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Question

空き巣が嫌がる家とは?被害を受けにくい家の特徴や防犯対策について解説

最近マンションを購入して引越してきたばかりなのですが、セキュリティーの高いマンションでも、空き巣に遭う可能性があると聞きました。どのような家が空き巣に狙われるのでしょうか?

Answer

空き巣の被害は、年々減少してはいるものの、まだ多くの被害が確認(認知)されています。空き巣に狙われやすい家には、侵入しやすく、犯行が周囲から見られにくい(死角が多い)、夜間の外出が多いといった特徴があり、この傾向を踏まえて対策すれば空き巣が嫌がる家にすることができます。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

空き巣被害の発生状況

空き巣とは、留守中の家やオフィスなどを狙って侵入し、盗みをする犯罪のことです。建物に侵入して金品を盗む「侵入窃盗」においては最も多い手口で、就寝中に侵入する「忍び込み」、在宅中の隙を狙う「居空き」を大きく上回っています。

現在、侵入窃盗の認知件数は減少傾向にあり、そのうち、住宅を対象にした侵入窃盗も同じく減少していますが、2022年では年間で15,692件、一日当たり約43件も発生しています。※1つまり、空き巣はいまだに毎日各地で起こっているのです。

そこで今回は、空き巣に狙われにくい家づくりに役立つ防犯対策を紹介します。まずは侵入経路から見ていきましょう。

鎖で守られている家の模型
※イメージ写真
空き巣の侵入経路

侵入経路として最も多いのが「窓」です。なかでも、特に狙われやすいのは以下のような窓です。

ガラス窓
ガラスは割って侵入しやすいため、場所を問わず空き巣に狙われやすい傾向があります。

トイレや風呂場、勝手口の窓
トイレや風呂場、勝手口などの窓は換気のため開けてあったり、小さかったりすることが多いため、つい施錠を忘れがちです。そのため、空き巣に狙われやすくなります。

ベランダの窓
低層階のベランダの窓は、周囲の建物や電信柱、塀、屋上などから侵入されやすいといわれています。反対に、マンションの最上階のベランダは屋上から侵入されやすいことがあるので注意しましょう。

加えて、一般的にベランダの窓の鍵として使われる半円形のクレセント錠は、容易に解錠できるため狙われやすくなります。

共用廊下に面した窓
アパート・マンションの共用廊下に面した窓は、ステンレス製の格子が付いている場合でも道具があれば外から簡単に外せるため、狙われやすい傾向にあります。

上記を狙われやすい窓としてご紹介しましたが、どの窓でも侵入されやすいのは鍵がかかっていない無締りの状態です。空き巣に狙われないためには、日頃から施錠を徹底しましょう。ただし、鍵がかかっていても上記のようにガラスを割られてしまうこともあるため、不安な場合は補助錠や防犯フィルムも検討するとよいでしょう。

割れた窓ガラス
※イメージ写真
空き巣に狙われやすい時間帯とシーズン

空き巣は、住人が外出しているときを狙って侵入します。そこで、狙われやすい時間帯やシーズンを把握しておけば、外出や旅行時の防犯の参考になるでしょう。

空き巣被害が最も多い時間帯は10時~16時とされています。この時間帯は、住人が仕事や学校、買い物などの用事のため外出していて、不在になりやすいからです。また、夜勤や趣味などで夜間の定期的な外出が多いと、その時間を空き巣に狙われやすくなるので注意しましょう。

一方、空き巣の被害が増えるシーズンは秋とされています。これは、行楽シーズンとなり、日帰りだけでなく宿泊を伴う旅行など、家を空ける機会が増えるためです。また、気候が過ごしやすくなって窓を開けたままにする機会が増えることも要因の1つです。

さらに、イベントの前後はいつもより多くの現金を家に置いておく場合があるため、クリスマスや年末年始も狙われやすい傾向にあります。

夜の住宅街
※イメージ写真
空き巣が嫌がる家とは?

では、空き巣が嫌がる家とはどのような家なのでしょうか?ここからは、空き巣に狙われにくい家の特徴をいくつかご紹介していきます。

防犯対策を行っている
警備会社によるセキュリティシステムが備えられていると、侵入した際に警備会社に通報されるリスクがあるため、空き巣は侵入しにくくなります。また、玄関などの目に付く所に警備会社のステッカーが貼ってあるような場合、空き巣はその家の防犯意識が高いと判断し、敬遠することが多くなります。ただし、ステッカーは警備会社と契約していないと貼ることができないので注意しましょう。

そのほか、次のような対策も効果的です。

●オートロック
オートロックも有効な防犯対策となります。オートロックであれば、鍵のかけ忘れがないため、空き巣の侵入を防ぐのに効果的です。マンションやアパートの共用玄関にオートロックがある場合は、部屋の玄関と2重に鍵がかかるため、より安全性が高まります。

●補助錠
補助錠を導入するのも効果があります。鍵が2つあれば、その分ピッキングに手間がかかり、空き巣にとっては人目に付くリスクが高まるためです。

●防犯カメラ・人感センサーライト
防犯カメラが設置されている家も犯行記録が残ってしまうため、空き巣が侵入を諦める傾向があります。また、死角となりやすい場所には、人の動きを感知してライトが点灯する人感センサーライトを設置するとよいでしょう。犯行を周囲に目撃されやすくなるので、空き巣を防ぐのに効果的です。

注意したいのは、家が古い場合です。古い家はセキュリティが緩いと思われ、空き巣に狙われやすくなる傾向があります。家が古い場合は、鍵を新しいものへ交換したり、モニター付きインターホンを新たに設置したりして、防犯対策を強化することが大切です。

犬を飼っている
犬を飼っている家も、空き巣は嫌がる傾向にあります。なぜなら、家に侵入する、あるいは侵入した際に犬に吠えられて、周囲からの注目を浴びる、住人に気付かれるといった可能性が高く、犯行を目撃されるリスクが高まるからです。さらに、犬に嚙まれたり、引っかかれたりするリスクもあるでしょう。ただし、おとなしくて吠えない犬だと防犯効果は期待できない場合があります。

人通りが多い
人通りが多い場所にある家は、犯行を目撃されたり、声をかけられたりするリスクがあるため空き巣が犯行におよびにくい傾向があります。そのため、人通りが少ない入り組んだ場所や路地の突き当たりにある家は、注意が必要です。また、そこまで人通りが多くなくても、ご近所同士が親しい地域も不審者として気付かれるリスクがあるため、被害を受けにくい傾向にあります。

一方で、不特定多数の人が行き交う繁華街の場合、空き巣が人ごみに紛れ込んで、狙っていることがあります。人通りが多いからといっても空き巣被害は発生しますので、油断せずに十分な防犯対策を行うようにしましょう。

マンションの外階段
※イメージ写真

見通しがよい
見通しがよい立地は、空き巣が嫌がる家の特徴の1つです。たとえば、敷地に死角がない、家の周りに街灯があって明るいなどは、見通しがよい家といえます。そのため、敷地に侵入しやすく、身を隠せる植木や塀などがないほうが空き巣に入られにくいといえるでしょう。見通しの悪い場所は、空き巣が人目に付かずに侵入しやすいと考えるからです。一戸建てで植栽や塀を設置する際には、なるべく見通しのよい低木の植栽やフェンスを選ぶとよいでしょう。

侵入に時間がかかる
侵入するまでに時間がかかる家は、目撃されやすくなるため、空き巣被害に遭いにくい傾向にあります。また、マンションの場合、比較的空き巣に遭いにくいのは高層階といえます。2階程度までなら隣の建物や電柱、隣地の塀、フェンスなどを使ってすぐに侵入できるマンションもありますが、同じマンションでも高層階はそういった侵入経路はまずないためです。

ただし、高層階の場合は、「下がり蜘蛛」と呼ばれる、屋上からロープを使って侵入する手口があります。高層階であっても、油断せずにドアや窓のカギをかけておきましょう。

留守が少ない
留守が少なく、家に人がいる時間帯が多いと空き巣被害に遭いにくくなります。多くの場合、空き巣犯は犯行前に家の下見を行い、留守の多い時間帯をチェックしています。長時間洗濯物を干したままにしていたり、郵便物がたまったままになっていたりすると、留守と判断されやすいので、長く留守にする際はこうした外から留守が分かる状態を避けるのがポイントです。

防犯カメラ
※イメージ写真
今からできる空き巣対策13選

空き巣被害に遭わないためには、容易に侵入できない状況を作ることが大切です。ここからは、空き巣に向けた防犯対策と、セキュリティ強化についてご紹介します。

空き巣に向けた対策

[ 1 ] 侵入の足場をなくす
一戸建てでは、家の庭に置かれた物置や脚立、エアコンの室外機などを、2階への侵入の足場として使われないための対策が必要です。物置の屋根に鳩除けの剣山を置く、脚立は鍵のかかる保管場所に保管する、室外機は利用されない場所に移動させるなど、上部に足をかけられないよう工夫しておきましょう。

[ 2 ] 夕方には玄関や庭先、室内などの電灯を点灯させる
空き巣に留守であることを悟られないために、あえて室内外の電灯を点灯するのも簡単にできる空き巣対策の1つです。明るくすることで、外部から犯行が見えやすい環境を作ることができます。

[ 3 ] 新聞や郵便をためない
長期で家を空けるときは、新聞や郵便物をためない工夫をして、長期間留守にしていることが分からないようにしましょう。新聞はあらかじめ配達を休止しておき、郵便物は近所の信用できる人に預かってもらうか、一時的に実家に転送するのがおすすめです。

[ 4 ] 外出する際は洗濯物をなるべく外に干さない
洗濯物が夜間まで干されたままだったり、雨が降っているのに洗濯物が取り込まれていなかったりすると、空き巣に家を空けていると悟られるリスクがあります。長時間留守にする場合は、洗濯物を室内に干すなどの工夫を行いましょう。

[ 5 ] 合鍵を玄関周辺などに置いておかない
合鍵を玄関周りに隠しているご家庭もあるでしょう。しかし、空き巣がその合鍵を使用して侵入してくる場合があります。そのため、たとえ敷地内であってもポストや植木鉢の中などの屋外には合鍵を置かないようにしましょう。

[ 6 ] マーキングに注意する
日頃から玄関周りのマーキングをチェックしましょう。マーキングとは、空き巣が対象となる家の下見をしたとき、家族構成や留守になる時間などの情報を目印に残しておくことです。

表札や郵便受け、玄関ドアといったところに、家主が女性ならWomanを表す「W」、1人暮らしならSingleを表す「S」などの暗号を残したり、色付きのシールを貼ったりするケースがあります。家の玄関や表札周りに身に覚えのない暗号や記号などを発見したら、マーキングの可能性が高いので必ず消すようにしましょう。

家の庭の照明
※イメージ写真

セキュリティ強化対策

[ 7 ] ワンドアツーロックを実施する
空き巣の犯行手口の多くは、施錠されていない場所からの侵入のため、ドアや窓への施錠は必要最低限の対策です。さらに、1つのドアや窓に鍵を2つ付ける(ワンドアツーロック)ことで防犯性が高まります。侵入に時間と手間がかかる状態は、空き巣にとっては周囲から発見されるリスクが高まるため、狙われにくくなるでしょう。

ただし、分譲マンションの場合、玄関扉は共用部分に該当するため、管理組合に無断で玄関を改変することはできません。また、元々ある鍵(穴)は専有部分扱いですが、Wロックにするため鍵穴を増やすといった場合には共用部分である玄関扉に影響がでるため、管理組合の承認が必要です。その場合は、玄関扉に穴を空ける必要のない、後付けの簡易的な鍵を取り付けることでも対策できるので、検討してみましょう。

[ 8 ] 防犯フィルムを窓に貼る
窓からの被害が多い空き巣に対して、手軽な防犯対策として窓に防犯フィルムを貼っておくことも有効です。防犯フィルムを貼ると窓ガラスが強化され、割るためには大きな音が出るほど強打する必要があるため、防犯性がアップします。

窓を割ろうとする男
※イメージ写真

[ 9 ] 防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は、空き巣に犯行を躊躇させる効果があります。また、万が一被害に遭ってしまった場合でも犯人逮捕の手がかりにもなるので非常に有効性が高い対策です。一戸建ての持ち家であれば、防犯カメラの設置を検討してみるとよいでしょう。防犯カメラが高額で手を出せないという場合は、ダミーの防犯カメラでも、ある程度の抑止効果にはなるかもしれません。

分譲マンションの場合は、共用部分に勝手に防犯カメラを設置することはできません。防犯カメラが共用部分にないマンションの場合は、管理組合へ設置を提案することから始め、総会などの議決を経て可決後に設置となります。まずは管理組合の理事会などに相談してみましょう。

[ 10 ] 防犯ベルを設置する
防犯ベルを設置しておくと、空き巣に入るのを断念させる効果が見込めます。防犯ベルは、犯行を住人が察知できるだけでなく、音量次第では近隣に知らせることもできるためです。分譲マンションの場合は、自分の判断で設置できる室内設置型を検討するのが現実的です。

[ 11 ] センサーライトを設置する
空き巣が敷地内に入りにくくする方法としては、センサーライトを設置することも有効です。人感センサーによってライトが点灯すると家の人や周囲の人に気付かれやすくなり、空き巣がその場から離れる効果が期待できます。センサーライトも防犯カメラと同様、マンションの共用部分に勝手に設置することはできないので、分譲マンションの場合は、設置について管理組合へ相談する必要があります。

ライトをあてられる泥棒
※イメージ写真

[ 12 ] 家の周りに防犯砂利を敷く
庭のある家の場合、防犯砂利を建物周辺に敷いておくと、家に人が近付いたときに大きな足音が鳴るため、侵入者を察知しやすくなります。また、足音が出るのを嫌う空き巣が、犯行を断念する可能性も高まります。一戸建てを所有している方は簡単に始められる対策なので、検討してみることをおすすめします。マンションの場合は、特に専用庭のある1階の部屋の場合に限られますが、専用庭も共用部分にあたるため、砂利を敷くことも管理組合への相談、場合によっては許可が必要です。

[ 13 ] 物置、車庫にも鍵を付ける
物置や車庫にも、家と同じように鍵を付けておきましょう。これは、脚立をはじめとした、侵入の足場として利用できそうなものを持ち出させないようにするためです。また、物置や車庫は、空き巣が犯行後に隠れる場所として利用することがあるため、侵入できないようにしておくことで隠れ場所を減らすという効果もあります。

分譲マンションの場合、もし共用部分に侵入しやすいと思われる箇所があれば管理組合に相談して、共用部分にものを置かないなど居住者全体に注意喚起してもらうとよいでしょう。

施錠する人の手
※イメージ写真
空き巣に隙を見せずに安心な生活を送ろう!

この記事では、空き巣の手口や傾向を踏まえて、空き巣に嫌がられる家の特徴や防犯対策をご紹介してきました。空き巣は、5分で侵入できないと判断した場合や、防犯対策がしっかり成されていると感じた場合は、侵入をあきらめる傾向があるといわれています。

なかでも、セキュリティ設備を強化することは空き巣被害を防ぐのに大きな効果があります。より安全・安心な住まいを望まれる方は、セキュリティ設備の充実した分譲マンションがおすすめです。ご興味のある方は、ぜひ長谷工アーベストにお問い合わせください。長谷工アーベストでは、豊富なマンション販売の取り扱い実績をもとにお客さまをサポートします。

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犯罪に強く安全な住まい作りは、住む人の心がけが重要です。空き巣に隙を見せることのないよう、まずはできるところから防犯対策を実践していきましょう!

※1出典:警視庁「住まいる防犯110番」
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html
(最終確認日:2023年6月12日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14