収納ガイド
キャスター(小さい車輪)付き収納を活かして、片付けや掃除をもっと便利に!
最近、いろいろな収納術を勉強して、部屋を整理し片付けようと思っているところです。モノは整理できてきたものの、一方で重い家具や収納したモノが入ったケースがあり、その裏の掃除がなかなか行き届きません。何か解決方法があれば教えてください。
普段の収納道具にキャスターを付ければ、重いモノの移動もスムーズに。収納をしっかりと機能させるためにも、キャスター付きの収納を活かしてみましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
目次
キャスター付き収納ってどれくらい便利なの?
不要なモノを取り除き、必要なモノを管理しやすく、使う場所に定位置管理することで、サッと戻せる仕組みを作り日常的に片付ける習慣を身につけてくれる整理収納。服や雑貨類、小物類、食器、など、アイテムに合わせてさまざまな収納グッズが存在します。
しかしせっかく収納していても、使い勝手が悪い、モノが重すぎて動かない、掃除が行き届かない、なんていう場所もあるのではないでしょうか。そんなときはキャスター付きの収納を取り入れることで、さらに機能的な収納を目指すことができます。
キャスター付き収納のメリットはさまざま
キャスター付き収納のメリットは、やはりなんといっても移動しやすさ。どれだけ重いモノを収納していても、キャスターを付けることで移動もスムーズになり、行き届きにくい掃除も楽になります。
ほかにもウォークインクローゼット内や台所内の小さなカゴにキャスターを付ければ、取り出しやすさも上がります。片付けも楽になって、時間の節約に。
家にもともとある家具に新しくキャスターを取り付けても、足元なのでそれほど見栄えは変わりません。インテリアのデザインへの影響も少ないところも、キャスター付き収納のメリットの1つといえるでしょう。
いくつもの種類がある
一口にキャスター付きの収納といっても、市販の製品にはいくつもの種類があります。
キャスター付き収納の代表例はワゴン。そのほかにも、スチール(金属)製や木製の棚、ハンガーラックなどにキャスターを付けたモノもあります。ご紹介したモノはほんの一例で、キャスター付き収納にはほかにもさまざまなタイプがあります。用途や活躍の幅も大きいのが、キャスター付き収納の特徴です。
それでは、どのようなモノにキャスターが付けられているのでしょうか?収納道具自体が重さを持っていたり、中にモノを入れることで重くなるモノ、ありますよね。このようなモノを移動しやすく、また使い勝手をよくするためにキャスターが付けられることが多いのです。
キャスター付き収納ってどう使うの?具体的な使用例
重たいモノを運べるとは言っても、実際にどう使うと効果的なのでしょうか?部屋の場所ごとに、具体例を交えてご紹介します。
キッチンで使うとき
キッチン内での家事で重たいモノの代表と言えば、お米が挙げられるでしょう。出し入れの頻度も高く、買った時は2キロ・5キロ・10キロと運ぶのも苦労するお米の袋。簡単なキャスター付きの収納道具を用いれば、家事がぐっと楽になります。
例えば100円ショップで売っている小さなすのこや取り付け式のキャスターを組み合わせるだけでも、簡単に、お米の出し入れを楽にしてくれる収納グッズをつくることができます。
お米の出し入れのほかにも、例えば調味料や缶詰・瓶詰などの収納にもキャスター付きが役立ちます。キャスター付きの小さなカゴを用意して、お醤油や油、お酒など、種類の多い調味料をまとめてひとつにしまっておけば、調味料の出し入れが楽になり、調理もスムーズになります。
リビングで使うとき
広いリビングでは、加湿器などの、重さがあり移動が必要なモノに、キャスター付きの収納グッズが役に立ちます。お米の収納と同様、すのこにキャスターを付けるだけの簡単な収納グッズでも、加湿器であれば十分に重量に耐えられ、移動もスムーズになります。
リビングでの使用例として、もうひとつはテレビラックなどの家具にキャスターを取り付けるモノがあります。テレビラックは、ホコリも溜まりがちで掃除が必要な場所になります。そんなとき、ラックにキャスターがついていれば、無理に移動させて床を傷つけることもありません。
ウォークインクローゼット・押入れなどの広いスペースで使うとき
ウォークインクローゼットで使う場合、衣類を掛ける収納で使えるハンガーラックタイプのキャスター付き収納道具が活躍します。
また、押入れの効率的な使い方として、空間を奥と手前に分ける方法があります。使用頻度に合わせてよく使うモノは手前に、あまり使わないモノ(シーズンオフの衣類など)は奥に収納しますが、キャスター付きの収納用品を利用することで、出し入れや衣替えを簡単に行うことができます。
カラーボックスにキャスターを付けて、出し入れしやすくDIYをしてみたり、既製の奥行きを活かしたキャスター付き押入れ収納があるので、何を収めるのか?を考えて収納用品を探してみましょう!
また、最近では布団収納をする際に押入れの出し入れをしやすくするためのキャスター付き布団収納もあります。中段より下の部分を使い、上げ下げすることなく、身体に負担も少ないのでとても安全で便利です。
ベッド下で使うとき
ベッド下でキャスター付きの収納道具を使うときは、文庫本や漫画、CD・DVDなどの重さがあるモノの収納や、季節ものの衣類など、使用頻度が低いモノに特に役立ちます。
ベッド下という高さのないスペースで使用するキャスター付きの収納道具は、奥行きと幅の広さを活かすために空間全体を上から見渡せるように工夫されているモノが多いのが特徴。高さに制限があるので文庫本や漫画、CD・DVD、そのほか子どもが使っていたおもちゃ、教科書など思い出のモノを保管するのもよいでしょう。
また、現在プラスチックケースなどで収納している場合も、キャスターを付けるだけで出し入れが格段に楽になります。特にベッド下で使うプラスチックケースは、目線が届かず、手も届かないスペースになるので、あったことを忘れてモノ溜まりになってしまったり、使用頻度の低いモノを収めるので手が付けられないままになりがちです。キャスター付きで出し入れが楽になれば、モノの整理をする習慣もつき、整理が進むきっかけにもなりますよ。
キャスター付き収納をDIYしてみよう
実際にキャスター付きの収納道具を探してみたけど、欲しいモノがどうしても市販で見つからなかった。そもそも今の家具をあまり買い替えたくない。そんなときは、DIYで低コストに、かつお手軽に作ってしまうという方法もあります。
低コストで作れて、パターンもいろいろ
キャスター付きの収納道具で、最も低コストで手軽に作れるのは、キャスター付きすのこ。すのこなどの木材にキャスターを取り付けた単純なモノですが、そのまま家具やラックの下に置くことで、既存の家具も、簡単にキャスター付きの収納道具に早変わりしてくれる優れものです。
すのこなどの木材とキャスター、それに留めるためのネジは、どれも100円ショップでそろえられるモノ。木材なので、のこぎりを使えばサイズの調整も可能です。のこぎりの使用が苦手な場合は、ホームセンターで木材のカットを30円ほどで行ってくれるところもあるので利用してみましょう。
キャスター付きすのこを作る場合の注意点は、すのことキャスターとの間に、厚みのある木材を敷くこと。100円ショップで売っているすのこは薄い場合が多いので、そのままキャスターを取り付けると、ネジが貫通してしまうことがあります。すのこと小さな木材を木工用ボンドで固め、木材にキャスターを取り付けるとよいでしょう。
低コストで作れるキャスター付きすのこの実例をご紹介しましたが、例えば応用で、既存のカゴにキャスターを取り付けるという方法もあります。子どものおもちゃ箱にキャスターを取り付ければ、出し入れや移動も楽に。
DIYする場合に大切なのは、安全安心な作りを心がけること。たとえば、思いがけず力をかけてしまうことによって割れたり破損したりすることもないとは言えません。耐荷重が低い作りだと危険なことがありますので、用途や上にのせるモノに合わせて丁寧に作りましょう。
オリジナルの収納道具も作ることができるDIYは、インテリアを損ねずおしゃれな空間を維持することもできますよ。
用途によって使い分けたい、キャスターの種類
キャスター付きの収納道具をDIYするときに気を付けたいのは、取り付けるキャスターに、いくつかの種類がある点です。種類ごとの特徴を理解しつつ、用途によって使い分けるようにしましょう。キャスターの種類で代表的なモノは、以下の4つです。
[ 1 ] 固定タイプ
車輪に付いている金具が固定されていて、前後左右の一定方向にしか動かないタイプのキャスター。例えばベッド下など、収納ケースの移動を一定の方向だけにしたい場合は、このキャスターを取り付けるのがおすすめです。取り付けときには、向きが正しいかどうかを注意しましょう。
[ 2 ] 自在タイプ
車輪に固定されている金具が、自在に360°回転し、前後左右動くタイプのキャスター。
例えばリビングなどの広い部屋で、さまざまな位置に移動させたいモノに対して取り付けるのがおすすめです。
[ 3 ] ねじ込みタイプ
キャスターの取り付け部分に4本のネジを使って固定するタイプに対して、取り付け部分自体がネジの形になっているのが、ねじ込みタイプのキャスター。かごやラックなど、そのままキャスターが取り付けられる収納道具に対して、便利なタイプです。固定タイプや自在タイプのキャスターは、取り付け用の板やネジを別に必要とする場合が多いですが、こちらは直接取り付けるタイプのキャスターなので、コストの軽減にもなります。
収納道具によっては取り付けられない素材や構造のモノもあるので注意しましょう。
[ 4 ] 貼り付けタイプ
取り付け部分がシールになっているタイプのキャスター。キャスターのなかでは、釘を使って留める作業も必要なく、もっとも簡単に取り付けられるタイプです。ただ、布などの素材を使った収納道具に張り付ける場合は、簡単に取れてしまう可能性もあるので注意が必要です。ねじ込みタイプ同様、収納道具の素材や構造に注意して利用しましょう。
キャスター付きの収納の、メリットから具体例までをご紹介してきました。普段の家具や棚にキャスターを付けるだけで、片付けがさらに楽になります。収納をしっかり機能させるためにも、ぜひ、キャスター付きの収納を活かしてみてみましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。