マンション購入ガイド
固定資産税を比較!マンションと一戸建てでの違いとは?
古い一戸建てから新築マンションに引越したいのですが、それぞれの固定資産税の違いが知りたいです。
土地と建物にかかる固定資産税は、土地の割合が少ないマンションと、木造建築が多くなりがちな一戸建てでは大きく変わってきます。固定資産税から分かるそれぞれの違いを解説しましょう。
情報提供:税理士 宮原 裕徳
目次
固定資産税とは?
固定資産税は、購入した土地や建物にかかる地方税のことです。毎年1月1日の時点で所有している土地や建物について、それぞれの評価額に法律で定められた税率をかけた額が徴収されます。
また、地域によっては、固定資産税とともに都市計画税が課せられる場合があります。都市計画税は、都市計画事業または土地区画整理事業などの費用として使うための税金です。こちらも1月1日の時点で所有している不動産の評価額に、法律で定められた税率をかけて算出した額が課せられます。
なお、固定資産税と都市計画税は、所有している土地や建物が条件の対象となれば税額が軽減されることがあります。
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マンションと一戸建ての固定資産税の違い
マンションと一戸建てでは、土地や建物に対する条件が異なるため、固定資産税も大きく変わってきます。ここでは、固定資産税の観点だけに絞ってマンションと一戸建てとの比較をご紹介していきましょう。
土地の固定資産税
固定資産税が課せられる土地については、一戸建ての場合、そのまま敷地面積より算出します。一方、マンションの場合は、敷地面積を戸数で割った数値となります。つまり、戸数が多いマンションの場合、土地の評価額はより少なくなります。
土地に対する固定資産税は、住宅用地の特例によって固定資産税が軽減されます。同価格程度のマンションと一戸建てを比較すると、一戸建ては、所有面積が広い場合が多く、軽減前の固定資産税額も高くなりやすいといえるでしょう。しかし、固定資産税額において土地の占める割合が多い一戸建ての場合は、特例によって大幅に減税されるケースがあります。
建物の固定資産税
建物に対する固定資産税を比較してみましょう。マンションの場合は、鉄筋コンクリート構造のものが多く、木造住宅が多い一戸建てよりも建物の評価額が高く見積もられる傾向にあります。
マンションと一戸建ての建物の耐用年数は、それぞれ47年と22年になっています。耐用年数とは、不動産の減価償却費用を算出するために国が定めた年数のことです。耐用年数を超えると固定資産税はその建物にとって最も少ない額になり、以降はずっと同じ額を支払うことになります。
耐用年数が短い一戸建てでは固定資産税の下限まで早く到達する分、マンションより固定資産税は少なくすみますが、法律的な建物の価値が下がるのも早くなります。ただし、耐用年数を満了しても、建物の売却価値がなくなるわけではありません。
新築と中古マンションの固定資産税の比較
マンションと一戸建ての固定資産税の違いについてお分かりいただけたところで、新築マンションと中古マンションの固定資産税を比較してみましょう。
前提として、建物は築年数が経過するほど評価額が少なくなっていきます。しかし、マンションの築年数や条件によっては、固定資産税が数年間軽減される場合もあります。
その条件の1つに新築マンションも含まれます。そのため、新築マンションのほうが、中古マンションと比べて固定資産税が安くなるケースがあります※。ただし、軽減期間をすぎてしまうと固定資産税の納税額が上がりますので注意が必要です。軽減措置については最新情報を確認しておきましょう!
●固定資産税の軽減措置に関する記事はこちら
固定資産税の軽減措置についてご紹介しています。
マンションや一戸建てでは、それぞれ土地や建物にかかる固定資産税が大きく変わってくることがお分かりいただけましたでしょうか。今回は固定資産税にこだわって比較しましたが、それぞれのメリットや注意点をよく理解したうえで判断してくださいね。
※出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋),東京都主税局
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi.html#ko_02_12
(最終確認日:2024年10月22日)
情報提供:税理士 宮原 裕徳
株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。