マンション購入ガイド
ダイニングとは?リビングとの違いや快適に過ごすコツをご紹介!
新築マンションの購入を検討していますが、間取りで悩んでいます。ダイニングとリビングは何が違うのでしょうか?また、DK(ダイニングキッチン)とLDK(リビングダイニングキッチン)なら、どちらが過ごしやすいかも知りたいです。
ダイニングとは食事をする場所を意味し、リビングは居間を意味します。DK、LDKどちらを選んでも、工夫次第で快適に過ごすことができますよ。
情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸
目次
ダイニングとは?
マンションの購入を検討する際に、気になるもののひとつが間取りですね。DK、LDKなどの表記がありますが、ダイニングとはどのようなスペースのことを指すのでしょうか?今回は、間取り選びで悩んでいる人に向けて、ダイニングとリビングの違いや、間取りごとの特徴、快適に生活するコツをお伝えします。
ダイニングは「食事室」のことを指す
ダイニングとは、「食事室」を意味します。日本では、「洋風の飲食店」や「食堂」もダイニングと呼ばれることもあります。
言葉の語源は「dine(食事をする)」と「room(部屋)」という、2つの英語を組み合わせた「ダイニングルーム」です。これが省略されて、ダイニングといわれています。
なお、間取図や物件概要などで使用されるダイニングの略字表記は「D」です。リビングを意味する「L」やキッチンを表す「K」と組み合わせ、「DK」や「LDK」と表記されていることも多くなっています。
リビングとは役割が異なる
ダイニングとリビングは家族が集まるという点では似ていますが、リビングは「居間」や「お茶の間」という意味です。居間とは家族でくつろいだり、読書やテレビ鑑賞を楽しんだりといった、家族団らんのために使われる部屋のことを指します。
DK、LDKの違いとは?
マンションや戸建てなどの間取図を見ると、「DK」「LDK」という表記を多く見かけますよね。現代のマンションでは、この2つのスタイルが主流になっています。それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか?
間取りの定義
間取りにおいて、DKとLDKは役割が似ていますが、専門的には定義が異なります。まず、間取りの定義の違いを確認しましょう。
●DK
DK(ダイニング・キッチン)は、ダイニングとキッチンの間を扉や壁などで仕切らず、一体化させた間取りのことです。
日本で最初に「DK(ダイニング・キッチン)」という表記を採用したのは、1955年に設立された日本住宅公団(現UR都市再生機構)です。当時、日本住宅公団が家族向けに集合住宅、いわゆる団地を開発、販売しました。その際導入した間取りが2DK。それまで日本の住宅にダイニングという食事室を独立させる概念はなく、販売当初、ダイニングのある公団住宅は羨望の的でした。
●LDK
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)とは、DKに居間の機能も一体化させた部屋を指します。キッチン、ダイニング、リビングそれぞれの部屋を仕切らず一体化させたオープンな空間になっており、食後も同じ空間でくつろぐことができるので、家族団らんの時間を取りやすいといえます。
DKにリビングの機能が追加されたLDKの間取りが普及し始めたのは、1970年代といわれます。70年代は日本全体の所得水準が高くなった高度成長期で、より豊かな住環境が提供されるようになりました。家族一人ひとりが自分の部屋を持つようになったため、家族団らんを楽しむためのリビングが普及したといわれています。
広さの違い
DKとLDKでは定義される広さが異なります。LDKは、DKにリビングがプラスされた間取りですが、DKもLDKも一体化されている空間なので違いが分かりづらいですよね。
実は2011(平成23)年までDKとLDKを明確に分ける基準がありませんでした。そこで、公益社団法人不動産公正取引協議会連合会※1が、2011年に「DK」と「LDK」を表示するにあたっての最低限必要な広さについて以下のように定義しています。
居室(寝室)の数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
上の表を参考に、間取り図を読み解いてみると、以下のようになります。
・居室が1部屋の場合
キッチン・ダイニングの合計が4.5畳以上8畳未満なら「1DK」と表記
キッチン・ダイニングの合計が8畳以上なら、リビングの機能もあるとみなして「1LDK」と表記
・居室が2部屋以上の場合
キッチン・ダイニングの合計が6畳以上10畳未満なら「2DK」と表記
キッチン・ダイニングの合計が10畳以上なら、リビングの機能もあるとみなして「2LDK」と表記
なお、この「畳数」についても同じく広さの定義があり、「畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル以上の広さがあること」となっています。
このように、広さが違うことによって、「DK」より「LDK」の方がくつろぎやすかったり、価格が高かったりする傾向があるということになります。
ただし、「LDK」表示は2居室以上の場合10畳以上であれば全て同じ「LDK」の表記になります。したがって、100㎡の2LDKもあれば60㎡の3LDKもあるということなのです。
人数に応じた間取りの選び方
ここまでDKとLDKの違いについて見てきましたが、自分にはどちらが合うのか、間取りの選択を迷う人もいるかと思います。ここから、間取りの選び方について説明しますので参考にしてくださいね。
1~2人暮らしにフィットするDK
DKは、比較的面積の小さな部屋で採用される間取りなので、1人暮らし、カップル、ルームシェアする場合などに向いています。特に、同居者が一緒に過ごす空間よりも個人のプライベート空間を優先させたいときには、広くパブリック空間を取った「LDK」よりも「DK」の方が向いています。
少人数の住まいでは、DKがある間取りであれば、十分食事スペースとくつろぎスペースを分けて使用することができますよ。
「DKの物件でも広く見せたい」という人は、ダイニングスペースを広く使えるように工夫をするとよいでしょう。たとえば、低めのダイニングソファを置くことで、家具の圧迫感が減る分、広く見せることができ、ダイニングをリビングスペースのように使用することもできるでしょう。
また、DKの間取りであっても、キッチンカウンターが付いている物件なら、食事はキッチンカウンターで取るようにして、ダイニングスペースをそのままリビングとして使用することもできます。
2~3人以上の暮らしにフィットするLDK
LDKは、2〜3人以上の住まいにおすすめの間取りです。食事スペースとくつろぐスペースをある程度分けることもできますし、同じ空間として広くゆったりと使うこともできます。来客が多い人は特に広めのリビングスペースが確保できるLDKを選択するとよいでしょう。
LDKはDKと比較してスペースに余裕があるため、家具のレイアウトがしやすくなっています。ダイニング空間には、ダイニングテーブルセット、リビングにはソファやテレビボードなどを置いて同じ空間ながら使い方を変えることができます。
また、リビングスペースは、一時的にベビーベッドを置いたり、昼間は子どもの遊びスペースにしたりと活用の幅も広がります。特に、キッチン、ダイニング、リビングの間に壁がなくオープンになっている間取りの場合は、キッチンで家事をしながらリビングで遊ぶ子どもの様子を見守ることもできますよ。
なお、以下の記事では、1人暮らしの間取り、そして2人暮らしの間取りについてより詳しく解説しています。
●1人暮らしに関する記事はこちら
1人暮らしの理想的な間取りを詳しく解説しています。
●2人暮らしに関する記事はこちら
2人で暮らす場合の最適な間取りについて解説しています。お役立てください。
ダイニングやリビングダイニングを快適にする6つのポイント
家族が集まるダイニングやリビングダイニングは、できるだけ快適に効率よく使いたいですよね。ここではダイニングやリビングダイニングを上手に活用するためのポイントをご紹介します。
[ 1 ] ライフスタイルに合わせた配置にする
ダイニングやリビングダイニングには家族のライフスタイルに合わせた配置や収納を考えるとよいでしょう。ダイニングやリビングダイニングは、食事や家族の団らんスペースとしてだけではなく、ほかの用途にも使うことができるスペースです。
たとえば、来客時の応接、子どもの勉強スペースなど。さまざまな状況を考慮して、家具の種類や配置を考えると、ダイニングやリビングダイニングの快適さと便利さはアップします。また、家族の成長や変化に合わせてフレキシブルに役割を変えていくこともおすすめです。
[ 2 ] キッチンとの行き来をスムーズにする
特にダイニングを快適に活用するには、キッチンとダイニングを結ぶ動線を考えて家具を配置することが重要です。ダイニングの家具の配置は、動線を妨げることのないように考えましょう。ポイントは、人が移動するのに十分なスペースが確保することです。
家事を楽にするための「家事動線」については下記の記事で詳しく解説しています。
●家事動線に関する記事はこちら
家事を楽にする動線についての情報です。お役立てください。
[ 3 ] テーブルや椅子は、目的に合わせて形や大きさを考える
狭い空間を効率的に使いたいときは長方形のテーブルを、空間に余裕があれば円形を選んでもよいでしょう。また、来客が多い場合は、サイズが変えられる座卓やテーブルを選ぶのもおすすめです。
[ 4 ] 空間を視覚的に広げる家具の配置と色使いをする
高さの低い家具を置くと、視覚効果によって室内が広々と感じられるようになります。
また、ダイニングテーブルは、天板に透過性のあるガラスを選んだり、脚が細いものにしたりすると、視覚的に広がりを演出できます。
さらに、白やベージュなどの明るい色は空間を広く見せる効果があります。このため、カーテンや棚など面積の大きなインテリアは明るい色にするとよいでしょう。
[ 5 ] ダイニングスペースを有効的に使えるアイテムを活用
限られたスペースを有効に活用できるアイテムを取り入れることもおすすめです。たとえば「ダイニングソファーセット」は、ダイニングテーブルとリビングのくつろぎ空間を同時に得られる家具です。
一般的なダイニングテーブル用の椅子よりゆったりとくつろぐことができ、ダイニングをリビングとしても使いたい場合におすすめです。
[ 6 ] フォーカスポイントを作る
ダイニングに観葉植物や絵などを飾って眺めのよい場所=「フォーカスポイント」を作るというのも、快適なダイニングを演出するポイントです。観葉植物や絵に視線を生きやすくすることで、生活感を薄め、落ちついた空間に見せる効果があります。ただし、植物や絵に目がいくためには、壁がしっかり見えるよう、モノを置きすぎないことも大切です。
ここまでダイニングを快適にするポイントをご紹介してきましたが、ダイニング以外でも物件を探すときには間取りを重視する人は多いと思います。下記の記事では、住みやすい間取りの選び方について記述していますので参考にしてみてくださいね。
●間取りに関する記事はこちら
マンション選びに欠かせないポイントを解説していますのでお役立てください。
また、リビングにも縦長、横長のタイプがあります。快適なリビングの間取りついては、下記の記事をご参照ください。
●リビングの間取りに関する記事はこちら
リビングの間取りの見るべきポイントを解説しています。
ダイニングやリビングを中心にした暮らしのシミュレーションを!
ダイニングやリビングは家族が毎日の食事を取る暮らしの中心であり、家族とのコミュニケーションを育む大切な空間です。使い方次第ではよりくつろぎの空間として過ごしやすいものにすることができます。
DKかLDKか、どちらを選ぶかは人それぞれですが、マンションの内見をする際は、「日々の暮らしをイメージ」しながら見ることをおすすめします。間取図を見るだけでなく、自分の目で実際の間取りを確かめて、家具をどうレイアウトし、どう使うかなど、具体的にシミレーションしてみましょう!
自分のライフスタイルに合ったダイニング空間をイメージすることで、後悔しないマンション選びができますよ!
●内覧に関する記事はこちら
内覧の流れや見るべきポイントについて解説しています。マンション選びの際にお役立てください。
※出典:「不動産広告の相談事例 特定用語の使用基準」公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会 https://www.sfkoutori.or.jp/jireikoukoku/tokuteiyougo-shiyokijun/(最終確認:2021年4月12日)
情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。