収納ガイド
子どもの勉強机をキレイにしたい!整理収納術による机活用法とは?
うちの子どもは、勉強机をキレイにするのが苦手。せっかく大掃除で子ども部屋を片付けたのに、机周りがもうぐちゃぐちゃ…。自分の机を自分で片付ける習慣を身に付け、スッキリした部屋を保てるようになってもらいたいのですが、どうすればいいでしょうか?
「片付ける理由」を理解させることが重要です。まずは子どもと一緒にモノの整理をし、子どもの使いやすい場所に収納場所を決めてあげましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
子どもの勉強机が散らかっているのはなぜ?
「子どもが勉強机を片付けず、モノが山積み」
「いつも散らかっていて、勉強できる状態ではない」
「どうすればいつもキレイに片づいた勉強机になるの?」
子どものいる家庭では、こんなお悩みが少なくないようです。でも、子どもの勉強机が散らかるのは当たり前。それは、片付け方を学んでいないからです。
幼稚園や保育園では、通園バッグやおもちゃなど最小限のモノしかなく、それぞれを片付ける場所も先生方がきっちり決めてくれています。だから、子どもたちは自分の持ち物をしっかり片付けることができるのです。
自宅の学習机では、これらを自分で行わなければなりません。子どもが自分で片付けられるようになるためには、大人が片付けを段階的に教えてあげましょう。
片付けのプロセスは、大きく2つ。まず、机にしまうモノを整理すること。それから、モノそれぞれの収納場所を決めることです。これらの手順とポイントを、次にご紹介します!
勉強机を片付ける理由とは?
勉強机は自分で片付けるものとはいえ、子どもにはまだ「モノに所定の場所を決める」という概念すらないのが普通。片付けの習慣を身に付けさせるには、まず片付けの意味を一緒に考えるところから始めましょう。
まずは、子どもと一緒に「片付ける理由」を考えましょう
片付けは、「片付けなさい」と言われるからするのではなく、「片付ける理由」があるから片付けるのです。この違いを考え理解することで、子どもは納得して片付けることでしょう。
「片付ける」とは、「使ったモノを元の場所に戻すこと」
「片付ける理由」とは何でしょうか?それは、「やりたいことをスムーズにできるように準備しておくため」です。モノを片付けて準備をしておかないと、いざというときに探し物をしなければならなかったり、やりたいことが思いっきりできなかったりということになってしまいます。
「机で何をするのか」を、子どもと一緒に考えてみましょう
では、机でやることを子どもに挙げてもらってみてください。勉強する、絵を描く、手紙を書く、ゲームをする、マンガを読むなど、いろいろ出てくると思います。それらを、「学ぶモノ」「遊ぶモノ、趣味のモノ」に分け、勉強机にはできるだけ学ぶモノだけを置くように教えましょう。
これは「ゾーニング」といって、用途に合わせてモノを配置する方法です。机周りは「学ぶスペース」、他は「遊ぶスペース」などというように考え、遊ぶモノや趣味のモノの収納場所は別に設けてあげることが大切です。
勉強机に収納するモノを整理しよう
それでは、いよいよ片付けを実践します!最初にやることは、「机にしまうモノの整理」です。いきなり収納するのではなく、今持っているモノをひとつひとつ見直し、いらないモノを整理することから始めます。もちろん、これも子どもの仕事ですよ。
「使っているモノ」「使っていないモノ」を仕分け
机の上に置いているモノ、引き出しに入っているモノを、いったん全部外に出しましょう。これらを、「使っているモノ」「使っていないモノ」に分けていきます。
次に、「使っているモノ」を「よく使うモノ」と「たまに使うモノ」に分けてください。よく使うモノは、机の中でも最も使いやすい場所に収納する必要があります。
「使っていないモノ」は、在庫として保管するか、手放す方法を考えましょう。捨てるのは心苦しくても、人にあげたり、公共機関等に寄付したりすれば手放しやすくなりますね。
モノの整理をするときの判断も、全て子どもに
子どもが仕分けをしているとき、処分すると言ったモノに対して「え~、もったいない!」などと口を挟まないようにしましょう。なぜなら、大人のその一言で子どもは「判断を間違えた」と思ってしまうからです。
それが何度も続くと、子どもは「自分には正しい判断ができない」と思い込み、自信をなくしてしまいます。すると、毎回大人に判断を仰ぐようになってしまい、一人で判断できない子どもになってしまうのです。
この判断力の低下は、モノに対してだけでなく、人生の選択に対してもあてはまることですので要注意。口出ししたくなるのをグッとこらえて、子どもの判断を尊重してあげることが大切ですよ。
勉強机のどこに何を置くと使いやすいの?
モノの整理が終わったら、モノそれぞれに適した収納場所を決めましょう。でも、勉強机のどこに何を置けば使いやすいのか、子どもが判断するのはまだ難しいでしょう。次の例を参考に、大人がアドバイスしながら場所を一緒に決めてあげてください。
机の上
机の上は広々と使えるように、必要最小限のモノしか置かないのが基本。でも、使用頻度がとても高い筆記用具や、宿題のように期限があるモノなどは、出しておいたほうが便利でしょう。
ただし、机の上にそのまま投げ出しておくのではなく、ペンスタンドやブックエンドなどを利用して、きちんと置き場所を作ることが大切です。
書棚
机の上の書棚には、今使っている教科書、ノート、辞書や参考書を置きます。ファイルボックスなどを利用して、教科ごとにまとめておくとより使いやすくなるでしょう。
上段引き出し
普段使いの筆記用具や、はさみ、のり、テープなどを収納するのに適しています。筆記用具をたくさん持っている場合は、特によく使うモノをこの引き出しか机の上に収納し、残りの筆記用具は「在庫」として中段の引き出しの奥に収納しましょう。このとき、よく使うモノかどうかも、子どもに自分で決めてもらってください。
下段引き出し
量が増えてかさばりやすいプリント類は、机の下段の深い引き出しにファイリングして収納するとスッキリします。たとえば、国語、算数、理科、社会、HR(ホームルーム)といったように、項目ごとにクリアファイルなどで分けると便利です。この分類も、実際に使う子ども本人に行ってもらいましょう。もしかすると、授業用と演習用に分けた方がよい場合もあるかもしれませんね。
まだプリント類が少ない低学年のうちは、フリーボックスとして使うのもおすすめです。その場合は、学期末など定期的に中身を整理するようにしましょう。
机周りの便利な整理グッズ
さまざまな整理グッズを利用すると、片付いた勉強机をキープしやすくなります。自分らしいインテリアも楽しめるようにしてあげると、子どもの片付け意欲もアップするかもしれませんよ。
ボックス
引き出しの中には仕切りがないと、収納したモノがごちゃごちゃに混ざってしまいがち。四角いボックスやトレーを組み合わせれば、中のモノをキレイに整理することができます。
ワイヤーラック
机の前の壁などにワイヤーラックを立てかけるだけで、収納力が大幅にアップ。フックでカゴをかけて小物入れにしたり、クリップでプリントを留めておいたりなど、さまざまな使い方ができます。
ラベリングシール
プリントをまとめたファイルや、筆記用具を入れたボックスなどにはラベリングをしましょう。外から見てすぐわかるので取り出しやすく、使ったモノを元に戻すのもラクになります。
キレイな勉強机を保つために
小学校に入学後、学年が進むにつれて子どもの持ち物はどんどん増えていきます。学用品以外のマンガやおもちゃも増え、放っておくとこれらが学習机の中で混ざってしまうことにもなりかねません。
常にキレイな勉強机を保つには、「定期的にモノの整理をして、必要なモノの収納場所を決める」、その仕組みをしっかり作り上げておくこと。あとは、使ったら元の場所に戻す(=片付ける)ということを習慣にすれば大丈夫です。
リビングで勉強をさせている家庭は、もしかすると子ども部屋の机は勉強する場所ではないかもしれません。その場合、子どもに「机は何をしている場所なのか」を聞いて、それに必要なモノを使いやすく置くように教えましょう。
そして、「寝る前には必ずモノを元の場所に戻す」という約束をすれば、朝は常にきれいなリビングと机で、気持ちよく一日のスタートを切ることができますよ。
片付けの考え方と進め方の基本を忘れずに!
「整理」「収納」の大切なポイントは、行動から必要なモノを考えて、収納する場所を決めていくということです。「机があるから何かを収納しよう」と考えがちですが、子どもの机は何のためにあるのか、そこで何をするのかということから考えれば、適切な片付けができます。
子どもにこれから勉強机を購入する場合も、「整理→収納」という片付けのプロセスを、最初にきちんと教えてあげましょう。コミュニケーションをしっかり取りながら進めることで、子どもはモノの整理の仕方や収納場所の決め方を、徐々に学んでいくでしょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 大熊 千賀
整理収納アカデミアマスター、整理収納アドバイザー1、2級認定講師、ルームスタイリスト・プロ、住宅収納スペシャリスト認定講師。「笑顔のある暮らし」の実現を目指した、ライフスタイルに合わせた整理・収納法を提案している。暮らしStyle代表、三児の母。
HP:http://kurashi-style.net/