梱包しましょう。全ての荷物を搬出した後に行う掃除で必要になる拭き取りシートやミニほうきなどの掃除道具、ドライヤーや歯ブラシ、せっけんなどの衛生用品、スマートフォンの充電器やPCのケーブル、コード類など、新居ですぐに使いたいものも同様に梱包します。
●掃除道具の収納に関する記事はこちら
掃除道具の収納の基本を紹介しています。
手順[ 5 ] 引越し当日に全てのものを梱包する
引越しの当日もしくは前日に、全てのものを梱包します。引越し当日は、思いがけず残った荷物が見つかる場合もあるので、段ボールは多めに用意しておきましょう。注意点として、引越し先に飛行機で移動する予定の人は、はさみやカッターなどの機内に持ち込めないものを詰め忘れないようにしましょう。
引越し当日や前日に詰めるとよいものは主に以下の通りです。
・工具
・バス用品
・洗面用具
・掃除道具
・トイレ用品
・キッチン用品 など
また、引越し前日、当日、翌日の3日間分の衣類やタオルなどの生活用品は、2泊3日の旅行に出かけるつもりで、スーツケースにまとめておくと便利です。加えて、手持ちで運ぶカバンには財布や印鑑、鍵などの貴重品を入れておきましょう。
荷造りをする際にあると便利な道具や梱包資材
以下のグッズを準備しておくと引越しに役立ちますよ。
用意しておくとよい道具
引越しの際に準備しておくとよい道具は以下の通りです。
道具 | 用途 |
---|---|
軍手 | ケガの防止や運搬時に持ちやすくなる |
カッター、はさみ | 荷造りだけでなく荷解きの際にも必要 |
「ワレモノ注意」の赤いシール | 割れ物が入っている段ボールが分かりやすくなる |
ガムテープ・養生テープ | 段ボールのフタを閉じる際や荷物を固定する際に便利 |
油性ペン | 段ボールの中身を書く際に必要 |
ビニール袋と輪ゴム | 液体が入った容器を梱包する際に便利 |
用意しておくとよい梱包資材
引越しの際に準備しておくとよい梱包資材は以下の通りです。
梱包資材 | 用途 |
---|---|
段ボール | 大小サイズの違うものをそろえておくと非常に便利 |
緩衝材(プチプチ) | 衝撃に弱いものを梱包する際に必要 |
新聞紙 |
食器類を梱包する際に便利 ※新聞紙がない場合は、キッチンペーパーやチラシ、包装紙で代用可能 |
タオル | 割れ物を包んだり、段ボール内の隙間を埋めたりするのに便利 |
布団袋 | 布団を汚さずに運ぶことができる |
ハンガーボックス | ロングコートやワンピースなど長さがある衣類も畳まずに梱包できる |
なお、段ボール、ガムテープ、緩衝材などの梱包資材は、引越し業者に事前に依頼すると無料で調達してもらえる場合もあります。詳しい内容は、引越し業者に事前に確認しておくようにしましょう。
引越しの荷造りのコツは3つ!
荷造りは、生活をしながら作業を進めなければならず、なかなか大変な作業です。しかし、これからご紹介する3つのコツを押さえて荷造りを進めると、効率的に作業が進められますよ。梱包の順番、段ボールへの荷物の詰め方を知って、ラクに作業を進めましょう!
玄関から遠い部屋から始める
荷造りは、玄関から遠い部屋から始めるのが基本です。大量の段ボールが玄関にあふれて、「出入りしにくい!」という事態は避けたいですよね。あらかじめ、「段ボールを置く部屋」を決めておくと、作業しやすいですよ。
重いものは小さな段ボールに詰める
重いものは小さい段ボールに、軽いものは大きい段ボールに詰めましょう。詰めるものの重さに合わせて、段ボールのサイズを変えるのです。大きめの段ボールに重いものをたくさん詰めると、段ボールが重くなり過ぎて運べなくなってしまいます。
重いもの:本、食器 など
軽いもの:衣料品、ぬいぐるみ など
ここまでにもお伝えした通り、段ボール1つの重さは、大人1人で持ち上げられるほどの重さにしましょう。ものを詰め過ぎて持ち上げにくくなると、引越しの作業効率が落ちてしまうので注意が必要です。
●段ボールの使い方に関する記事はこちら
段ボールの選び方、手順、メモの記入の仕方など、詰め方のコツをご紹介しています。
段ボールの上と側面にメモをする
段ボールの上面と側面にメモをすると、引越し作業がスムーズになります。手書きか、もしくはPCでプリントアウトした紙を貼りましょう。
具体的には以下についてメモするとよいですよ。
・段ボールの中身
・注意事項(「ワレモノ注意」や「すぐ使うもの」など)
・新居で使う場所はどこか(1F寝室、2F子ども部屋など)
品物別の荷造りのポイント
ワイングラス、ネックレス、オーブントースター。荷造りをしていると、「これってどうやったらうまく梱包できるんだろう…」と、梱包の仕方について悩むことがありますよね。
新居で段ボールを開けたら、お気に入りのものが破損している…なんてことは避けたい。とはいえ、あらゆるものを厳重に梱包すると、緩衝材が増え、荷物の量も増えてしまいます。品物別に適切な梱包ができるように、梱包のポイントをご紹介します。
食器やキッチン用品
割れ物は立てて詰めます。段ボールの中でものが動かないように、緩衝材を使ってきっちり詰めましょう。
●食器
食器の梱包は、新聞紙やクレープ紙で包みましょう。クレープ紙は、シワが寄っていて弾力があり、吸水性に優れている紙のこと。新聞紙のインクで食器が黒ずまないか心配な人は、クレープ紙を使った梱包方法がおすすめです。
ワイングラスは、頭の部分を新聞紙やクレープ紙で十分に養生し、緩衝材を敷いた段ボールに入れます。そのとき、グラスを上下交互に入れ、グラスとグラスの間に緩衝材を詰めて固定しましょう。
[ 例 ] コーヒーカップ
[ 例 ] 器
●調理器具
お玉やフライ返し、トング、菜箸などのキッチンツールは、まとめて食器拭きや新聞紙などで包み、ガムテープや輪ゴムで閉じればOK。カトラリーも同様にまとめられます。
包丁は、外から見ても中身が包丁であることが分かるように梱包します。段ボールを小さくし、二つ折りにして刃先をカバー。刃先が飛び出したり、滑り落ちたりしないように、ガムテープでしっかり固定しましょう。赤いガムテープを貼って目立たせて、包丁だと一目で分かるように工夫するのも大切です。
鍋は、ラップやアルミホイル、キッチンタオル、乾物などとひとまとめにすると、さくさく梱包が進みます。
[ 例 ] お玉
●調味料
使いかけの調味料は、できるだけ引越しまでに使い切るようにしてください。残ってしまった調味料は、移動中にフタが開いてこぼれても問題ないようにしましょう。養生テープでフタを閉じてから、ビニール袋に入れて輪ゴムで留めるか、ファスナー付きのビニール袋に入れてください。夏はクーラーボックスで移動するのもよい方法です。
●キッチン周りの小さな家電
電子レンジ、炊飯器、オーブントースターは、それぞれ1つずつ、1つの段ボールに入れます。緩衝材や新聞紙でくるんでから入れましょう。
衣類・装飾品
衣類は軽いので、大きな段ボールに詰めます。引越し業者によっては、衣類や靴専用のケースを貸し出している場合があります。なお、専用ケースは、収納できる数に限りがあるため、事前にいくつまで箱詰めできるかを引越し業者に確認しておきましょう。
詰めるときは、旧居の収納場所に沿って梱包するのがおすすめです。たとえば、使っているチェストの下の段に入っているものは全て同じ箱に詰める、という方法です。
そうすると、新居で荷解きをする際に「あの服どこだっけ?」と分からなくなっても、「前の家ではチェストの下の段に入れていたから、あの段ボールに入れたはず」と、関連付けて見つけられます。
●フォーマルな衣類
フォーマルな場に着ていくワンピースやスーツなどは吊るしたまま移動させるのが一番便利です。引越し業者によっては、「エコハンガー」と呼ばれる衣類を吊るした状態で持ち運びができるボックスを用意してくれる場合がありますよ。
●衣装ケースに入っている衣類
衣装ケースに入っている服はそのまま運びます。衣装ケースは、ガムテープではなく、合成繊維のロープで縛るか、養生テープで貼るのがおすすめです。ガムテープで留めると、テープを剥がしたときに跡が残りやすくなってしまいます。
●ベルトやネクタイ
ベルトやネクタイなどはひとまとめにして、ひもやゴムなどでくくります。書類ケースや小さなファスナー付きの袋にまとめて入れてもよいでしょう。
●アクセサリー
アクセサリーは、ジュエリーボックスに入れて持ち運ぶのがおすすめです。ジュエリーボックスは養生テープで閉じ、緩衝材で梱包すると簡単です。
もしくは、傷付いたりしないように、ハンカチやクレープ紙などで包んでから、ファスナー付きのビニール袋に、小分けにして梱包します。ネックレスは、ストローを使ったり、台紙にセロハンテープで留めたりして絡まないようにします。
●靴
靴は、大きめの段ボールに入れます。荷造りする前に靴の底を拭いて汚れを取りましょう。濡れているようなら乾かしておくと、安心です。つま先とかかとの上下を互い違いにして、靴底を合わせ、新聞紙に包んで固定しておきます。
スニーカーやサンダルは、型崩れを気にしなくてもよいので、段ボールの下のほうに入れます。パンプスや革靴は、型崩れしては困るものなので、その上に入れましょう。シューズキーパーや新聞紙などで靴の形をキープして、梱包するとよいですよ。
●バッグ
バッグは、1つずつ箱に入れると、傷や型崩れを避けられます。バッグの中には緩衝材を入れましょう。緩衝材代わりとして、型崩れしてもよいバッグやトートバッグ、エコバッグ、ポーチなどを入れると、荷物が少なくなります。
緩衝材の代わりに、パーカーやデニムを入れるのもよいのですが、その際は、パーカーを入れたことをどこかにメモしておきましょう。
バス・洗濯用品
シャンプーやリンスは、引越しまでに使い切っておくのがおすすめです。使い切れなかった場合には、ヘッド部分を固定して新聞紙とビニール袋で包みましょう。
文房具や雑貨、小物
文房具や雑貨、小物は、種類ごとに分けます。種類ごとにファスナー付きのビニール袋に入れて、段ボールに詰めましょう。
大きな家電
冷蔵庫や洗濯機などの大きな家電は、あらかじめ引越し業者に、当日までにどんな準備をしておいたほうがよいか、確認をしましょう。アース線や電源を本体にビニールテープで貼って固定したほうがよいのか、水抜きはしたほうがよいのか、本体の養生はしなくてもよいのか、引越し業者によって異なるようです。また、冷蔵庫の中身は計画的に空にしていくようにしましょう。
なお、引越し業者に水抜きを済ませるように指示された場合、水抜きの方法は、機種によって異なるので、お手元の取扱説明書に沿って、水抜きをしましょう。
大きな家具
そのまま運ぶことが難しい大きな家具は、自分が分解できるところまで分解して1か所にまとめておくとよいでしょう。しかし、自分で分解することが難しい場合、無理に行ってしまうと家具に傷を付けてしまったり、壊れてしまったりする可能性もあるので、そういったときは、引越し業者に家具の解体を依頼しましょう。家具の解体を依頼する際は、事前に解体が必要な家具の詳細を引越し業者に伝えておくと引越し当日の流れがよりスムーズになりますよ。
不用品の処分方法は?
新居に運ぶ必要のないものは事前に処分をして、家には置かないようにします。不要なものを処分して、作業スペースを確保しましょう。不用品の処分方法に困っている場合は、以下の処分方法を参考にしてみてくださいね。
・売る…宅配買取や、リサイクルショップに持ち込む、フリマに出品する
・捨てる…行政の粗大ゴミの引き取りを手配する、回収業者に依頼する
・預ける…有料の倉庫サービスを利用する、実家に一時的に置いてもらう
・譲る…家族や友人、もしくはSNSを活用して誰かに使ってもらう、寄付をする
・転じる…古くなったタオルやリネン類は引越しの緩衝材にするか、洗って雑巾として再利用する
粗大ゴミは行政によって廃棄できる日にちが決まっていますので、1か月ほど前から計画的に捨てておくようにしましょう。
引越しの荷造りをスムーズに行うには
荷造りの目安は2週間ですが、できることなら早めに始めて、引越し作業に余裕を持たせましょう。引越し前日は徹夜で荷造りをした、ということのないようにしたいですね。
とはいっても、仕事が忙しくて荷造りしている余裕がない、思いのほか時間がかかって終わりそうにないといった場合もあるでしょう。そんなときは、荷造りを業者に全てお任せできるサービスもあります。もちろん料金は発生しますが、荷造りの手間と時間を省けますね。
引越しの荷造りは、家のものを改めて見直すことができるよい機会でもあります。新居での生活がスムーズに始められるように、計画的に進めましょう!
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/