収納ガイド
ネクタイ収納のコツは?専門家が教えるシワにならない収納方法
ネクタイの数が多すぎて、収納に困っています。必要なネクタイがすぐに見つからず、せっかく見つけてもシワができてしまって使えないことがあります。たくさんあるネクタイを上手に収納するコツを教えてください。
よく使うネクタイであれば「吊るす」収納を心がけ、冠婚葬祭などの使用頻度が低いネクタイは「平置き」にしておくと、シワをつくらずしまうことができます。また、ネクタイの数を把握し、使っていない品は手放すなどの整理もしましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加
シワにならないネクタイの収納方法は?
普段の仕事用、冠婚葬祭用、季節ごとに使い分けているモノなど、意外と数が多くかさばりがちになるネクタイ。そんなネクタイの収納方法には、大きく分けて以下の2種類があります。
[ 1 ] 吊るす
おすすめは、「吊るす収納」です。ネクタイは1日中首に巻くため、汗などの水分が含まれているほか、結び目にシワが残ることがあります。そのため、風通しのよいところで吊るすのが一番。また、吊るす収納は、たたむなどのアクションが省けるので、便利です。
吊るす収納の場合、ネクタイハンガー(ネクタイ用の専用ハンガー)を利用して、クローゼットの中にかけて使います。専用ハンガーは、取り出す時に他のネクタイに干渉しにくいモノを選びましょう。選びやすく、確実に1本を取り出せるモノであれば、ネクタイがクローゼットの中に落ちてしまって探すということもなくなります。
[ 2 ] 平置き(平面に置く・丸める)
一方、ずっと吊るしたままにしておくと型崩れする可能性があるため、平置きした方が長持ちするという考え方もあります。シーズンオフや冠婚葬祭用のネクタイ、予備のモノなど、使用頻度の低いネクタイは平置きもおすすめです。
ほかにも、型崩れしやすいニット素材のネクタイなどは、平置きするとよいでしょう。3~4つ折りにしたモノを平らに重ねてケースに入れます。平置き用のケースは100円均一ショップで簡単に手に入るので、部屋の雰囲気に合うモノ、お気に入りのモノなどを見つけてみてください。防虫防カビ剤・防湿剤などを一緒に入れることをおすすめします。
丸め置きの場合は、ゆるく丸めるようにしましょう。小さくギュッと丸めると生地を傷めてしまう上、「型崩れしにくい」という平置きのメリットもなくなるため、おすすめしません。
平置き収納の場合、シーズン中のネクタイであれば、腰の高さくらいの引き出しに収納できればよいですね。シーズンオフのモノであれば、防虫防カビ剤などと一緒に布製ボックスなどに入れ、クローゼットの枕棚などに保管しましょう。
理想のネクタイの数とは?
「毎朝ネクタイを取り出すのに苦労する」「たくさん持っているけど実際に使っているのはごくわずか」「欲しいネクタイがなかなか見つからない」…などと感じることはありませんか?ネクタイの整理収納を工夫すれば、そんな悩みが解決されるかもしれません。
持っているネクタイを把握してすっきり収納
まずは、家にあるネクタイの数を把握しましょう。忘れていたモノはありませんか?「ネクタイの収納術」を考える前に、まずはネクタイの整理を行いましょう。整理のポイントは、以下の通りです。
- ●自分の好きなファッションテイストを知る
- ●手持ちのスーツに合ったネクタイを選ぶ
- ●シチュエーションに合わせて、数種類残す
その際、傷んできたモノや、古くなっているモノは最初に手放します。そして、ネクタイは「スーツに合わせられるモノであること」が大前提です。手持ちのスーツ2着程度に合うモノを、テンポよく選んでいきましょう。実際に着用しているイメージができれば大丈夫です。
ネクタイ収納前にやっておくべきこと&NG行動は?
大切なネクタイを長く使い続けるためには、日ごろのお手入れも欠かせません。ネクタイを収納する前にしておきたいこと、これだけはNGなことなど、ご紹介していきます。
洗濯はNG
ネクタイは生地がデリケートなため、基本的に洗濯はNG。ですが、使用後には、汗などの水分が含まれていますし、結び目でシワがついてしまっていることもありますよね。
ネクタイに汗がついてしまった時には、すぐに水に濡らしてゆるく絞った布などでたたいて汗を取ってください。水で濡らしても臭いが気になる場合は、除菌・消臭スプレーを使うようにします。ただし、かけすぎには注意してください。
そのほか汚れがついてしまったときには、すぐに布でたたいて汚れを取りましょう。また、シルク素材は水分でシミになることがありますので、素材に合わせてお手入れ方法を選びましょう。
デイリーケアを欠かさずに
ネクタイを外したあとはすぐに収納せず、しばらく風通しのよい場所で吊るしておきましょう。2~3日陰干ししておくと、ある程度のシワも取ることができます。ただし、ニットなど伸縮しやすい素材は吊るさないように。生地を傷めてしまいます。
ネクタイもスーツと同様に、洋服ブラシで上から軽くブラッシングしてホコリを落としたり、形を整えたりといったデイリーケアを心がけてください。ブラシは毛先がしなやかな自然素材のモノがおすすめです。
デイリーケアをすることによって、ネクタイ自体の劣化を防ぐことができて長持ちします。
湿気・ホコリ対策はこまめに
ネクタイは湿気やホコリにも弱いので、ケースなどに収納する場合は、防虫・防カビ剤、除湿剤なども一緒に入れるようにしましょう。こまめな湿気・ホコリ対策で、ネクタイの生地の劣化を防ぐことができます。
もしもネクタイにシワがついてしまったら?
2~3日陰干ししてもどうしてもシワが取れなかったら、以下の要領で軽くスチームアイロンを当ててください。
ネクタイのスチームアイロンの仕方
[ 1 ] シワの部分を手で伸ばす
[ 2 ] 当て布をして、アイロンのスチームを浮かしながら当てる ※必ずアイロンを「浮かせて」当てます。直接当てるとテカリの原因になります。
[ 3 ] 当て布を一度外し、手でシワを伸ばす
[ 4 ] スチームを切り、再び当て布をして、アイロンの熱で水分を乾かす ※上と同じく、必ずアイロンを「浮かせて」当てます。
ほかの方法として、お風呂上がりの高湿高温な浴室にしばらく吊るすなどしてもよいかもしれませんが、必ず最後は乾かして、湿気を取ってください。どうしてもシワがひどい場合は、ホームケアではなくクリーニング店に出すなど、専門家に任せた方がよい場合もありますが、普段から適切なケアを心がけましょう。
使いやすいネクタイの収納方法を探す
先に「吊るす収納がおすすめ」とは書きましたが、全てのネクタイをクローゼットなどにかけるとなると、どうしても場所を取ってしまいます。お手持ちのネクタイの数、収納スペースの大きさなどにより、自分にとって使いやすい収納方法を見つけてみてください。その際、「取り出しやすさ」と「しまいやすさ」を意識してみてくださいね。ネクタイは毎日使うモノなので、快適な収納状態は心地よいですよ。
情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加
薬剤師・整理収納アドバイザー2級認定講師・企業内整理収納マネージャー。整理収納の理論に脳科学を活用した独自のメソッドで「片づけ力」を身に付ける方法を、スクールやメディアで発信。家事を効率化して、自分の時間や家族との時間を充実させる方法をご案内。
HP:http://yutorijikan.blog.jp/