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Question

固定資産税を自分で計算するには?

「固定資産税は、自分でも計算して確認したほうがいい」といわれたのですが、なぜそうなのでしょうか。計算方法も教えてください。

Answer

固定資産税の課税ミスは、全国で頻発しています。過払いに気付いたり、防いだりするためには、自分で計算して確認することが大切です。

情報提供:税理士 宮原 裕徳

目次

固定資産税は、自分で計算してみることが大切

自治体から届く、固定資産税の納税通知書。「高いなあ」と思いながらも、見直しせずに払い続けていませんか?もしかすると、気付かず払い過ぎてしまっているかもしれません。

実は、固定資産税の課税ミスが起こるのは珍しいことではなく、全国で事例が報告されています。事務作業は人が行っている以上、間違いが起こる可能性はゼロではないのです。
納税額を自治体まかせにせず、本当に正しいかどうか自分で計算して確かめてみるのは、とても大切なことです。

固定資産税の内訳は?

固定資産税とは、「土地」「家屋(建物)」「償却資産(事業に使用する備品など)」に課される税金に、場所によっては都市整備の財源となる「都市計画税」が加わったもの。計算式は、それぞれ次の通りです。

土地: 土地の固定資産税評価額×税率1.4%(標準)
家屋: 家屋の固定資産税評価額×税率1.4%(標準)
都市計画税: 土地・家屋の固定資産税評価額×税率0.3%(標準)
償却資産税: 課税標準額(償却資産の評価額の合計)×税率1.4%
※税率は自治体によって異なる場合があります。

土地や家屋については、要件を満たすと軽減措置が受けられる場合もあります。

●固定資産税の軽減措置に関する記事はこちら

固定資産税の軽減措置を知っておこう!

固定資産税の軽減措置について詳しく解説します。

評価額の調べ方

固定資産税評価額と、償却資産の評価額の調べ方をご紹介しましょう。

[ 1 ] 土地・家屋の固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、その土地や家屋にどのくらいの価値があるか、自治体が評価して算出した金額のことです。土地と家屋の固定資産税評価額の目安は、次のように定められています。

土地: 地価公示価格の7割程度
家屋: 建築費の5割~7割程度

詳しい計算方法も見ていきましょう。

●土地の固定資産税評価額の計算方法
・市街地的形態を形成する地域(住宅が密集した都市部)の場合…路線価方式 路線価方式とは、国の定める「固定資産税路線価(不特定多数の人が行きかう道路に面した土地の評価額)」に基づいて、評価額を算出する計算方法です。

計算式は、「固定資産税路線価×土地面積×評点(土地の形状や特徴を考慮して、評価額を補正するための基準点)」となります。

・市街地的形態を形成するに至らない地域(村落地区)の場合…標準宅地比準方式
標準宅地基準方式とは、近隣の「標準宅地(国が定めるもの)」の単価を基準にして、対象となる土地と比べながら評価額を算出する計算方法です。

●家屋の固定資産税評価額の計算方法
家屋の固定資産税評価額の計算式には、次の3つの項目が使われます。
・再建築費評点数…対象となる建物を新築した場合にかかる建築費
・経年減点補正率…建築後の経年劣化による減価などを補正する割合
・1点単価…1円に、物価水準による補正率(東京都を標準として地域格差を考慮した割合)と、設計管理費などによる補正率をかけたもの

これらをかけ合わせた、「再建築費評点数×経年減点補正率×1点単価」が、家屋の固定資産税評価額の計算方法です。

[ 2 ] 償却資産の評価額
償却資産の場合は、資産を購入した時期と金額、耐用年数から評価額を算出します。計算の仕方は、次の2通りです。

前年中(去年)に取得したもの: 取得価額(購入金額)×前年中取得分の減価残存率
前年前(去年より前)に取得したもの: 前年度評価額×前年前取得分の減価残存率

この計算方法で、評価額が取得価額の5%になるまで償却します。減価残存率とは、耐用年数に応じて、使用した資産の価値を計算するための割合のことです。減価残存率は、各自治体のホームページなどで調べることができます。

今の支払額を書類から調べてみよう

今の固定資産税支払額を確認するには、書類を確認してみましょう。

[ 1 ] 納税通知書
毎年4月頃に自治体から送られてくる書類です。自分が支払う固定資産税の税額が記載されています。

固定資産税の納税通知書

[ 2 ] 課税証明書
納税通知書に同封されている書類で、固定資産税評価額について確認することができます。

[ 3 ] 固定資産評価証明書
「固定資産税台帳」(後述)に記載されている、土地や家屋の証明書です。固定資産税台帳に登録されている不動産等の固定資産評価額を証明するもので、土地、家屋のほか、企業などの償却資産も含まれます。各自治体の窓口で申し込み、発行手数料を支払う必要があります。

[ 4 ] 公租公課証明書
固定資産評価額と、実際に支払っている固定資産税額のほか、課税標準額も知ることができる証明書です。こちらも自治体の窓口で申し込み、手数料を支払うと発行を受けることができます。

[ 5 ] 固定資産税台帳
毎年定められた一定期間のみ、無料で閲覧できる書類です。土地・家屋の固定資産税額、固定資産税評価額などを確認することができます。

●固定資産税の書類に関する記事はこちら

住んでいるマンションの固定資産税を知るには?確認書類の取得方法と見方

固定資産税を書類で確認する方法について詳しく解説します。

自らが支払う固定資産税について、意識的に知ることを心がけましょう!

情報提供:税理士 宮原 裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。