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Question

住宅ローンの頭金はゼロでも大丈夫?頭金の必要性とは?

気に入った分譲マンションがあり購入を検討していますが、頭金をあまり準備できない可能性があります。頭金とは必ず必要なのでしょうか?頭金ゼロの場合と、頭金を支払う場合ではどのような違いがありますか?

Answer

頭金ゼロでも住宅ローンを組むことは可能。ただし、総支払額に大きな差が。シミュレーションしましょう!

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

住宅ローンの頭金とは?

マンション購入時の重要検討事項といえばお金のこと。住宅ローンを組む際に頭金をどのくらい用意すれば良いのか悩む人が多いかと思います。そこで今回は、住宅ローンと頭金の関係についてお話しします。

マンションの購入に必要なお金は、大きく2つ「物件自体の金額」と「諸費用」に分けることができます。そしてこれらマンション購入に必要なお金は、住宅ローンを組んだり、自己資金で支払うこととなります。

頭金というのは、物件自体の費用のうち、入居までに支払うまとまった現金(自己資金)のこと。残りの費用は住宅ローンで支払うのが一般的です。

住宅ローンを組む際に頭金を用意する3つのメリット
はじめから大きな金額を用意するのは、なかなか大変ですよね。しかし、相手側(銀行側)から見た場合には、頭金があれば「金銭的な準備ができる人」ということになり、評価が高まります。それはつまり、借り手への信用が生まれるということ。

頭金を用意することで次のような経済的メリットがあります。

[ 1 ]  同じ物件購入でも、総支払い額が抑えられる
頭金を入れることにより借り入れ額が抑えられて、利子の総額が小さくなるので、総支払額も抑えられます。

[ 2 ] 融資事務手数料など諸費用も抑えられる
金融機関によって融資事務手数料はさまざまですが、借り入れ額が少なくなれば、当然負担する融資事務手数料も低くなります。また融資に対する保証料がかかる場合も、保証料は借り入れ額に比例するので、頭金を入れることにより負担額を軽くすることができます。

[ 3 ] 住宅ローンの審査が通りやすくなる
住宅ローンの審査では、返済能力を審査されます。返済能力の評価は基本的に年収がベースとなりますが、預貯金が全くない人よりも、積み立てなどの準備をしてきた人の評価が高くなるのは自然なことですよね。ということは、頭金の用意がある人は住宅ローン審査も通りやすくなるということです。

住宅ローンの頭金、相場はいくらくらい?

実際にマンション購入を検討している人からよく聞かれるのが、平均的にどのくらいの住宅ローンを借りて、いくらの頭金を用意すればよいのか?という点です。

もちろん、お金の問題はその人の暮らし方に合っていることが何より大事。その上で、目安を知りたいという人には、以下の表が参考になるかと思います。

2021年度 フラット35 マンション融資利用者の平均データ(抜粋)
平均年齢 45.0歳
世帯年収 818.3万円
購入価格 3,864.5万円
フラット35 住宅ローン借り入れ 3,048.3万円
手持ち金(頭金+諸費用) 671.4万円
1か月当たりの予定返済額 10.8万円
※出典:住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html
(最終確認日:2023年3月15日)

これらはあくまで平均値ですので、自分のプランはしっかりと現実的に検証することが大切。シミュレーションをして、無理のない計画を立てましょう。

頭金ゼロでもマンション購入して大丈夫?

チラシなどを見てマンション購入を検討しはじめると、頭金がなくても買えるじゃない?と思う人もいるでしょう。確かに今は頭金がゼロ・100%住宅ローンの状態でマンション購入することが可能です。

ただし、一度開始したローンはそう簡単にやり直しできません。今の決断が長い目で見てもベストでありたいですよね。頭金の有無によるトータル負担額の影響は以下のようになっています。

●物件価格4,000万円のマンションを購入する場合

頭金が物件価格の1割の場合 頭金ゼロの場合
a:頭金 400万円 0万円
住宅ローン借入額 3,600万円 4,000万円
住宅ローン借入金利 1% 1%
住宅ローン毎月返済額 101,622円 112,914円
b:住宅ローン総返済額 約4,268.1万円 約4,742.3万円
c:住宅ローン諸費用(注1) 39.6万円 44万円
d:そのほか諸費用(注2) 約68.4万円 約70万円
a+b+c+d 合計 約4,777.6万円 約4,856.3万円
※金利1%、返済期間35年。35歳、世帯年収750万円、融資事務手数料1.1%の例
(注1)住宅ローン諸費用は融資事務手数料、保証料などがあるが、上記は融資事務手数料。
(注2)そのほか諸費用は、登記関係費用(本則で計算)や火災保険料、司法書士手数料など。火災保険は5年一括、約10万円、司法書士手数料も約10万円で試算。

このように、頭金を1割入れた場合と頭金ゼロで100%住宅ローンを組んだときとでは、頭金があった方が総額で約79万円程度の差が出てくることが分かるかと思います。頭金はゼロでも問題ありませんが、頭金の大切さが分かります。

頭金ゼロの注意点って?その対処法は?

頭金がゼロで、100%住宅ローンを組んでマンション購入をする際には、どのような注意点が挙げられるでしょうか?以下を参考にしてください。

[ 1 ] 後に売却しようと思った際の注意点
頭金ゼロの場合、物件売却時に住宅ローン残高がまだ多く残っていることが多く、売却価格 < 住宅ローン残高となってしまう可能性が。そうなった場合、物件を売ることが難しく差額を自分の預貯金で補うか、ほかから無担保ローンなどで調達することが必要になってきます。

[ 2 ] 住宅ローンの借り換えの選択肢が減ってしまう
住宅ローンを組んだ後に、金利などの条件がよい住宅ローンに借り換えをする場合、住宅ローン残高が多く、物件の担保価値以上の住宅ローン残高があると、借り換え審査が厳しくなったり、提示される金利条件が悪くなってしまうことがあります。

売却や借り換えなどの可能性が出てきたときに身動きがとりにくくなってしまうのが頭金ゼロの大きな注意点となります。

ただし、今日のような低金利であれば頭金なしでローンを組む方も多いです。

気に入ったマンション、ぜひよい条件で手に入れたいですよね。それに必要な頭金は、少しずつでも貯めておきたいもの。明日のすてきな暮らしのために、今からできることをやっていきましょう!

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。