マンション購入ガイド
新築マンションのメリットは?中古との比較や注意点も解説
現在、マンションの購入を検討しています。新築マンションに住むメリットを教えてください。
新築マンションは、マンションならではの立地のよさに加えて多くのメリットを備えています。高いセキュリティ、耐震性、水害による浸水対策などのほか、便利な共用施設や高級感溢れるエントランスといった、暮らしを彩る設備も魅力です。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
新築マンションの定義
マイホーム購入を検討している方に人気の新築マンションですが、そもそもの定義をご存じでしょうか?新築マンションとは、不動産の表示に関する公正競争規約によって、以下の2つを満たしているマンションであることと定められています。
・竣工してから1年未満の物件
・未入居の物件
どちらか1つでも条件を満たさなくなると、マンションの要件、名称も変わっていきます。たとえば、未入居の物件であっても竣工後1年以上たつと「中古マンション」という名称になります。また、竣工してから1年未満であっても、その間に1人でも入居した物件であれば「中古マンション」という扱いになります。
このように、新築マンションの定義は「不動産の表示に関する公正競争規約」と「品確法(住宅の品質確保促進等に関する法律)」というルールにのっとってしっかりと定められています。入居後に欠陥が見つかるといったことに不安がある方は、ぜひこの2つの法律と定義を覚えておくようにしましょう。
この記事では、新築マンションを購入するメリットや、新築マンションがどのような方におすすめかを解説していきます。マンション購入を検討している方や、賃貸で毎月家賃を払うことをもったいないと考えている方は、この記事を読んで新築マンション購入を検討してみてくださいね。
新築マンションのメリット
新築マンションの居住にはいくつかのメリットがあります。
未入居であることの心理的安心
よく比較される中古マンションとの最大の違いは、やはり未入居である、という点でしょう。購入者自身が最初の居住者になれるので、物件の不具合に遭遇するのを極力避けたい、余計な心労を抱きたくないという方には大きなメリットとなりそうです。
便利な立地
新築マンションに限らず、マンションは駅周辺や大型商業施設の近隣など、利便性の高い立地に建てられることが多くあります。駅や商業施設が近ければ、通勤・通学、買い物に便利でしょう。
このマンションならではの立地条件のよさは、資産価値にも直結します。年月がたつごとに建物自体の価値は下がっても、立地のよさによって資産価値を保つことができる場合もあります。
充実した共用施設
マンションには居住者が使える共用施設が設けられる場合が多く、新築マンションにもこれらの施設があるでしょう。キッズルームやフィットネスジム、エントランスには宅配ボックスなど、生活利便性を高めてくれる最新設備を導入している物件が多くあります。
マンションによっては、たとえば「子育てに特化している」といった、特定のテーマをもとに共用施設を用意している物件もあり、自分の好みや需要に合わせて選ぶことができるのも、楽しみの1つといえるでしょう。
強固なセキュリティと耐震性
新築も含めたマンションは、オートロックや監視カメラの設置といった防犯性の高さもメリットです。また1981年以降、マンションの建築には、震度7程度の揺れにも耐えうる「新耐震基準」が採用されています。この基準は法律で義務付けられており、中古マンションを買うときのように、耐震性の確認をいちいち自分で行う必要はありません。
住宅ローン
新築マンションは中古マンションに比べて担保価値が高いです。これは新築マンションの物件価格がそのまま担保評価額になることが多いためです。そのため、借り入れられる住宅ローンの額が大きくなります。また、長期優良住宅や、ZEH水準省エネ住宅など一定の要件を満たす新築マンションを購入する際に住宅ローンを使った場合、中古マンションより3年長い、13年の住宅ローン控除を受けることができるといったメリットもあります。
新築マンションのさらなるメリット
ここまで紹介したもの以外にも新築マンションに住む人の特徴・世帯ごとに、さらなるメリットがあるため、ここではその一例を紹介します。
子育て世帯
同じマンションに同年代の子どもを持つ世帯がいるという点に、子育てのしやすさを感じる方もいるでしょう。実際に、令和4年に行われた国土交通省の調査※では、新築分譲マンション購入者で1番多い年齢層は、子育て世代に多い30歳~40歳代という結果が出ています。つまり、子育てのタイミングで新築マンションを買うと、似たような家族構成の世帯が同じマンションに住んでいる可能性が比較的高いといえるでしょう。
また、新築マンションは居住者の多くが同じタイミングで入居するため住民のコミュニティになじみやすいのも特徴です。大規模マンションのなかには共用部としてキッズスペースや中庭を設けている物件もあるため、子どもが遊ぶ際も安心できます。
加えて、新築マンションなら子育てが落ち着いた後も長く住むことができます。築年数のたった中古マンションだと、内装はリフォームされてきれいであっても、老朽化した躯体部分が不安な場合もあります。一方、新築の持ち家であれば、築年数に不安を感じることなく、老後の住まいにもできるでしょう。
単身(独身)の若者
単身の若者にも新築マンションを買うメリットはあります。その1つとして、若いうちから住宅ローン返済をスタートすることで、“老後”に差し掛かる前にローンを早期に完済できるため、その後の資産計画を立てやすいという点が挙げられます。老後に住居がなくなる心配もないので、安心して早めに資産計画を立てられるでしょう。
また、結婚のようなライフイベントがあった場合に、資産として持ち続けることができるというメリットもあります。新居に移り、住まなくなったときは、売却することが可能です。資産として持つ場合は、資産価値が落ちにくい駅前の物件を選ぶといった売却を見据えたマンション選びをすることもできるでしょう。
さらに、近年ではコンパクトマンションといった単身世帯、あるいは2人暮らしといった少人数の世帯が心地よく住める、適度な広さで設計された物件も増えています。ファミリー向けマンションに比べコンパクトな分、比較的安く購入できる場合が多いため、単身の若者でも無理なく住宅ローンを組みやすいのでおすすめです。
女性
近年では単身女性のマンション購入も増えています。その理由として働く女性が増え、単身女性も資産として住宅を持っておきたいと考えるようになったことや、コンパクトマンションの増加によって購入を検討しやすくなったことが挙げられます。
マンション購入者のなかには結婚を考えているがマンションを購入した、という女性もいます。将来単身でいることを想定した女性の資産形成としてのみでなく、結婚を考えてはいるが資産として持ちたいという女性にも新築マンション購入はおすすめだといえます。
また、築年数の新しいコンパクトマンションは、防犯カメラ、オートロック、宅配ボックスなどが備え付けられていることが多く、セキュリティが強化されているため、「住む」という視点でも新築マンションは単身女性におすすめであるといえるでしょう。
シニア層
高齢者でも生活しやすいようにバリアフリー化された環境で、フロントサービスや安否確認サービスといった専用サービスが付いている「シニア向け分譲マンション」というマンションが近年、注目されています。有料老人ホームとは違って、日常生活においての自由度が高いため、アクティブシニアの方におすすめです。
シニア向け分譲マンションを購入するメリットとして、見守り・安否確認といったサービスが受けられる物件もあります。シニア向け分譲マンションには、スタッフが常駐している所が多いため、何かあったときにも安心です。なかには、協力医療機関と連携している物件もあります。
また、シニア向け分譲マンションには娯楽設備が充実している物件もあります。レストランやカラオケ、温泉施設などの設備があったり、シニアの人が充実した生活が送れるようにサークル活動が行われていたりします。近隣の住民との交流を楽しみたい方におすすめです。
また、購入したマンションは、子どもや孫に資産として残せることもメリットです。自分たちの資金と相談してマンションの購入方法を決めるようにしましょう。
新築マンションと中古マンション、どっちがいい?
これまで新築マンションのメリットについてお伝えしてきましたが、新築と中古、マンションを買うならどちらがよいのか、まだ迷っている方も多いのではないでしょうか?その場合、設備を重視するなら新築マンション、費用を抑えることを第一に考えるなら中古マンションから検討するのもよいかもしれません。
ただし、新築マンションと中古マンションでは購入時の流れや手続き、費用が異なるので注意が必要です。それぞれのメリットや注意点を踏まえたうえで、自分に合ったマンションを選ぶようにしましょう。
新築マンションと中古マンションを比較した場合における、それぞれのメリットと注意点を以下に簡単にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
マンション | メリット | 注意点 |
---|---|---|
新築マンション |
・全てが新品で、修繕のリスクが少ない ・コミュニティ形成がしやすい |
・中古と比べると価格が高い ・建設中の場合、実際の物件を確認できない |
中古マンション |
・新築と比べて価格が安い ・実際の物件を確認できる |
・仕様が古い ・入居してすぐに修繕が必要になる可能性もある |
新築だと築年数が浅く、修繕箇所が少ないため、修繕積立金が少ない傾向にあるといったメリットもあります。(ただし、新築の購入者には修繕積立基金が発生します。)
また、新築物件の購入者には、品確法による10年保証も付いている点が大きなメリットです。
新築マンションのメリットをもっと知るならプロに相談
ここまで新築マンションへ住むメリットを紹介してきました。新築・中古に限らず、間取りや部屋の内装など、どの物件にも一長一短があり、どこに住むのが一番よいかを決めるのは容易ではありません。たとえば新築マンションの場合は、メリットを理解するとともに、共用施設の管理費や修繕費のこと、マンションコミュニティ内のルールやマナーのことも併せて考える必要があります。
それぞれのライフスタイル、生活に求めるものによって理想の物件は異なります。自分に最もふさわしい物件を選びたいときは、物件のメリットが自分の求めていることを満たしてくれているかを基準にしてみましょう。
新築マンションのメリットをまとめると、以下のような方が居住におすすめといえそうです。
・きれいな建物で暮らしたい
・セキュリティや耐震性など、安全面をとにかく優先したい
・最新の仕様・設備や共用施設が備わったマンションに暮らしたい
1つでも当てはまる場合は、新築マンションの購入を検討してみてはいかがでしょうか?長谷工アーベストでは、電気料の節約にも繋がる高圧一括受電システムを搭載した物件や、蓋付ドアスコープ、不正解除に強いディンプルキーなどのセキュリティ対策がしっかり施されている物件など、最新の設備を搭載した新築分譲マンションを数多く取り扱っています。
また、マンション購入を検討するなかでお悩みがある場合は、一度プロに相談するのがおすすめです。長谷工の住まいアドバイザーは、お一人おひとりのご希望を丁寧にヒアリングし、理想の住まいを見つけるお手伝いをいたします。モデルルームへの来場からお引渡しまでのポイントもご説明しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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(最終確認日:2023年11月4日)
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/