収納ガイド
玄関の収納方法とは?靴を片付けて、スッキリ玄関に見せる方法
玄関がいつも雑然としていて悩んでいます。家族の靴が脱ぎっぱなしだったり、下駄箱に入りきらない靴が外に出ていたりします。玄関の収納はどんなことに気をつければいいのでしょうか?玄関収納のコツを教えてください。
各自の靴の適正量を出し、それに沿った形で収納しましょう。しまい方は人別に「ゾーン」で分けて下駄箱に!
情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
目次
理想の玄関をイメージしましょう!
「玄関は家の顔」と言われていることはご存知ですか?
「出したままの靴が何足もある」「子どもの外遊びのモノが置かれたまま」「ランドセルが置きっぱなし」、さらには「チラシが下駄箱の飾り棚に山積みになっている」「突然、来客があると大慌て」なんていう人もいるのではないでしょうか。一体どのようにすれば、スッキリ片付いた玄関になるのか考えましょう。
まずは家の玄関をどのようにしたいかを考えます。「玄関には何も出ているモノがなくスッキリした状態」「出かけるときに必要なモノがあり、家族が自分で管理できる状態」など、人により理想の玄関のあり方が違います。まずは自分の家族にとって「今」どのような玄関が理想かを考えましょう。
靴の適正量とは?
まずは玄関にあって、一番目につく物は靴ですよね。個人の靴の適正量とはどのくらいなのでしょうか。
今回ご紹介するのは、適正量は、人によって違ってよいという考え方です。
「履きやすい3足を大切に使い回して、潰れたら新しい靴を買う」というミニマムな人、「洋服や出かける場所、気分によって靴を使い分ける」、という靴が大好きな人、それぞれ自分に合った靴の持ち方をしましょう。
ただ、たとえ靴好きだからといって「いいな」と思ったモノを全て買っていたら、お家が靴だらけになってしまいますよね。そうならないために、個人個人自分に合った靴の数を決めればよいのです。冠婚葬祭用、ブーツ、雨靴、普段用、仕事用など。必要なモノとその数を決めてください。
下駄箱から靴の数を決める
靴の数を決める基準がわからない方は、最初に下駄箱を計測してみてください。収納スペースから、入る靴の量を割り出すのです。
家族構成や各々が手の届く高さ、他に入れたいモノを考えると各自が使える段が決まるはず。下駄箱の幅と、そこに入れたい靴の幅を測れば、計算によってそこに靴を何足入れることができるかもわかるはずです。まずはそれを適正量と考えてみましょう。
それ以上ストックのある方は、靴の収納グッズなどを使えば(少し取り出しにくくはなりますが)、約1.5倍程度の数は下駄箱に入るでしょう。それが収納スペースから考える、シーズン期の靴の適正量です。きっちりモノの数を決めて維持していきたい方は、割り出した適正量だけ靴を持つと決めて、傷んだら新しい靴を購入するというルールを決めてしまいましょう。
オフシーズン物は、普段は使わない下駄箱のスペースで管理しましょう。下駄箱のスペースが少ない方は、玄関近くの階段下収納やクローゼットにオフシーズン物を収納すると考えてください。ただし、そちらもスペースから適正量をしっかり算出して収納しましょう。適当に買い続けると、靴が増える一方となってしまいます。
残す靴・手放す靴…靴の分類方法とは?
玄関の収納スペースなどから、ご家庭の靴の適正量が分かったら、次は適正量に合わせて靴を分類していきましょう。どのような視点で分類していくかをご紹介します。
[ 1 ] 全ての靴を人物別、使用頻度順に並べる
靴の整理は、全ての靴を目の前に出しながら人物別によく履く靴から順に並べます。全部表に出すことで、ご家庭にどれだけの靴があり、誰の靴が多く、どんな色やアイテムがあるかが一目瞭然となります。
[ 2 ]
使用頻度の高いモノから残す
そして、使用頻度の多いモノから残す靴を選んでいきましょう。よく履いている靴は傷んでいることが多いので、かかとやつま先、形の崩れがないかを確認してください。もし靴が傷んでいた場合は「処分か修理か」の判断をしましょう。
また、冠婚葬祭用などめったに履いていない靴は、思いのほか劣化していることがあります。革がべっとりしていたり、ビニール部分がばらばらっとはがれたりすることがあります。そうした劣化を避けるため、一度その場で履いて確認してください。
[ 3 ]
使用頻度が低い靴は、その理由を考える
次に、冠婚葬祭用以外であまり履いていない靴は、なぜ履いていないかを考えてください。「履いたら痛い靴」は今後痛くなくなることはないので手放しましょう。すぐに処分するというように思い切れない場合は、履いてみてください。実際にやはり痛ければ、あきらめがつくかもしれません。
また価格が高かったので、もったいなくてなかなか履けない靴があるという方もいらっしゃるでしょう。「よい靴」を履かずに劣化させてしまうのは、逆にもったいないことです。「よい靴」だからこそ、どんどん履いてかっこよくお出かけしましょう。よい靴は、履くと姿勢や振る舞いが変わります。そんな靴を寝かせておくのは、惜しいことですね!
玄関をスッキリ見せる!靴収納方法のコツとは?
靴の収納方法は、人物別に「ゾーン」で分けるとよいでしょう。各自のスペースと決めると、靴を大切にする「ゆったり収納派」も、たくさん持ちたい「ぎゅっと収納派」も、どちらも自分の責任で靴を管理することができます。
場所を決めるときは身長から考えて、背の高い人が届く高さを決めてから背の低い人へとスペース分け作業を移していきましょう。身長がそれほど変わらない場合は、スペースを縦に使ってゾーン分けします。右の縦ゾーンを夫、その隣の縦ゾーンを妻というような具合です。このような分け方は、一緒に出かける場合にも人が重ならず靴を取り出しやすいというメリットがあります。
どのようなゾーン分けをした場合にも、よく履く靴を自分のスペースの一番取り出しやすい場所に入れてください。
大人は目線のちょうどよい高さに、子どもは1人でも取り出しやすい低い位置に靴を置くのも効果的です。こうしておくと、外出の際に簡単に準備することができます。
手放す靴、どうやって処分すればいい?
靴の適正量と収納方法についてご紹介してきましたが、処分する靴はどのように対処すればよいのでしょうか。靴を手放すときは、リサイクルやフリーマーケットを使うという方法があります。あまり使っていなくてキレイなモノは次に使ってくれる人を見つけましょう。
なお、傘も増えすぎると玄関が乱雑になる要因に。傘も適量に減らすことをおすすめします。家族分と来客用に1~2本残すのみで十分でしょう。
●傘の収納に関する記事はこちら
知らないうちに増えていく傘。傘の適正量は?どこにどのように収納すればスッキリ使いやすくなる?意外に場所を取る傘の収納方法をお伝えします。
また、靴や傘を処分する場合、ゴミの規定は地域によって変わります。粗大ゴミや不燃ゴミとして出す地域が多いと思いますが、そのまま処分でよい地域や、傘ですと金属の部分と布の部分の分別が必要だったりしますので、必ずお住まいの地域での処分方法を確認してください。ネットで検索するか、役所に電話で確認するのもよいでしょう。ちなみに、新しい品を購入するときに古いモノを引き取ってくれる店もあります。
悩み別、玄関の収納のコツをご紹介!
靴の収納が完了して、ようやく気持ちのいい玄関を実現できたのに、いつの間にかまた雑然としていたり、別のモノが置かれてしまったり…とご家庭によって悩みは尽きないですよね。ここからは玄関収納のよくあるお悩みを元に解決策をご紹介していきます。
[ 悩み① ] いつの間にかまた靴が出しっぱなしに!
家族の靴を片付けたのに、いつの間にかまた出しっぱなしになっていること…よくありますよね。家族からも協力を得て、整理された玄関を目指すにはどうすればよいのでしょうか。
靴を玄関に出しっぱなしにしないための収納のコツは、「指定席に戻す」癖をつけることだけです。ただ、出し入れしにくい場所だと体が面倒に感じてしまって、出しっぱなしになる可能性が高くなってしまいます。
その場合は、玄関に出しておく靴は1人1足のみOKと決めて、その指定席を設置します。たとえば下駄箱の下の空間、または棚を購入してそこに置く、といった具合に。なお、「朝から履かない場合は下駄箱に入れる」等というルールも出しっぱなし感が出ないので有効です。
[ 悩み② ]
下駄箱の収納スペースが足りない!
下駄箱の収納スペースが少ない家は、使用頻度で分けるというやり方があります。よく履く靴だけを下駄箱に置き、残りは別の収納場所やクローゼットに移動するのです。洋服のコーディネートの一環として考えるとよいと思います。下駄箱がない海外の家庭も、衣類と一緒にしまっていることが多いようです。
なお、普段履かない靴はしっかりお手入れした後に、下の写真のように手が届きにくい高さにある収納場所に入れておきましょう。
中身がわからなくて同じようなモノを買ったり、置いた場所を忘れる原因にならないように、下の写真のように箱に中身がわかるラベルを貼って管理するのもおすすめです。
[ 悩み③ ]
ベビーカーやゴルフバック、チラシやハガキなどモノが多い!
靴や傘以外にも玄関を占拠しているモノってありますよね。玄関でよく見るのが、ベビーカーやゴルフバッグです。大型収納がないご家庭の場合、ベビーカーは玄関に置くしかないでしょう。日々の動線を考えれば玄関に置くのがベストです。玄関が狭くなる分、靴は必ず下駄箱に入れる習慣を作りましょう。
玄関は家の港。玄関に入ってきた品をそこで留めておいたり、場所別に分けるスペースです。また、家から外に出すべきモノを集める場所、という意味でもまさに「港」ですよね。
たとえばポストに入っていたチラシやお知らせのハガキ等の中で、いらない物は玄関で古紙として分け、家の中には入れないようにしましょう。読み終わった新聞も玄関にためておけば出すときも楽チンですね。
玄関に大きめの収納がある方は、ぜひ存分に活用しましょう。下の写真のような大型収納にはモノの指定席をしっかり作ることで、港がスムーズに稼働します。最新のファミリー向けマンションでは、ベビーカーなどを入れることのできる収納スペースが用意されていることも。これからマンションを購入される方は、ぜひ玄関の収納もチェックしておきましょう。
●大きめの玄関収納「シューズクローク」に関する記事はこちら
玄関の整理ができたら自分らしくアレンジを!
さあ玄関の整理ができたら、あとは帰宅したときに「これが我が家!」「やっと帰ってきた」「家が一番」と思えるようにアレンジしてみてはいかがでしょうか?家族の好きなモノを飾ったり、季節のモノを飾るのもいいですね。何かテーマを決めて飾りを考えるとよいと思います。あまりたくさん飾るとスッキリ見えません。1つのテーマを決めて、そのテーマに合うモノだけを飾るようにするとよいでしょう。
印鑑などの小物をきちんと整理すると◎
玄関の飾り棚や下駄箱の上が物で満杯、ということにならないようにしたいものです。そうした所に置かれているモノは、意外とカギ、印鑑、などの日常的な小物です。玄関にあると便利なそれらの小物にも、しっかり指定席を決めましょう。
鍵は下駄箱の扉の内側にかける場所を作ったり、印鑑もそのまま置くのではなく飾りになるケースに入れたりと、見た目が雑然とならないようにしたいものです。他にも家庭によってはマスク、ハンカチ、ティッシュ、日焼け止め、帽子など、玄関で身につけるとよいモノのスペースを作るととても便利で効率的です。
家族が帰宅してホッとする第一歩が玄関。来客の第一印象となるのも玄関です。
まずはどんな玄関にしたいのか。その玄関には何が必要で何が不要なのか、帰宅したときにどう感じたいのかを具体的に考えてみましょう。そしてそれに合った靴や傘、小物の適正量、収納、置き方、飾り方を考えましょう。
そんな玄関があれば、きっと笑顔あふれる暮らしとなるはずです。
(撮影協力:今井 知加)
情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
整理収納アカデミアマスター、整理収納アドバイザー1、2級認定講師、ルームスタイリスト・プロ、住宅収納スペシャリスト認定講師。「笑顔のある暮らし」の実現を目指した、ライフスタイルに合わせた整理・収納法を提案している。暮らしStyle代表、三児の母。