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Question

新築・中古、マンションを買うならどっち?かかる費用の違いをチェック

結婚を機にマンションの購入を考えています。気になっているマンションのなかには新築マンションと中古マンションの両方があるのですが、新築と中古ではどのような違いがあるのでしょうか?教えてください。

Answer

新築マンションと中古マンションでは、購入時の流れや手続きが異なるほか、購入前後にかかる費用が少し異なります。また、新築マンションは最新の設備が整っていて、中古マンションは、築年が古い分、設備が最新ではないものの、新築マンションと比べて価格が安い物件が多いという特徴があります。あらかじめ新築と中古のメリットと注意点を比較しながら購入するマンションを検討しましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

マンションを買うなら新築・中古どっち?

マンション選びをする際に悩むポイントの1つが「新築マンションと中古マンションのどちらにするか?」ですよね。新築マンションと中古マンションでは住み心地がどのように違ってくるのか、購入にかかる費用がどれくらい違ってくるのか、分からないという方もいるのではないでしょうか?

新築マンションと中古マンションそれぞれの特徴を知ること、特に購入時にかかる費用の違いを知ることは、物件選びや資金計画を立てるのに役立ちます。今回は「新築マンションと中古マンションどっちがよいの?」「それぞれのメリットを知りたい」という方に向けて新築マンションと中古マンションそれぞれの特徴と、購入にかかる費用についてご紹介します。

マンションと緑
※イメージ写真
新築マンションの主な特徴

新築マンションと中古マンション、どちらにするか悩んだときには、それぞれの特徴を踏まえて検討すると自分に適したマンションを選ぶのに役立ちます。まずは一般的に挙げられる新築マンションの特徴について整理していきましょう。

設備が充実したキッチン
※イメージ写真

全てが新品で、修繕のリスクが少ない
新築マンションは建物が新しく建築されたものであるため、建物の共用部分から、専有部分である室内まで全てが真新しい状態です。もちろん、リビングや居室、キッチンやトイレ、バスといった水回りなどは誰も使っていません。そのため、中古マンションでは前入居者の使い方次第で気になるたばこの臭いや水回りの汚れなどがない状態の、清潔できれいな室内で気分よく暮らしをスタートできます。

また、新築であれば、物件によって異なりますが、床暖房やディスポーザ、節水式トイレ、浄水器一体型混合水栓、浴室暖房乾燥機など、高機能な最新設備を備えています。竣工前の早い時期に購入を決めると、オプションが選べるマンションでは、フローリングの色やさまざまな設備をオプションのなかから自由に選ぶこともできるのも新築マンションならではの特徴です。ただし、締め切りが設定されていることが多いので、担当者に確認するようにしましょう。

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さらに、中古マンションのように購入後すぐに、建物全体の大規模修繕が行われるといったことは、新築マンションではありません。

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耐震性、防犯性に優れている場合が多い
マンションの建物は建築時の建築水準で建てられていますが、建築技術は年々向上しているため、新築マンションは中古物件に比べて、より耐震性に優れている傾向が高いです。

また、なかには自家発電システムや防災備蓄倉庫を完備するなど、マンション居住者の安全安心に配慮した災害対策がなされているマンションもあります。

さらに、防犯面では、ダブルオートロック、防犯カメラ、24時間有人管理といった共用部分の設備やサービス、各住戸ではモニター付きインターホンやピッキングが困難な鍵が採用されている新築マンションが多くなっています。

もちろん、なかには前述のような構造や設備を持った中古マンションもありますが、その時点の最新の技術や設備が採用されるのはやはり新築マンションです。

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建物や設備の保証が付いている
新築マンションは、建物に売主または建築会社の保証が付いています。主要構造部分は10年の長期保証が法律で義務付けられていて、設備についても期間は異なりますがメーカーの保証が付いています。特に初期不良については入居後、一定の期間内に専有部分の建物や設備についての不具合などを確認する書類を提出することで、不具合がある部分は補修や交換をしてもらうことが可能です。

家とお金と計算機
※イメージ写真

住宅ローンが利用しやすい
以前よりも差はなくなりましたが、新築マンションは、中古マンションと比べて住宅ローンが利用しやすいことが特徴です。中古マンションのなかには、築年数によって住宅ローンの利用が難しい物件やローンの条件が厳しくなる物件もあります。借り入れする側の状況にもよりますが、住宅ローンを条件よく借りるには、建物条件を満たしやすい新築マンションのほうがよいでしょう。

コミュニティ形成がしやすい
新築マンションは、そのマンションに暮らす人がほぼ同時に入居するため、中古マンションに比べて近所付き合いがしやすい傾向にあります。中古マンションの場合は、先に入居している人たちが既にコミュニティを形成していることがあります。そこに途中から参加するよりも、新築マンションのようにほぼ同時に入居することで、一からコミュニティを形成していくほうが、近所付き合いはしやすいといえるでしょう。

駐輪場や駐車場を確保しやすい
新築マンションは、物件にもよりますが、駐輪場については最低1台分、各住戸用に用意されている物件が多くなっています。また駐車場は、そもそも住戸分の台数が確保されていない物件や、台数は確保されていても使える場所は抽選で決まる物件など、マンションによって異なるのが一般的です。新築マンションの場合は、駐車場台数に限りがある場合や使用場所を抽選で決める場合、どちらにしても、新築時の入居者で駐車場の利用を希望する人のなかから平等に抽選によって駐車場を確保、あるいは位置を決めることが一般的です。

一方、中古マンションでは、購入した時点で既にマンション内の駐輪場や駐車場が埋まっているという場合も考えられます。従って、新築マンションのほうが、少なくとも抽選のチャンスがあるため、駐輪場や駐車場を確保しやすいといえます。

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マンションの駐車場
※イメージ写真

価格が中古に比べると高い
新築マンションは上記のような魅力がありますが、中古マンションと比べれば、価格は割高になります。その代わり、新築マンションでは建物や設備、内装などの全てが新品です。中古マンションを購入する際にありがちなリフォームの必要がありません。

建設中の場合、実際の物件を確認できない
新築マンションは、建設中での販売が多いため、実際の物件を内見できないまま購入することが多くなります。建設中の場合は、別に用意されたモデルルームを見て購入の検討をすることになりますが、すべての間取りが見学できるわけではありません。また、日当たりや眺望などが実際の住戸とは異なります。ただし、建設中でなければ、新築マンションの1室をモデルルームとして公開しているケースがあるため実際の部屋を見学することが可能です。

「長谷工の住まい」では、VRでモデルルームを見学できる物件をご紹介しています。VRの、360°カメラを使った映像からは、実際に足を運ばなくても暮らしのイメージがしやすいことが特徴です。こちらのサービスはご自宅のパソコンやスマホで体験できますので、気になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?

●VRで物件を体験するにはこちら

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消費税がかかる
中古マンションでは、売主が個人の場合は消費税がかかりませんが、新築マンションでは売主は不動産会社をはじめとするデベロッパーが消費税事業者であるため、建物相当の価格に消費税がかかります。通常は消費税込みの価格が提示されるので、意識しない人もいますが、必ず販売価格に含まれる消費税額は表示することになっており、消費税額は確認が可能です。物件の販売価格が大きいため消費税も大きな金額になっています。なお、消費税は建物の対価に対してかかり、土地にあたる価格分にはかかりません。

また、消費税がかかるのは、新築マンション、中古マンションいずれも売主が消費税事業者の場合になりますので、中古マンションでも売主が不動産会社のケースでは消費税がかかります。

●新築マンションに住むメリットに関する記事はこちら

新築マンションに住むメリットは?どんな人が住むのに向いているの?

新築マンションについて詳しくご紹介しています。

中古マンションの特徴

中古マンションの特徴にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?7つの特徴をご紹介します。

新築と比べて価格が安い
中古マンションの最大の特徴は、新築マンションと比べると価格が安いことです。立地や専有面積(広さ)など、物件の条件が同程度なら、築年数が古くなる分、価格が安くなります。そのため、立地や専有面積といった希望条件を満たす物件のなかで、新築マンションでは予算的に難しい場合、中古マンションが選択肢として有力になってくるでしょう。

希望のエリアで物件を見つけやすい
中古マンションは、過去に分譲されたマンションから売り物件が出てくるため、いつ売り物件が出てくるかは分からないものの、希望しているエリア内で希望条件に合う物件が出てくる可能性は高くなります。また、購入する側にも購入したいタイミングがあるのが一般的なので、購入時期を考えた場合、中古マンションのほうが希望する時期に希望するエリアで望むような物件に出会いやすいといえるでしょう。

実際の物件を確認できる
中古マンションは、新築マンションとは異なり、完成後の物件を確認しながら検討することができます。実際の建物を見学することで眺望や日当たり、間取り、設備など専有部分だけでなく、共用部分についても確認でき、より具体的に生活をイメージしやすいでしょう。また、内見の際に売主(所有者)がまだ住んでいる、あるいは住んでいた場合は、実際の住み心地や周辺環境などについて聞くことができます。

育児中のママ友
※イメージ写真

リフォームしやすい
新築マンションに比べると、購入価格を抑えられる中古マンションでは、節約できた資金でリフォームすることも可能です。マンションの構造にかかわる部分は、リフォームでも変更することはできませんが、和室を洋室にする、生活動線を使いやすいものに変えるといった間取りの変更、キッチンやバス、トイレなど水回りの設備を新しくするといったリフォームが可能です。また、新築マンションは設備が新しく、心理的にもリフォームしにくいものですが、その点中古マンションは心理的にもリフォームしやすいといえますね。

住宅ローンが利用しにくいこともある
旧耐震基準の中古マンションは、住宅ローンが利用しにくくなる傾向にあります。築年数の古いマンションで住宅ローンを利用する場合、旧耐震基準のマンションでは、一定の耐震性能が確認できることをはじめ、いくつかの要件を満たす必要があります。新築マンションと比べると住宅ローンを利用しにくい物件がありますので、注意が必要です。

なお、旧耐震基準とは、1981年6月1日以前に建築確認済証を取得したマンションで、中古マンションを検討する際、不動産会社に確認すれば、旧耐震基準の物件かどうかは教えてもらえますので、気になる場合は必ず確認しましょう。

耐震基準については、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

●耐震基準に関する記事はこちら

新耐震基準とは?確認方法や旧耐震基準との違いを解説!

耐震基準がどのようなものなのかや、旧耐震基準と新耐震基準の違いについてご紹介します。

入居してすぐに修繕が必要になることも
中古マンションは、既に使用されている建物や設備をそのまま購入するため、キッチン設備や給湯器、ユニットバス、扉やドアなどの建具、室内配管などの修繕が入居後すぐに必要になることがあります。また、マンション全体の大規模修繕工事が入居後すぐに行われることもあり、場合によっては大規模修繕にかかる修繕一時金の支払いが発生するケースもあります。

耐震性や建て替えの不安がある
特に古い中古マンションでは、新築マンションや比較的築年の浅いマンションに比べると耐震性や建物の耐用年数に不安があるかもしれません。建て替えについては、マンション内の意見調整に長期間を要するのが一般的なので、数年内に建て替えとなるマンションは、必ず購入を検討している段階で説明されます。建て替えに伴う費用が発生することもありますので、特に古い中古マンションでは確認が必要です。

ただし、古い中古マンションでも耐震改修や耐震補強を行っている物件もあります。重要事項説明は、契約前に説明がありますが、気になる場合は、最初の段階で仲介する不動産会社にマンションの耐震改修の実績や修繕履歴、長期修繕計画について確認するとよいでしょう。

修繕中のマンション
※イメージ写真
新築・中古を費用で比べると?

新築マンションと中古マンションのどちらを購入するのか決める際、購入費用は大事なポイントです。いずれにしても大きな買い物になるので、新築と中古で異なる費用についてしっかりと把握しておくことが大切ですよ。

●新築マンションと中古マンションの購入の流れに関する記事はこちら

新築マンションと中古マンション、購入の流れの違いとは?

新築マンションと中古マンションについて比較しながらご紹介しています。

マンションのミニチュアと電卓
※イメージ写真

購入時にかかる費用
マンションの購入時には、売買代金はもとより、さまざまな種類の費用がかかります。ここでは、費用の種類に分けて、新築と中古でそれぞれどのくらいの費用がかかるのかをご紹介します。

●売買代金
当然ながら最も大きな金額となるのが、物件の代金です。多くの人がイメージしているように、似たような立地や広さであれば、一般的には新築よりも中古のほうが割安になる場合が多くなります。

ただし、中古マンションであっても立地条件がよく、築年数が比較的新しい人気のある物件の場合は、新築よりも高くなることもあり、必ずしも新築よりも中古のほうが安いというわけではありません。あくまで同様の立地で、面積が似たような場合、中古マンションのほうが安いということになります。

●長谷工アーベストの住まい検索サイト「長谷工の住まい」はこちら

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条件別にさまざまな物件を探すことができたり、住まいに関するお役立ちコンテンツをご提供したりしています。ぜひご活用ください!

家族の人形と電卓
※イメージ写真

●仲介手数料
新築マンションと中古マンションで、大きく異なるのが仲介手数料です。新築マンションの購入では、通常仲介手数料は発生しません。新築マンションは売主から直接購入することとなり、販売自体は販売代理や販売提携となっていても、売主から直接購入する場合には、通常仲介手数料はかかりません。一方、中古マンションを購入する場合、不動産会社が売主となり直接その不動産会社から購入する物件を除き、仲介手数料が発生します。

仲介手数料の目安は、「マンションの売買代金 × 3% + 6万円 + 消費税」で計算できます(売買代金が400万円超の場合)。

<例>
売買代金が5,000万円のマンション
(5,000万円 × 3% + 6万円) + 消費税= 171万6千円

中古マンションの購入を検討する場合には、仲介手数料もあらかじめ予算として見ておかなければならない費用ですね。

●マンション購入での不動産の役割に関する記事はこちら

新築マンションに関わる会社「売主」「設計」「施工」「販売提携」って何?

売主や販売代理、販売提携など仲介手数料で出てくる言葉についてご紹介しています。

●修繕積立基金
修繕積立基金とは、新築マンション独特の費用で、新築マンションを最初に購入した人だけが必要になる費用となります。

一般的には、新築でも中古でもマンションを購入すると、マンションの共用部分に関する将来の修繕に備えて、修繕費を「修繕積立金」として毎月支払い積み立てていきます。当然ながらマンションによっても修繕積立金の金額は異なりますが、同じマンションにおいても所有する専有面積(区分所有の持分)によって異なります。

修繕積立基金は、毎月支払う修繕積立金が一定額たまるまでの補完として、新築マンションの購入時に支払う費用です。修繕積立基金は、「修繕積立一時金」、「修繕積立準備金」ともいわれます。

なお、中古マンションでの修繕積立金の扱いは、購入時に従前の所有者と修繕積立金の月額を日割りで計算して清算します。ただし、修繕積立金の支払いが口座引き落としの関係でその月の日割りと翌月分の清算を行うこともあります。

●管理準備金
管理準備金も、新築マンション独特の費用で、新築マンションを最初に購入した人だけにかかります。修繕積立金と同様に新築当初のマンションの管理に必要な資金がないと困るため、最初に一時金として徴収される費用です。

なお、中古マンションの場合は、修繕積立金と同様に購入時に日割りで清算を行います。

マンションとお金
※イメージ写真

●消費税
マンション購入をすると、新築や中古でも売主が消費税事業者の物件ではその建物価格に消費税がかかるほか、購入時にかかる諸費用に消費税がかかります。

新築マンションを購入する場合、土地に該当する分の価格には消費税が課税されず、建物の価格分にだけ課税されます。たとえば、マンションの販売価格が5,000万円で、土地に該当する価格が1,500万円の場合、土地代金を除いた建物価格分の3,500万円に10%分の消費税 = 350万円が課税されます。

一方、中古マンションを購入する場合、売主(所有者)が個人であれば、売買代金の建物分についても消費税はかかりません。売主が消費税事業者であれば、消費税がかかりますが、中古マンションは個人の売主であることが多いため、消費税がかからない場合が多いでしょう。

そのほか、中古マンションで消費税が課税されるのは、不動産仲介会社に支払う仲介手数料や融資にかかる金融機関の手数料や司法書士の報酬などです。売買代金に消費税が課税されなくても仲介手数料や報酬には消費税が課税されるため、注意が必要です。

●新築マンション購入にかかる費用に関する記事はこちら

新築マンションの契約金とは?手付金や諸費用についてご紹介

新築マンション購入時の契約金についてご紹介しています。

購入後にかかる費用
マンションを購入した後にもかかる費用があります。新築マンション、中古マンション、それぞれにかかる費用を見ていきましょう。

●固定資産税・都市計画税
固定資産税や都市計画税は、家や土地など不動産を所有している場合、所有者に毎年課税される税金です。固定資産税は、基本的に全国どこでも不動産を所有していると課税されます。一方、都市計画税は都市計画区域内にある不動産に対して課税される税金なので、課税されない地域もあります。

新築マンションの場合、購入後、毎年支払う固定資産税には建物の固定資産税について一定期間の軽減措置があります。新築住宅の固定資産税の軽減措置については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてください。

●固定資産税の軽減措置に関する記事はこちら

【2023年最新】固定資産税の軽減措置を知っておこう!

固定資産税の軽減措置についてご紹介しています。

なお、新築から一定の年数がすぎた中古マンションには建物に関する固定資産税が軽減される特例がないため、その分の軽減措置を受けることができません。

●リフォーム・リノベーション・修繕費用
マンション購入時に、自分の希望に合わせた住まいに改装するためのリフォームやリノベーション、購入時に承知していた不具合や購入後に発生した不具合などを補修する際にかかる費用です。

新築マンションの場合は、前述のとおり、不具合については一定期間売主の責任で補修してもらえるため、基本的に購入後すぐにリフォーム・修繕にかかる費用を考慮する必要はありません。中古マンションの場合、築年数や劣化など物件の状況によっては壁紙や畳、キッチンや風呂、建具などのリフォーム・修繕が必要な場合のほか、自ら希望に合わせてリフォームすることもあります。

リフォームや修繕が必要なのか、中古マンションの建物の状態について、気になる場合があるかもしれませんが、購入前には売主の許可を得ないとインスペクション(建物簡易診断)はできません。購入後であれば、インスペクションも可能です。

●インスペクションに関する記事はこちら

インスペクションとは?不動産の売買・リフォーム前に知っておきたい基礎知識

インスペクションについて詳しくご紹介しています。

●水道光熱費
マンション購入後にかかり続けるランニングコストです。新築マンションと中古マンションでは差が出る可能性があります。

細かい部分ではありますが、新築マンションの場合、エアコンや給湯器などに最新の省エネ性能などを持つ設備が採用されており、毎月の水道光熱費が中古マンションよりも安く済むことがあります。

一方、中古マンションで家電や設備が古いままの場合は、新築マンションと比べて、ランニングコストがかかる可能性があります。ただし、付帯する設備の問題なので、中古マンションでも設備が新しいものに交換してしまえば、新築マンションと変わりません。

水道光熱費のイメージ
※イメージ写真
住宅ローン控除は新築マンションが優遇される

住宅ローン控除とは、返済が10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した際に、一定の要件を満たすと、年末時点の住宅ローンの残高から一定期間にわたって、所得税や住民税のなかから控除される制度です。住宅ローン控除を利用することで、住宅ローンを借り入れる際に金利負担を軽減できます。

住宅ローン控除の詳細な内容や条件については以下の記事で詳しく解説しています。

●住宅ローン控除に関する記事はこちら

【最新】住宅ローン控除とは?2022年度税制改正のポイントもチェック

住宅ローン控除についてご紹介しています。

なお、夫婦2人の共有名義で住宅ローンを借り入れする際に、一定の要件を満たす住宅ローンの借り方であれば、夫婦それぞれが住宅ローン控除の適用を受けることができます。夫婦のうち1人が主な債務者で、もう一方が連帯保証人となる(連帯保証型)場合は、連帯保証人となった方は住宅ローン控除を利用できません。しかし、一方を主な債務者とし、もう一方を連帯債務者とする(連帯債務型)と、要件を満たせば2人とも住宅ローン控除の利用が可能です。

ほかにも、1つのマンションを2人が2つの住宅ローンを借りて、お互いが相手の連帯保証人となる(ペアローン)場合、要件を満たすことで2人とも住宅ローン控除を利用できます。

ペアローンについては以下の記事で解説しています。

●ペアローンに関する記事はこちら

パワーカップルとは?夫婦2人で住宅ローンを組むペアローンとは?

夫婦それぞれ自分名義で債務を負うペアローンについて詳しく解説しています。

1つの財布を持つ夫婦
※イメージ写真
費用だけでなく総合的な判断が大切!

ここまで新築マンションと中古マンションそれぞれの違いを紹介してきましたが、新築マンションと中古マンションでは価格に差があることが最大のポイントです。また、初期費用も一部異なります。さらに、購入後にかかる税金などの費用も新築マンションと中古マンションでは異なるものがありました。購入時のメリットだけでなく、実際に購入した後のことや、毎月や毎年かかるお金のこともしっかり考えて選択する必要があるかもしれません。

マンションは購入後、長く生活の基盤となる場所です。好きなエリアや駅からの立地、周辺環境、マンションの共用施設や宅内設備の充実度など、まずは自分の希望にできるだけ合ったマンションを選び、快適な生活を送りたいものですね。また、将来に備えて、子育てのしやすさや、防犯、耐震性などの暮らしの安全・安心についてもチェックするようにしましょう。

さらに、固定資産税や都市計画税などの税金、住宅ローンなどは長く支払っていくものになります。自分の希望と現実の支払いに無理のない範囲で、総合的に物件を選び、購入を決めることが大切です。新築マンションと中古マンションの違いを把握して、後悔のないマンション購入を目指してくださいね!

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情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。