マンション購入ガイド
マンションの最上階の魅力とは?メリットと注意点を解説
マンション購入を検討しているのですが、ほかの階に比べて最上階の価格が高いのはなぜですか?最上階のメリットや魅力を教えてください。

マンションの最上階は、上階に住宅がないことや眺望、日当たりや風通しのよさなど、ほかの階よりも魅力的な環境が整っている場合が多く、人気が高くなっています。その分、ほかの階よりも価格が高くなっています。
情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸
目次
人気の高いマンション最上階
マンションは、築年、部屋の広さや階数によって、販売価格や賃料などの金額が変わります。築年や広さが異なれば価格が変わってくるのは当然ですが、同じマンション内で広さなどが同じ条件だとしても、低層階と上層階では上層階の方が人気が高いため、価格が高めに設定されています。中でも最上階は、特に人気があります。
では、マンションの最上階はなぜ人気があるのでしょうか?それは最上階ならではのメリットがたくさんあるからです。具体的にどんなメリットがあるのか、次の章で詳しく解説しましょう。

マンションの最上階のメリットとは?
マンションの最上階は、ほかの階とは異なり、上に階がないということから特別感がありますよね。こういった気持ちのうえでの優越感が大きな魅力となっている場合もありますが、日々の暮らしの中でもメリットがたくさんあります。
日当たり、風通しがよい場合が多い
マンションの高さや周辺状況にもよりますが、最上階になると、周辺に障害となるような建物があまりなく、日当たりのよい物件が多いといえます。日当たりの良い物件に共通することですが、日中には照明を使用する必要がなかったり、冬でも晴れた日にはぽかぽかと暖かいので暖房設備の使用も抑えられるなど、快適な住環境が期待できます。
そのほか、洗濯物が乾きやすいなどのメリットも。また、周辺に障害となる建物が少ないということは、窓を開ければ風通しもよく、夏場にエアコンの使用を抑えることができるなど爽やかな環境で過ごせるほか、カビの発生も少なくなります。
マンションの最上階の中でも、日当たりの特によい南向きや暑い西日を避けられる東向き、2方向、または3方向を窓で囲まれた角部屋の物件は特に人気が高い傾向があります。そうした物件は日当たりや風通しの恩恵もより受けやすいといえますね。
眺望がよい場合が多い
周りの建物が最上階の住戸の高さより低い場合は、窓からの景色を見晴らすことができます。立地によっては、山や海など美しい自然の景色が一望でき、空の広さを感じることも。さらに都心部に近い物件なら、ランドマークになるような建物や都心のきれいな夜景を楽しむことができるなど、すてきな眺望が暮らしに癒しを与えてくれます。
周囲からの目が気にならない
周りに同程度の高さの建物がない場合は、部屋の中を外から見られにくいともいえます。そのため、カーテンを開けたままにしても室内を覗かれることがないので、他者の目を気にせずに過ごすことができます。プライバシーが保たれることは現代では大きなメリットになりますね。
上からの物音が気にならない
マンションの最上階であれば、その上には住戸がないため上からの物音を気にしないで過ごせます。隣や下には住戸があるので、まったく物音を気にする必要がない訳ではありませんが、上階を気にしなくてよいのは大きなメリットとなります。
特別な部屋が用意されている物件がある
マンションによっては、最上階だけに「特に天井が高い」「専有面積が広い」「ガラス面が多い」「設備のグレードが高い」など、ほかの階の住戸に比べてプレミアム感のある部屋を用意しているところもあります。そのため、最上階だからこそ、優越感のあるこだわりの物件が見つかりやすいともいえます。
マンションの最上階に住む注意点とは?
マンションの最上階ならではの魅力がたくさんありますが、逆に高層階だからこその注意すべき点もあります。具体的にどんなところに注意した方がよいのか、ご紹介しましょう。
エレベーターの待ち時間が長い場合がある
マンションの階数やエレベーターの設置台数、性能にもよりますが、高層になればその分、エレベーターの待ち時間が長くなる可能性があります。
特に朝の出勤時など、マンションの居住者の多くが利用する時間帯は、エレベーターが多くの階で止まり、目的階までの到着時間が普段よりさらに遅くなる可能性があります。時間に余裕を持って行動する必要があるでしょう。ただし、超高層マンションなどは、エレベーター台数を増やす、停止階を分ける、高性能なエレベーターを採用するなどの配慮がなされています。
冷房が効きにくい場合がある
マンションの最上階は、日当たりがよいことから夏の暑い時期には冷房が効きにくいということがあります。特に西向きの部屋は、西日を受け、その熱が部屋にこもって夜まで暑さが残ることがあるといわれます。ただ、風通しがよい最上階であれば、窓を開けることで暑さも和らげられます。
最近では、遮熱効果の高い窓ガラスや断熱効果の高い素材を屋根に採用するなど、夏の温度上昇への対策が施された物件が多いようです。それでも、夏の部屋の温度は幾分高くなることを加味しておく方がよいでしょう。
地震の際に大きく揺れる場合がある
建物の構造にもよりますが、マンションの最上階を含む上層階は、下層階に比べて地震の際に揺れが大きくなる場合があります。室内の家具などは揺れに備えて、固定しておくなど安全対策をする必要があるでしょう。
また、最上階は、ほかの住戸よりも災害時の建物からの避難経路が長くなります。特に、エレベーターが停止した場合は注意が必要です。こうした場合に備え、普段から避難経路確認しておくだけでなく、早めに非難することを心掛けておく必要があります。
マンションの最上階の資産価値
たくさんの魅力があり、人気の高いマンション最上階。そのため最上階の物件は、一般的に同じマンション内でも特に資産価値が落ちづらいといわれています。マンションの資産価値は、その物件にどれだけの需要があるのかで決まってきますので、これは自然な流れといえますね。
多くの人が住みたいと思う資産価値の高い物件は、将来物件を売却する際に、比較的価格を下げずに売却することができ、また、買い手が短期間で決まりやすいということにもなります。さらに、賃貸物件としても需要が期待できるので、売却せず資産として長期的に保有することもできます。
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マンションの最上階に住むなら
マンション最上階は魅力が多く、ぜひ住んでみたいと思われる方も多いのではないでしょうか。ただ、上階に住戸がなく音が気にならない最上階を選んだのに、隣人が出す物音がベランダや廊下越しに聞こえてくるなど、実際に最上階に住んでみて初めて分かる意外な実態もあるようです。
最上階に住み始めてから、こんなはずじゃなかったとならないように、完成済みの物件であれば、下見は重要ですね。新築マンションなど実際の物件が見学できないときは、モデルルームで音の対策などがどうなっているか、販売の担当の方に聞くようにしましょう。
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マンションの最上階に住むメリットや魅力ばかりでなく、注意点についても、お分かりいただけたでしょうか。最上階の物件をご検討の際は、実際の暮らしを想像しながら、メリットばかりでなく注意点も意識して希望に見合ったよりよい住まいを選択するようにしましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸
不動産サポートオフィス
代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14