収納ガイド
マンガで紹介!クリーニング後の服の収納・保管方法とは?
目次
クリーニング後についてくるビニール袋
クリーニングしてせっかくキレイになった服が、保管している間に傷んでしまったり迷子になったりしては困りますよね。大切な服を長くキレイに着るために、覚えておきたい収納と保管のポイントをご紹介しましょう。
クリーニングから戻ってきた服、どんなふうに保管していますか?普段着であればすぐにまた袖を通しますが、冬のコートや冠婚葬祭用の服のように、長期にわたって出番がないものの場合は、そのままクローゼットや収納ケース行き、ということも多いのでは。ですが、「クリーニングでキレイになったから」とそのまましまい込む前に、いくつか注意すべきことがあります。
ビニール袋は外す
クリーニングに出した後の衣類は、必ずビニール袋に包まれて戻ってきます。このビニール袋の役割は、クリーニング店から自宅までの移動中、傷や埃から衣類を守るため。一般的にクリーニング後の衣類はビニール袋を外してから保管するのが望ましい、と言われているのをご存じですか?その理由は2つあります。
[ 1 ] 湿気問題
大半のクリーニング店では、アイロンなどのプレス(仕上げ)を行う場合にスチーム(蒸気)を使用しています。忙しい時などは仕上げ後すぐに包装されることもありますが、仕上げられた直後の衣類はまだ蒸気の関係で温かく、その蒸気が抜けないまま包装されることになります。すると、ビニール袋内で結露が起きてしまい、その湿った状態のままでビニール袋を外さずに収納すると、カビの発生につながってしまうのです。このカビの発生には、収納場所のもともとの湿度の高さなども影響してきます。
[ 2 ] 万が一の乾燥不足
クリーニング店の乾燥機では、ほとんどの場合衣類を完全に乾かすことができますが、乾きの悪い分厚い衣類や素材などによっては、乾燥不足の場合もあります。なかでも、ドライクリーニングは水ではなく石油系の溶剤を用いて洗濯しているため、しっかりと乾燥していないとトラブルの元となってしまいます。
乾燥不足の衣類には、石油の匂いが残っているだけでなく、そのまま肌に触れるとかぶれることがあります。匂いがする場合は着用を避け、風通しのよい場所に吊るして風をあてましょう。しっかり乾燥すれば、匂いは消えます。もし、きつい匂いがする場合はすぐにクリーニング店に問い合わせましょう。洗い直しや匂い抜きをしてくれることもあります。
万が一の乾燥不足に対処するためにも、クリーニングから衣類が戻ったら、すぐにビニールを外して乾燥させることがとても大切なのです。
ビニール袋を外してからの衣類のケア
クリーニングから戻ってきた衣類は、まずビニール袋を外すこと。そして、湿気の少ない風通しの良い場所で、日光による色あせを防ぐためにも陰干しをしましょう。防虫剤などを利用し、通気性の良い不織布のカバーをかければ、湿気・虫・ホコリなどを防ぎながら、着たいときにサッと着られる状態をキープできます。不織布は透明ではないので、カバーの中に何の服が入っているかすぐわかるようにマスキングテープなどに明記して貼っておくか、荷札などをつけておくと、すぐにお目当ての服を手に取ることができますよ。
クリーニング後についてくるハンガー
クリーニング店でもらったプラスチックハンガーや針金ハンガーを、そのまま使用して収納している…というあなた。そのハンガー、本当にその服に合っていますか?
針金ハンガーは外して保管
細い針金ハンガーがジャケットやコートの肩部分に食い込んでしまうと、型崩れの原因に。見た目もよくありませんし、着心地まで悪くなってしまいます。ジャケットやコートなどには、ある程度厚みのあるハンガーを使用することで綺麗な型をキープすることができますし、風通しにも役立ちます。
また、ハンガーは厚みだけでなく幅も重要。服の肩幅にジャストサイズのハンガーを選びましょう。肩幅よりも小さすぎると、肩の部分にクセがついてしまいます。逆に大きすぎても、袖の部分が出っ張ってしまうことに。
このように、ハンガー選びが洋服の寿命を決めると言っても過言ではないくらい、ハンガー選びは重要です。ワイシャツなど、使う頻度が高く保管が短いものや普段着に限ってはここまで徹底しなくともかまいませんが、洗濯のプロであるクリーニング店にお願いするほど大切な服を、より良い状態でスタンバイさせておくためには、ハンガーにこだわって収納することをおすすめします。
ちなみに、ハンガーの材質にもそれぞれメリット・デメリットがあります。
●木製ハンガー
メリット:防湿・消臭効果あり。厚みがあるため型崩れしにくい。重い。
デメリット:厚みがあるため収納効率が落ちる。他の材質に比べると高価。
●プラスチックハンガー
メリット:安価。軽い。薄いので収納効率は高くなる。
デメリット:薄いので型崩れしやすい。割れやすい。
●針金ハンガー
メリット:安価。軽い。薄いので収納効率は高くなる。
デメリット:薄いので型崩れしやすい。歪みやすい。
洋服1着、1着に合ったハンガーを選び、上手に組み合わせてくださいね。
また、クリーニング店のハンガーをついため込んでしまって、数えてみたらすごい本数になっていた…なんていうことはありませんか?多くのクリーニング店では、ハンガーのリサイクルに取り組んでいます。使わなくなったハンガーは、お店に戻すことで処分の手間も省けますよ。
クリーニング後受け取ったら衣類の状態をチェック
ビニール袋を外した後にするべき大切なこと…それは衣類のチェックです!すぐに全体を確認しましょう。
クリーニングの仕上がりを確認
ビニール袋を外したら、コートのベルトやフードなどの付属品が揃っているか、ボタンは壊れていないか、汚れやシミ、縮みがないかなどをチェックしましょう。万が一何かあった場合でも、持ち帰ってすぐならクリーニング店に対応してもらいやすくなります。ところが、これが「数か月後にビニール袋から出したら穴があいていた」といった場合、クリーニング店でのトラブルなのか、保管方法に問題があったのか、本当の原因がわからなくなってしまいます。
なお、何かあったときは、衣類についた管理番号のタグも衣類と一緒にクリーニング店に持参しましょう。
クリーニング後の正しい保管方法とは?
衣類を傷めないための3つの注意点
クリーニング後、衣類を保管する際に注意すべきは、「虫食い」、「湿気」、「紫外線」の3点です。
(1)虫食いを防ぐ
大切な衣類を虫食いから守るために、防虫剤を使用しましょう。防虫剤のガス化した気体は空気より重いため、下に向かいます。防虫剤は衣類よりも上の方に置くようにします。
(2)湿気を防ぐ
大切な衣類をカビから守るために湿気対策を行いましょう。湿気は下に向かうため、デリケートな衣類、大切な衣服は上の方へ収納します。綿素材の衣類はすぐ洗えるので、下の方に置くようにします。
また、クローゼットは天気のよい日を選んで、時折扉を開き、風を通すようにしましょう。
(3)紫外線を防ぐ
紫外線や蛍光灯の光が当たらない場所に保管しましょう。窓際に吊るしておくと生地が傷んだり、色褪せてしまいます。衣類を守るためにも、クローゼットやチェストに収納しましょう。
アイテム別衣類保管のコツ
●ワイシャツ
クリーニングから戻ったワイシャツをたたんで収納することがありますよね。何枚も重ねて置くと、シワがつきやすくなります。
すぐに着る予定があるワイシャツは、たたんだ状態で引き出し内の一番上に保管しましょう。長期間着る予定がないワイシャツは、ハンガーに吊るして保管することをおすすめします。ハンガーに吊るせば、たたみジワが伸びますから、着たいときにシワのない状態で袖を通すことができます。
クリーニング店からハンガーにかけてワイシャツが戻ってきた場合は、肩幅に合ったハンガーに取り替えてからクローゼットに保管するようにしましょう。
●ジャケット
クリーニングから戻ったジャケットは、ジャケット専用のハンガーへ掛け替えましょう。肩幅に合わないハンガーは型崩れが起こりやすくなるため、ジャケット専用の分厚いハンガーを用意しておくとよいでしょう。
●ズボン
すぐ着るのであれば、クリーニングから戻った状態のまま吊るしておいても大丈夫。すぐ着ない場合は、折りジワがついてしまうので、ズボン専用のハンガーに掛け替えるようにしましょう。たたんで保管しなければならない場合は、なるべく折りジワができないように保管します。
保管する際の注意点
クリーニングに出したモノと、出していないモノは分けて収納するようにしましょう。なぜなら、少しの汚れであってもカビの原因になるから。もしも、ひとつの衣類にカビが生えたら、ほかの衣類に移る可能性も…。せっかくクリーニングに出した衣類はきれいに保つようにしましょう。
また、衣類を詰めすぎると、カビの発生を招く原因にもなります。クローゼットの中は「7~8割収納」を心がけましょう。衣類の間隔があくことで風通しがよくなり、衣服をシワや痛みから守ることができます。
なお、クローゼットやチェストは大切な衣類を守るために、定期的に掃除をして常に清潔にしておきましょう。
クリーニングのまま衣類保管サービスも
秋冬用のコートやセーターは、春夏用の衣類に比べると厚みがあり、場所を取るもの。「どうしても収納スペースが足りない!」というときは、クリーニング後に来シーズンまで預かってもらう保管サービスを利用するのも一つの方法です。
保管サービスとは、クリーニングが済んだきれいな状態の衣類を適切な環境で保管してもらえるというもの。お気に入りの服をクリーニングに出した後に傷めてしまった…ということがないように、このようなサービスを利用するのもいいですね。
衣類の管理が上手にできてくると、どこにどれだけ何があるのかがわかり、無駄な買い物も減ります。すると、余裕があって機能的な、理想の「7~8割収納」も実現しやすくなります。服にとってベストな環境を整えることが、自然と使いやすい収納になりますので、服にも人にも優しい収納をぜひ目指してくださいね。
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。