収納ガイド
パントリーの上手な使い方とメリットとは?注意点も併せてご紹介!
新居の購入を考えているのですが、キッチンの横にパントリーがあると便利だと友だちから聞きました。パントリーはどんな使い方ができるのでしょうか?また、どれくらいのスペースを取られるのでしょうか?
パントリーは、食品や飲料をストックしたり、調理器具や日用品を保管したりするのに役立つ収納スペースです。日頃買い物に行きにくく、まとめ買いをしたい人には重宝します。広いスペースがなくとも、壁に棚を取り付ければ立派なパントリーになりますよ。
情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
目次
パントリーは家庭の食品庫
パントリーとは、主に食材を置いておくための食品庫のことです。食品ストックのほか、重箱や大皿など日常的に使わない食器、ホットプレートやたこ焼き器といった調理家電の収納スペースとしても活用できます。
家ですごす時間が増えた最近では、食品ストックのニーズの高まりとともに「わが家にもパントリーがほしい」「すでにあるパントリーを活用する工夫が知りたい」と考えている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、パントリーの特徴やメリット、注意点、上手な使い方についてご紹介します!
パントリーの特徴、メリットと注意点
まず、パントリーとはどのようなスペースなのかを見ていきましょう。
パントリーの種類
パントリーには、小部屋タイプと壁面タイプの2種類があります。
小部屋タイプのパントリーは、ウォークインのもの、通り抜けができるウォークスルーのものに分けられます。小部屋タイプのパントリーを造るには広さが必要だと思われがちですが、キッチンの側に約半畳ほどのスペースがあれば、十分な収納力のあるパントリーができあがります。
一方、壁面タイプのパントリーには、据え置きの食器棚タイプ、部屋の角を利用したコーナータイプ、収納棚にキャスターを付けて移動できるようにしたスライドキャビネットタイプなどがあります。スペースに余裕がない場合は、板で壁に棚を作り、観音開きの扉を取り付ければ、立派な壁面パントリーが誕生しますよ。
パントリーを利用するメリット
パントリーの最も大きなメリットは、まとめ買いができることです。食品をストックしておくスペースがあれば、買い物の回数を減らせるため、時間にゆとりができます。災害時に備えて常に一定量の食品を備蓄しておく「ローリングストック」にも便利ですね。
また、キッチンが片付けやすくなることも嬉しいポイント。パントリーには食品だけでなく、調理器具や食器、スポンジや洗剤といった消耗品など、キッチンにかかわるモノならすべて収納できます。モノがあふれて生活感が出てしまいがちなキッチンを、常にスッキリさせておけますよ。
パントリーを利用する際の注意点
パントリーは便利な収納スペースですが、それだけにモノを詰め込みがちになる点には注意が必要です。バラバラにモノを詰め込むと、どこに何が保管されているかが分からなくなり、重複買いや消費期限切れの原因になってしまいます。
飲み物、乾物、調味料、調理器具などジャンルごとに分類し、何がどこにあるのか、一目で分かる収納を目指しましょう。
また、きちんと活用できるかどうかをよく吟味してから設置しないと、デッドスペースになってしまう場合もあります。家族の人数、来客が多い少ないといったライフスタイル、間取り、スペースの広さなどの要素を整理し、どういうパントリーが合っているのか検討するところから始めてみましょう。
パントリーの設置場所
パントリーの使い勝手を大きく左右するのは、間取りです。どこに造れば使いやすいのか、パントリーの設置場所のポイントについてご紹介します。
キッチン内
パントリーの設置場所は、食材を使うキッチンの近くが基本です。キッチン内にパントリーを設ければ、調理中にキッチンとパントリーを何度も往復する手間を省けます。また、冷蔵庫の隣であれば、買ってきたモノをその場で仕分けて収納することもできますね。
玄関、勝手口の動線上
玄関とキッチン、あるいは勝手口とキッチンを結ぶ動線上にパントリーを設置するのもおすすめです。買い物してきた荷物、通販で届いた食材などをすぐしまうことができます。この場合、パントリーは出入口を2つ設けたウォークスルータイプにして、玄関からもキッチンからも出入りできるようにすると便利ですよ。
パントリーの上手な使い方
パントリーを単なる物置きにしないためには、「使いやすい収納」を意識することも大切です。 モノを使いやすく収納するには、無駄なアクションを省くこと。たとえば、よく使うモノは目の高さから腰までの「ゴールデンゾーン」に入れるようにすると、踏み台に乗ったりしゃがんだりせずワンアクションで取り出せます。
このゴールデンゾーンを含む、3つのゾーンにパントリーの中を区切り、それぞれに適したモノを収納する方法をご紹介しましょう。
[ 1 ] 目線より上の棚
手を伸ばさないと届かない場所、踏み台が必要な棚の上には、軽くて保存期限がないモノを収納します。たとえば、キッチンペーパーやティッシュ、ファスナー付き保存袋の予備など。こうした軽い日用品を取っ手付きの収納ケースに入れれば、簡単に取り出すことができます。
[ 2 ] 腰から上の高い位置
腰から上、目線の高さの位置は、出し入れしやすいゴールデンゾーンです。ここには、使用頻度の高いモノ、食品を収納しましょう。収納の際には、「製菓材料」「コーヒー用品」など、一緒に使うモノをひとまとめにする「グルーピング」も意識するとより便利になりますよ。
[ 3 ] 腰より下の位置
腰より低い位置には、ペットボトルやお酒類、お米、缶詰、調理器具や食器など、重量のあるモノを収納します。これらは低い場所に置けば取り出しやすく、上から落ちてきてけがをする心配もありません。ケースで購入した飲料は、そのまま収納してもよいでしょう。
また、この位置にリサイクル用のゴミ箱を置くのもおすすめです。
パントリー収納は使いやすく、美しく!
パントリーはお客さまに見られる場所ではありませんが、常にきれいに使いやすくしておくことで、毎日の家事がグッと楽しくなります。
収納スペースをおしゃれに見せるには、同じ色・形のファイルボックスやプラスチックケースなどで統一するのがおすすめです。モノが多い場所でも雑然とせず、洗練された印象になりますよ。何が入っているかひと目で分かるよう、ラベリングもお忘れなく!
ご紹介したポイントを参考に、家事をしやすく、暮らしを充実させるパントリーを実現させてくださいね。
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情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
整理収納アカデミアマスター、整理収納アドバイザー1、2級認定講師、ルームスタイリスト・プロ、住宅収納スペシャリスト認定講師。「笑顔のある暮らし」の実現を目指した、ライフスタイルに合わせた整理・収納法を提案している。暮らしStyle代表、三児の母。
HP:http://kurashi-style.net/