収納ガイド
ランドセルの収納場所は子どもと相談して決めるのがおすすめ!
小学校から帰って来ると、ランドセルを放り出したまま遊びに行ってしまう子ども。言えば数日は片付けるものの、しばらく経つとまた元通り…。決まった場所に自分でランドセルを戻せるようになってもらいたいのですが、いい方法はありませんか?
もしかすると、今の置き場所が子どもの身長や使い勝手に合っていないのかもしれません。ランドセルの収納場所は、子ども本人と相談して決めるのがおすすめですよ。
情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加
目次
ランドセル収納のお悩みとは?
小学生の子どもがいる家庭に多いのは、次のような「ランドセル」のお悩み。
・帰ってくるとリビングの床にランドセルを置きっぱなしにするので、部屋が散らかって見える
・子供部屋の床にランドセルを転がして、乱雑に扱う
・玄関に置きっぱなしにされると、見映えも悪いし邪魔になる
毎日使うものだからこそ、お悩みも毎日続いてしまいますよね。ランドセルを、子どもが自分で決まった位置に戻すことができれば…。
そこで今回は、子どもでもスムーズに片付けられる「ランドセル収納」のアイデアについてご紹介します!
子どもがランドセルを片付けられない、収納の問題点とは?
まず、子どもはなぜランドセルをリビングや玄関に直置きしてしまうのでしょうか?その理由は、主に2つ考えられます。
[ 1 ]置き場所がそもそも決められていない
[ 2 ]決められた置き場所が、子どもにとって使いにくい
[ 1 ]の場合は、保護者が置き場所を決めていても、子ども本人がそれを把握していないという場合も含みます。まずは子どもと話し合い、「ランドセルをどこに置くのか」を一緒に決めましょう。
次に[ 2 ]は、「子どもがランドセルを決めた場所に戻してくれない」という、多くのお悩みの原因です。
置き場所があってもそこへ戻せない理由としては、次のようなことが考えられます。
・帰宅動線上にない
・教科書など学用品の置き場所から離れていて、用意がしづらい
・高さが合っていない
・出し入れに手間がかかる仕様
・ランドセルのフタを広げるのに十分なスペースがない
いずれも、実際に使う子どもの目線になっていないことが原因です。この場合も、子どもと改めて話し合い、片付けやすい収納場所を決め直す必要があります。
ランドセルの収納場所を決めるときのポイントとは?
ランドセルの収納場所について子どもと相談するときは、次のようなポイントに気を配りながら考えてみましょう。
子どもの帰宅後の行動動線(パターン)に合っているか
・「玄関⇒洗面所⇒リビング」などの動線上
・なるべく、行ったり来たりせずにすむところ
もし、学童クラブなどで宿題を済ませてくる場合は、「帰宅後、どこへどう移動してランドセルを置くのか」「どこにあれば便利か」を考えてみましょう。また、教科書以外にも手提げバッグや学用品などの準備物が必要なときもありますので、それらをひとつのコーナーにまとめ、支度動線を短くすることを意識してみましょう。
ランドセルを使う場所に近いか
・翌日の用意をする場所の近く
・宿題をする場所の近く
・朝着替える制服の近く
まず、翌日の用意をするとき、「どこにランドセルを置いて準備すると便利か」を想像してみてください。教科書置き場の近くであれば、用意するときに動き回らずにすみます。家で宿題をする場合は、学習机の近くも便利ですね。
出し入れ・準備がしやすい環境か
・子ども目線の高さ
・ランドセルを広げるスペースの確保
子どもにとって、ランドセルは重いもの。収納場所が高いところにあると、持ち上げるだけでも大変なので、子どもでも置きやすい高さを考えてあげることが必要です。大人が片付けやすい置き場所は、子どもにとっては少し高すぎる可能性も。だいたい、子どもの目線から斜め45度くらい下の位置にランドセルがあると、フタを開いたときに中身も見やすくなるでしょう。収納場所でそのままランドセルを広げて翌日の用意をする場合は、それができるスペースも確保しておきましょう。
ここに決定!ランドセル収納場所のアイデア集
さて、上記のようなポイントを押さえた上で、具体的にはどんな収納場所が考えられるでしょうか?家具の配置や部屋の間取りを思い浮かべながら、いろいろなアイデアを検討してみましょう。
子ども部屋
・学習机の近く
・洋服ハンガーの下
毎朝、子ども部屋で制服に着替えたり、帰宅後に勉強したりする場合は、ランドセルも同じ部屋に置くと便利です。学習机の近くのほか、制服を収納している場所の下などに、学用品をまとめて収納しましょう。他の学校グッズの邪魔をしないこと、出し入れがしやすいことは重要です。モノが多い子ども部屋では、ひとつの収納場所にいろいろなモノが混在しがちなので、「この収納場所に置くものはこれだけ」と“1アドレス1アイテム制“を決めておくと、子どもも片付けやすいでしょう。
リビング
・学用品コーナーの収納棚など
・リビング学習の場合は、学習スペースの近く
リビング学習の場合は、リビング・ダイニングの近くにランドセル収納があると、毎朝家を出るまでの動線がスムーズになります。翌日の用意をしているかどうかも、親から目が届きやすく、声かけしやすいでしょう。ただし、リビングはインテリアの中心となる場所なので、スッキリと片付いて見えるように工夫をすることが大切です。
玄関
・学校へ持って行くモノの近く
「学校へ持って行くモノはすべて玄関に収納している」という家庭もありますし、確かに忘れものをしにくい場所といえます。ただし、子ども部屋やリビングなどの勉強スペースから離れてしまうので、学童クラブなどで宿題を済ませてくる子ども向きかもしれません。
それから、玄関は家族が出入りの度に通るところであり、家の印象を左右する場所でもあります。学用品を置く場合には、玄関が乱雑にならないように注意しましょう。
乱雑に見えない、ランドセルの置き方テクニック
収納場所が決まったら、置き方にも工夫しましょう。すっきり見えて準備しやすくなる、収納グッズの利用テクニックをご紹介します!
棚を利用する
カラーボックスやスチールシェルフのほか、低めで幅広の本棚などにランドセルを収納する方法です。カラーボックスを利用する場合は、カラーボックスを「横に倒して」上部にランドセルを置くのもおすすめ。縦に使うことが多いアイテムですが、実は横に倒した方が子どもの背の高さに合っています。低めの棚の上は置きやすいうえ、その場で広げて準備しやすくなる利点もあります。カラーボックス専用の収納ボックス、引き出しなどを組み合わせて学用品をまとめることができれば、翌日の準備がスムーズになりますよ。
専用のラックを利用する
教科書や制服・そのほかの学用品と一緒に収納できるような、ランドセル専用のラックも販売されています。子どもが成長しても長く使えるように、シンプルなもの、耐久性にすぐれているものなどを選ぶとよいでしょう。ラックのそばに散らかりがちな小物を入れられるケースや、一時的に置くスペースを用意するだけでも用意がしやすく、使い勝手がよくなります。
ボックスを利用する
大きめのキャスター付きのカゴやボックスに、ランドセルを入れる収納方法です。ただし、ボックスに入れるとその場では広げて準備できないので、すべての準備が済んだ後の待機場所として置いておくイメージです。キャスターがついていると、子どもでも重いランドセルを移動させやすいですね。夏休みや年末年始など、長期の休みはボックスごとクローゼットの中などに移動できるなどのメリットもあります。
フックを利用する
学習机にはランドセル用のフックが側面についているものもあり、そのフックにぶら下げて収納する方法です。使いやすいフックを、100円均一ショップなどで購入して設置してもよいでしょう。ボックスを利用する場合と同じく、すべての準備がすんだ後の待機場所向き。床にランドセルを直置きして、散らかった印象になるのを防げます。
ランドセル収納を決める際に大切なこと
ランドセルの収納について、大切なポイントやアイデアをいろいろご紹介してきましたが、一番大切なことは、使う本人である子どもに合っているということです。兄弟姉妹がいる場合も、単純に上の子と同じようにするのではなく、子どもそれぞれに合わせて片付けの習慣がつくような収納場所を決めましょう。そのためには、子どもの性格や行動パターンをよく知ることが大切ですよ。
そして、年齢や成長に合わせて調整できるように、年に1度の学年末には、教科書の収納と一緒に見直しをしてみましょう!
情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加
薬剤師・整理収納アドバイザー2級認定講師・企業内整理収納マネージャー。整理収納の理論に脳科学を活用した独自のメソッドで「片づけ力」を身に付ける方法を、スクールやメディアで発信。家事を効率化して、自分の時間や家族との時間を充実させる方法をご案内。