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マンション購入ガイド

2018.05.23

Question

地震保険とは?

最近地震が多いので、もし地震でマンションが被災したらどうなるのかと心配になってしまいました。火災保険には入っているのですが、地震保険とは別物なんですよね?どのような保険か、詳しく教えてください。

Answer

地震保険とは、火災保険で補えない地震や噴火などによる建物・家財の損害を受けた場合の補償をしてくれる保険です。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

地震を原因とする火災・損壊などに備える地震保険

阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震など、日本では挙げればキリがないくらい大きな地震が発生しています。もし地震で家が倒壊し、家財道具も使えなくなってしまったらと考えると、その日からの生活がとても不安ですよね。

一般的に、家を購入するときに火災保険に加入する人は多いと思います。しかし、そうした火災保険では、先に書いたような地震を原因とする損害は補償の対象から外されてしまうのです。それでは、万が一被災した場合、私たちはどう対処したらよいのでしょうか?

地震を原因として建物や家財道具が損害を受けたとき、つまりは火災保険でフォローできないような万が一の事態のためにあるのが「地震保険」です。というのも、地震のリスクを予想するのは非常に難しいのが現状で、また被害額も広範囲で大きくなるために、個人と民間の保険会社との間の契約では補償に限界が生じるからです。

地震保険とは「地震保険に関する法律」に基づいて、政府と損害保険会社各社が運営する制度。国が財源の一部からお金を出すことにより成り立っている「被災者の生活の安定を目的とした保険」なのです。よって、地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットで入ることが求められます。

地震保険の補償内容とは?
地震保険は以下のようなものを補償内容としています。

・地震
・噴火
・これらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による建物や家財の損害

また、地震保険は被災者の生活の安定を目的としているため、建物や家財も「居住用」を対象にしています。例えば、次のようなものは補償の対象外となります。
工場、事務所など住居として使用されない建物、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券、預貯金証書、切手、自動車などが当てはまります。

さて、建物の損害というと戸建てをイメージする人も多いことでしょう。しかし、地震保険は分譲マンションにも適用されます。その場合、専有部分(単独で所有している部屋)と共用部分(共用の施設・設備など)に対してそれぞれの保険が用意されています。「専有部分の地震保険」は購入した区分所有者が加入しますが、「共用部分の地震保険」はマンション管理組合が加入するのが一般的です。マンションにお住まいの方は、ぜひ一度、地震保険の規約をご確認ください。

補償額はどのようにして決まるの?
前述したように、地震保険は火災保険とセットでの加入が多いことが特徴です。加入者は契約する火災保険の保険金額(契約金額)の30%~50%の範囲内で地震保険の保険金額を決めることができます。ただし、その上限は建物が5,000万円、家財が1,000万円となっています。ちなみにこの上限額は、阪神淡路大震災をきっかけに引き上げられました。

なお、実際に地震保険からどのくらい支払われるかは、損害の程度によって次の表のように決まります。

建物の場合は、「主要構造部の損害が建物の時価に対してどれくらいか」「床面積の損害がどれくらいか」により、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4分類に分けられます(2017年1月1日以降保険始期契約の場合)。その4分類に応じて、地震保険契約上の保険金額の全額~5%が支払われます。

また家財についても、表のように家財の損害額が全体の時価に対してどれくらいかで「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4分類に分けられます(2017年1月1日以降保険始期契約の場合)。その4分類に応じて、地震保険契約上の保険金額の全額~5%が支払われます。

地震保険って加入した方がいいの?

地震保険は国の限度ある財源の中、「広く国民の生活安定に寄与するための補償」という意味で支払われるものです。もしこうした地震保険がなかったら、私たちは生活の立て直しの間にかかる費用を自分で捻出しなければなりません。規模が大きい被害なら義援金なども集まるでしょうが、それが実際に被災者の手元に届くまでに数ヶ月はかかりますよね。

日本は地震大国であるがゆえに、いつどこで誰が被災するか分からない状況に備えて、政府が税金から財源を捻出している地震保険。ちなみに政府は1回の地震等により政府が支払うべき保険金の総額を決めていて、現在その金額は11.1兆円、民間保険会社と合計した保険金の総支払限度額は11.3兆円になります。この限度額は、関東大震災クラスの巨大地震でも対応可能な範囲とされています。

例えばマンションは地震に強く、被害は少ないだろうと思う人もいることでしょう。しかし実際、地震災害から復旧するときの通電で火災が発生するケースも多いことは見逃せません。それらも地震保険に加入していれば、補償の対象となるのです。また立地などによっては、地震による土砂崩れや津波の影響を受ける場合もあるでしょう。

家財についても、家電製品、布団などというように被災した際に買い換えなければならない負担は大きいものです。そうした窮地の助けとして、まさに地震保険は生活再建のための大事な補填金となるのです。

加入や保険料について

ここまで見てきて、地震保険の有用性はお分かりいただけたかと思います。それではその加入方法などについてもご説明しましょう。

地震保険は、法律に基づいて政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度なので、火災保険と異なり、保険会社による補償内容や保険料の違いはありません。また既に火災保険を契約されている方は、契約期間の中途からでも地震保険特約に加入できます。

保険料はどれくらい?
地震保険の保険料は、保険対象である建物および家財を収容する建物が耐火構造なのか非耐火構造なのかによって異なり、さらに都道府県によっても異なります。また、概して被害リスクが高い方が保険料は高くなる傾向にあるようです。

加えて耐震等級割引や免震建築物割引、耐震診断割引などもあるのが特長です。中でも対象物件が「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく耐震等級3級を満たしているものや「免震建築物」である場合は50%もの割引になるので、どのように割引を活かせるか、ぜひご確認ください。

保険料期間は様々?
保険期間は短期、1年および長期(2年~5年)です。長期ほど割引があり、また建築年が新しいものにも割引があります。

以上、地震保険についてご説明しました。地震だけでなく、地震から影響して起こる火災や津波、土砂崩れなど様々な震災に備えることができるということが分かりましたね。地震の多い日本では、できるだけ安全に備えた暮らしをしたいものです。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。