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Question

マンション購入の流れとは?新築と中古を比較して解説

現在マンションの購入を考えています。これまでマンションに住んだことがなく、マンション購入について調べ始めているのですが、新築マンションと中古マンションではどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの購入の流れについても教えてください。

Answer

新築マンションも中古マンションも購入の流れの大枠は同じです。ただし、販売時の状況が異なることで見学方法や申し込み方法、引渡しまでの流れに細かな違いがあり、また必要な費用も変わってきます。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

新築・中古に共通する、マンション購入の流れ

マンションを購入する際、新築マンションにするか、中古マンションにするかで悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか?新築マンションと中古マンションの購入は、おおむね同じような手順で進みますが、異なる部分もあります。まずは、共通するおおまかなマンション購入の流れについて解説します。

STEP1:物件情報入手
マンション購入は、物件情報の入手から始まります。インターネットや折り込みチラシなど、情報の入手方法はさまざまです。いずれにしても検討材料となる物件情報を集め、立地や価格、間取り、仕様・設備などを比較していきます。

長谷工アーベストの住まい検索サイトは、新築マンション・新築戸建てを専門とするサイトです。長谷工アーベストが取り扱う新築マンション・新築戸建てのさまざまな情報が掲載されており、各物件の公式ホームページにも、そのままジャンプできます。資料請求も簡単にできるので、ぜひご活用ください。

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STEP2:マンションの見学
物件情報を見て気になるマンションがあったら、次は見学です。新築のマンションであれば、物件のホームページから来場予約ができます。建設中の場合はモデルルームを、建物が完成している場合は実際の部屋の中や共用部を見学することができます。中古マンションであれば、物件情報を提供している不動産会社へ問合せをし、見学の予約をしましょう。

STEP3:資金計画
マンションを見学して気に入ったら、資金計画を具体的に検討していきます。不動産会社の担当者が適宜相談に乗ってくれますので、遠慮せず相談しましょう!

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STEP4:購入申し込み
おおよその資金計画が固まり、家族の同意を得て資金準備の目途も立ったら、いよいよマンションの購入申し込みです。通常、新築、中古を問わず書面による申し込みとなります。

STEP5:住宅ローンの事前審査
マンションの購入申し込みをした後、もしくは申し込みを決めた時点で、金融機関へ住宅ローンの事前審査(仮審査ともいう)を依頼します。順番としては、マンションの購入申し込みが正式に認められた後に、住宅ローンの事前審査を行っても問題ありませんが、売主が事前審査を正式な申し込みの条件にすることがあるので、確認は必要です。

事前審査では、金融機関が用意する書類に必要事項を記入し、購入を希望するマンションの資料を添えて提出します。現在は、インターネットで審査の申し込みと必要書類の提出ができる金融機関も増えています。この審査結果で、住宅ローンの融資額や金利などの条件がほぼ決まることとなります。もし希望額に届かなかったり、想定より金利が高く返済額が重くなったりしたときは、住宅ローンを利用する金融機関を変更するか、自己資金を増やすなどの調整が必要になります。

STEP6:重要事項説明・売買契約
売買条件が整い、住宅ローンの事前審査に通ったら、売買契約となります。なお、売買契約締結の前に必ず宅地建物取引士による重要事項説明があります。重要事項説明では、不動産の法的要件や権利関係、取引条件のほか、建物の共用部、室内設備など細かい部分についても説明されます。専門的な法律や用語が出てくるので、分からないことがあれば遠慮なく質問しましょう!

重要事項説明に納得できれば、売買契約書の内容の説明にうつります。全てに納得できたら、重要事項説明書と売買契約書に署名・捺印をします。なお、手付金は契約時に支払います。

売買契約に住宅ローン特約が付いている場合、万が一住宅ローンの本審査において想定している融資条件でなかった際は、特約期間内であれば、返金に必要な振込手数料を差し引いた手付金が戻ってきます。特約には期日があることに留意しましょう。

そのほか、ご自宅の買い替えでマンションを購入する際、新築マンションでは、買い替え特約が付けられることがあります。特約期日内の買い替えの不調(期日内に希望価格で売却できない)を理由とする解約であれば、手付金が全額戻ってきます。

STEP7:住宅ローンの本申し込み(本審査)
売買契約締結後、契約書の写しなどの書類を金融機関に提出し、住宅ローンの本審査を依頼します。事前審査はあくまで「仮」のため、契約した書面をもって正式な審査を受ける必要があります。

レアケースですが、STEP5の事前審査を経ず、契約後に本審査のみで住宅ローンを申し込むこともあります。その場合、売買契約時の「住宅ローン特約」がより重要となりますので、覚えておきましょう。

STEP8:住宅ローンの融資承認と金銭消費貸借契約
住宅ローンの融資承認(正式な条件確定、本承認ともいう)が出れば、マンションの購入がほぼ可能となります。融資承認が出たら、売主に引渡しの準備をしてもらうために、不動産会社経由で必ず連絡をしましょう。その後、売主と決済日を決め、決済日を金融機関に知らせます。決済日の日付で融資を実行できるよう、金銭消費貸借契約(資金の使途が決まった金銭貸借契約)を金融機関と締結します。

STEP9:引渡し・決済
金融機関との金銭消費貸借契約が完了したら、売主と調整した日付、もしくは新築マンションのように定められた日付で引渡し、決済を行います。決済とは、契約時に支払った手付金以外の残金や新築マンションの修繕積立準備金をはじめとする費用、中古マンション各種の清算金など必要なものを全て支払うことです。引渡し当日は鍵や物件に関する書類の受け渡しを行います。

また、引渡し・決済日当日にマンションの所有権移転登記や住宅ローンの抵当権設定登記も行います。

新築マンションと中古マンション購入で異なる点は?

ここまで、新築・中古ともに共通するマンション購入の流れについてご紹介しました。新築マンションも中古マンションも購入の流れはほぼ同じですが、細かいところが異なります。ここでは、その違いをピックアップして紹介します。

[ 1 ] 売主の違い
新築マンションと中古マンションでは、売主の属性が異なります。通常、新築マンションの売主は不動産開発会社(デベロッパー)で、中古マンションの売主の多くはマンションを保有する個人です。この売主の違いは、契約条件や引渡し後の保証に影響してきます。

また、新築マンションの場合、売主(または代理の不動産会社)から直接購入することが一般的で、仲介手数料がかからないなど費用の差も出てきます。

[ 2 ] 取引態様の違い
取引態様とは、不動産を取り扱う不動産会社がどういった立場で取引するかを表したものです。取引態様には、「売主」、「媒介」、「代理」があり、どれに該当するのかを明確に表示しなければなりません。

●新築マンションの取引態様
新築マンションの販売会社は、「代理」「媒介」と表示することが多く、この場合は仲介手数料は不要です。

●中古マンションの取引態様
中古マンションの場合は、不動産会社が「媒介」の物件が多く、仲介手数料が必要です。一部、不動産会社が「売主」として直接売り出している場合は、仲介手数料は不要となります。

[ 3 ] 情報発信の違い
新築マンションと中古マンションでは情報発信にも違いがあります。具体的に見ていきましょう。

●新築マンションの情報発信
新築マンションの場合、新聞折り込みチラシやダイレクトメール、物件公式ホームページなど、さまざまな媒体で情報が発信されます。また内容については、コンセプトやロケーション、設備の細かいところまで多くの情報が公開されています。

●中古マンションの情報発信
一方、中古マンションの場合、インターネットのポータルサイトに広告が掲載される場合もあれば、その物件を取り扱う不動産会社からしか情報を得られない場合もあります。つまり、中古マンションの物件情報については、購入希望者がより積極的に探さないと得られないものもあります。

[ 4 ] 物件見学の違い
新築マンションと中古マンションでは物件の見学方法も異なります。具体的には以下の通りです。

●新築マンションの物件見学
新築マンションの多くは、モデルルームでじっくりと物件を見学できます。ただし、建物完成前のモデルルームは代表的な間取りに限られるため、購入するマンションそのものを確認できるわけではありません。フローリングや建具の材質・デザイン、設備の仕様、天井の高さといった全体的なイメージをつかむための見学となります。そのため、新築マンションの場合、建物完成後の引渡し前に、購入者の立ち会いのもと仕上がり具合をチェックする内覧会が行われるのが一般的です。また、新築マンションでも建物完成後に販売している場合には、実際の住宅を見学できます。

●中古マンションの物件見学
中古マンションでは、実際に購入する物件を見学することができます。部屋の広さや間取り、眺望や日当たりなどを目で見て確認できるので、納得のいく物件選びをしやすくなります。

また、まだ所有者が住んでいる場合には家具や家電などがあるため、隅々まで確認できないこともありますが、居住者である所有者に直接話を聞けるというメリットもあります。実際の住み心地や、隣にはどのような人が住んでいるのか、周辺環境はどうかといったことを事前に聞けるのはうれしいですね。

[ 5 ] 申し込み方法の違い
新築マンションと中古マンションでは、申し込み方法にも違いがあります。具体的に見ていきましょう。

●新築マンションの申し込み方法
新築マンションのなかでも人気物件に申し込む場合、最終的には抽選で当選しないと購入の権利を得られない物件もあります。主に都市部のマンション、なかでも人気の住戸は、販売開始の第一期から最終期まで高倍率の抽選となるケースが一般的です。新築マンションでも先着順という物件もありますが、その場合は抽選ではなく最初に申し込みをした人が購入の権利を得られます。

また、新築マンションの申し込みにおいては、申込証拠金を支払うことがありますので、販売している不動産会社の担当者に確認しましょう。

●中古マンションの申し込み方法
中古マンションの申し込みは、基本的に先着順となります。この場合、最初に申し込んだ人を「一番手」、以降「二番手」「三番手」といいます。基本的には、一番手の人が購入の優先権を持ちます。優先権と呼んでいるのは、最終的に住宅ローンの審査がNGだった場合や、途中やむを得ずキャンセルが発生することがあるからです。一番手の人が降りた場合は、二番手の人に優先権が移ります。

なお、中古マンションでは申込証拠金は不要です。そのため、簡単に申し込みできますが、安易にキャンセルすると売主や仲介会社の迷惑になりますので、購入の意思が固まってから申し込むようにしましょう。

[ 6 ] 住宅ローンの取り扱いの違い
新築マンションと中古マンションでは、住宅ローンの取り扱いにも違いがあります。具体的に見ていきましょう。

●新築マンションの住宅ローン取り扱い
新築マンションでは、販売会社が金融機関と提携し、住宅ローンを斡旋していることがあります。その場合、個人で融資を申し込むよりも有利な条件であったり、審査に通りやすかったりすることもあるので、ぜひ販売会社に相談してみてください。

●中古マンションの住宅ローン取り扱い
中古マンションでは、金融機関と提携している仲介会社もありますが、多くはありません。個人情報保護法の観点から、基本的に買主自身で金融機関探しから融資の申し込み、各種手続きまでを行うことになります。ですが、不動産会社によっては、提携や斡旋ではないものの、実績のある銀行を紹介し、手続きのサポートをしてくれることもあるため、事前に相談してみるとよいでしょう。

[ 7 ] 融資条件の違い
新築マンションと中古マンションでは、融資条件も一部で異なる場合があります。具体的に見ていきましょう。

●新築マンションの融資条件
新築マンションは、金融機関にとって最も分かりやすく融資しやすい対象です。借りる側(購入者)の条件さえ整えば、よりよい条件で融資を受けられる(住宅ローンを組める)可能性があります。

●中古マンションの融資条件
基本的に中古マンションであっても、一定の築年数までのマンションであれば、新築マンションと変わらない融資条件で融資を受けられます。しかし、中古マンションのなかでも、築年数が古くなると融資条件が厳しくなることがあります。金融機関によって審査基準が異なる場合もあるため、詳細を確認してみましょう。

[ 8 ] 手付金の違い
新築マンションと中古マンションでは、手付金についても異なります。違いは以下の通りです。

●新築マンションの手付金
未完成の新築マンションの場合、宅地建物取引業法では、手付金等の額が売買代金の5%以下でかつ1,000万円以下であれば、「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」を講じなくてよいとされています。

保全借置とは、売主に万が一、倒産や民事再生などといった理由で物件を引き渡せない事態が起こったとき、手付金の返還を保証する保全措置として特定の機関と保全に係る契約を結ぶことです。具体的には、金融機関や保険会社と保証契約や保証保険契約を結んだり、保管機関と預託契約を結んだりします。つまり、手付金が所定の範囲外の金額である場合は、こうした保全措置を講じなければならないということです。

●中古マンションの手付金
中古マンションは状況が異なり、既に建物があることから、手付金等の額が売買代金の10%以下かつ1,000万円以下までは保全措置が不要となります。中古マンションの場合、保全措置がいらない範囲内で手付金が決定されることが多く、手付金の額についても売主と買主の相談で決められるので、お互いが納得いく金額に落ち着く可能性が高いでしょう。

[ 9 ] 引越し時の違い
新築マンションと中古マンションでは、引越しの際の状況にも違いがあります。具体的に見ていきましょう。

●新築マンションへの引越し
新築マンションでは、一斉引渡しの場合、ほかの入居者と同じタイミングで鍵の引渡しとなることが多くなります。引渡し後は、買主の好きなタイミングで引越しできますが、特に引渡し後の最初の土日に引越しが集中してしまうことがあるため、指定の引越し業者が引越し日の調整を図ってくれる場合があります。なお、新築マンションの場合、入居の2~3か月前に入居説明会が開かれ、入居までのスケジュールについて説明が行われることがあります。

●中古マンションへの引越し
中古マンションでは、新築マンションのようにほかの入居者と引渡しがバッティングすることはまずありません。ただし、購入したマンションのリフォームは引渡し後から工事を始めることになるので、引越しはリフォーム工事の完了後となります。

[ 10 ] 建物や設備の保証の違い
新築マンションと中古マンションでは、建物や設備の保証も異なります。具体的な違いは以下の通りです。

●新築マンションの建物や設備の保証
新築マンションに限らず、新築した住宅は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、建物の基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分)や雨水侵入を防止する部分に関して、完成引渡し後から10年間の保証が義務付けられています。この期間内に何らかの瑕疵(欠陥)が見つかった場合、施工会社や不動産業者の負担で補修の責任を負わなければなりません。

また、新築マンションでは、全ての設備が新品です。各設備にはメーカーの保証が付帯しているほか、売主がアフターサービス基準を定めて一定期間の保証を行ってくれることがほとんどです。

●中古マンションの建物や設備の保証
中古マンションでは、売主によって保証期間が異なります。個人や一般法人が売主の場合、基本的には3か月程度の保証が目安となり、場合によっては、売主責任は免責として保証が付かないこともあります。一方、売主が不動産会社の場合は、宅地建物取引業法に基づき、瑕疵担保責任(契約不適合責任)が最低2年間保証されます。なお、大手の不動産仲介会社は、条件によっては追加で保証を提供してくれることもありますので、アフターサービスという視点で仲介会社を選んでもよいかもしれません。

新築マンションと中古マンションでは、購入の流れに大きな違いはありませんが、細かい部分では異なる点が多々あります。マンションの購入を検討する際には、あらかじめその違いについて知っておいて損はないでしょう。

短期間で入居できる新築マンションはある?

一般的な新築マンションは、建設中に売り出されるため、完成まで入居できません。場合によっては、入居まで1年以上かかることもあります。ここでは、短期間で入居できる新築マンションはあるのか、その例と事前にやっておくべきことを紹介します。

完成済みの物件が狙い目
多くの新築マンションは、建物が完成する前に売り出されますが、なかには既に完成しているマンションを販売している場合もあります。

建物が既に完成しているマンションは、すぐに内見できるほか、契約や住宅ローンなどの手続きが完了すれば速やかに入居できます。

最短だとどれくらいで入居できる?
即入居可能の新築マンションを購入する場合は、最短で申し込みから1か月程度で引渡しを受けることができます。

即入居可の新築マンションの場合 最短の手続き期間
購入申し込みから契約まで 1週間程度
契約から住宅ローンの融資承認まで 金融機関によっては1週間程度
融資承認後金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)まで おおよそ1週間
金銭消費貸借契約から決済・引渡しまで おおよそ1週間

上記のように、うまく進んだ場合、それぞれの手続きにかかる期間は1週間程度となることがあります。

できるだけ早く入居するためのポイント
住宅ローンを利用する場合は、融資の審査に時間がかかる金融機関もあるため、早めに必要書類を用意し、提出することが大切です。

また、売買契約時に支払う手付金は金額が大きく、用意に手間取ってしまうことがあるので、手付金の準備も早めに行っておくとよいでしょう。

マンション購入は住まいアドバイザーに相談を!

マンションの購入は、一生に何度もない大きな買い物となるため、慎重に検討していきたいものです。お伝えしたようにマンション購入の流れには大きく9つのステップがありますが、なかには、ステップごとに分からない点があったりして、不安に思う方もいるでしょう。マンション購入で分からないことがあれば、プロに相談することをおすすめします。

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情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。