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Question

狭いクローゼットでもきれいに収納できる整理・収納術とは?

最近、新築マンションにお引越しをしました。一人暮らしのためワンルームなのですが、クローゼットが狭くて洋服が入りきりません。かといって、わざわざチェストやクローゼットを購入して部屋に置く気にはなれません。狭いクローゼットに収納するアイデアをぜひ教えてください。

Answer

まずは、洋服を全て集め、要・不要を見直しましょう。また、同じ長さの洋服をまとめてハンガーポールに掛けることが狭いクローゼットに収納するコツです。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

目次

まずは、手持ちの洋服を分類!

好きな洋服がたくさんあって、クローゼットが狭くて入りきらない…。そういう方も多くいらっしゃると思います。限られたスペースにたくさんの洋服を収納するのは至難のわざといえるでしょう。

でも、逆の視点で考えてみると、収納スペースが限られているということは、今の自分に本当に必要なモノを厳選するチャンス。洋服をしっかり整理する方法、そして効率よく収納するアイデアについてご紹介しましょう!

クローゼット
※イメージ写真

洋服は、放っておくとどんどん増えてしまうもの。自分が今、どんな洋服を何枚持っているかわからないという人は、ため込みすぎの赤信号です。まずは、手持ちの洋服を「要・不要」に分類することから始めましょう。

全て取り出し「要・不要」に分ける
まずは、クローゼットの中の洋服をいったん全て取り出してみましょう。全てが見える状態にすることで、手放すべきモノがわかりやすくなります。

さらにこのとき、トップス・ボトムス・アウターなど、アイテムごとに分けながら出すことがポイント。こうすると、「同じ形のスカートを数枚持っている」「白いシャツばかり買っている」といった、自分の買い癖も見えてきますよ!

全ての洋服を出し切ったら、「着る」「着ない」に分けていきましょう。
「着る」=クローゼットにしまう洋服
「着ない」=手放す・家から出していく洋服
ということになります。

捨てにくい洋服は売る、譲るなども
着ない服でも、まだきれいだったり、高価なモノだったりすると、なかなか処分に踏み切れないかもしれません。ですが、モノはただ持っているだけでは、ないのと同然。使ってこそ活かされ、意味を成します。

処分しにくい服は、売る、譲る、リサイクルに出す、衣類回収を利用する、寄付をするなどの選択肢を検討してみましょう。ただ捨てるのではなく、他の誰かが着てくれると思えば、手放しやすくなりますね。

分類を始める前に、あらかじめリサイクル先や買取業者を調べておくとよいでしょう。

収納スペースから、洋服の適正量を知ろう!

おしゃれな人ほど、流行や旬のアイテムには敏感なもの。ですが、新しい洋服を買い足す一方では、収納スペースがどれだけあっても足りません。ご自身の管理できる量、収納スペースに合った量を知り、それを保つことを心がけましょう。

収納適正量はクローゼットの7~8割
洋服の適正量とは、「クローゼットの中で自分が管理できる量」のこと。目安は、クローゼットに対して7~8割です。ハンガーに掛けた洋服の間に、手がスッと入ればOKライン。

適正量が保たれていると、手持ちの洋服が一目でわかり、ハンガーも動かしやすいので、着たいモノをすぐに取り出せます。逆に多すぎると、着たいモノがすぐに取り出せない・見つからないうえ、シワや型崩れの原因にもなりがちです。

また、クローゼットに入りきらないからと、安易にチェストやハンガーラックを増やすのも禁物です。自分で把握できる量の範囲を超えてしまい、「実は着ていない服」で貴重なスペースをますます無駄にすることになりかねません。

適正量を保つコツは、「買い足し」ではなく「買い替え」の意識を持つこと。「今持っている洋服を手放してでも欲しいのかな?」「同じような洋服を持っていなかったかな?」と、購入する際にはよく考えましょう。

狭いクローゼットの上手な活用術

次は、クローゼット内のスペースを有効活用する方法をご紹介しましょう。

まずは、空間と洋服のサイズを把握しましょう!
クローゼットは通常、ハンガーパイプと枕棚で構成されています。パイプの位置は、床から約170センチのところに設置されていることが多く、その上に枕棚とよばれる棚があるのが、一般的なクローゼットです。

洋服のサイズを測ると、幅はどれもほぼ同じで約45~60センチですが、長さはアイテムによってさまざま。「洋服の長さ」を意識して掛け方を工夫すれば、収納量は驚くほどアップします!

洋服を長さ別に分けて収納を
ハンガーに掛けて収納する洋服は、長さ別に分類しましょう。

コートやワンピース 約120センチ
シャツ 約100センチ
ジャケット 約90センチ
ボトムスは二つ折りにしてハンガーに掛けると 約70センチ

こうして、長さ別にまとめてハンガーポールに掛けるようにすると、下にまとまった空間が生まれます。ここに衣装ケースを置けば、クローゼットの収納量はグンとアップ。長さ別に分けることは、限られたスペースを有効活用するための大切なポイントなのです!

3つのゾーンを使い分ける
クローゼットの空間を上・中・下3つのゾーンに分割してみましょう。「着用頻度」「洋服の長さ」「たためる洋服」に基づいて、3つのゾーンに収納する洋服を仕分けると、機能的で無駄のないクローゼットが完成します!

[ 1 ]上部(枕棚のゾーン)
手が届きにくい上部には、シーズンオフの衣類、冠婚葬祭用のアイテム・浴衣など出番の少ないモノ、帽子・バッグなどの普段使わないモノを置きます。

[ 2 ]中央 (ハンガーポールのゾーン)
目線の高さにくる中央部は、出し入れが一番ラクな“ゴールデンゾーン”。毎日着るスーツ、よく着るジャケット、スカート、アウターなど、着用頻度が高い「今着る服」をハンガーポールに掛けて収納します。

[ 3 ]下部(床面から洋服の裾までのゾーン)
かがんで出し入れをする下部には、衣装ケースを置いてたためる洋服を収納します。カットソー、ボトムス、セーターのほか、高い場所に置くと出し入れが大変なジーンズなど、重い衣類もここを定位置にするとよいでしょう。

衣装ケースの選び方としまい方
クローゼットの下部に置く衣装ケースは、1段ずつ買い足しのできるタイプがおすすめ。空いているスペースの高さに合わせて、2段にしたり、他で使ったりと、応用がきくからです。

衣装ケースの中に入れる洋服は、たたんだ洋服を立てて収納しましょう。立てることで、収納量が3割はアップします!また、引き出しの高さと幅に合わせてたたむことも、大切なポイントですよ。

たたんだ洋服は、輪を上にして収納しましょう。こうして立てて収納すると、引き出しの中が見やすくなって、出し入れもスムーズになります。

使っていないハンガーはデッドスペースへ
スペースの無駄遣いとしてよく見られるのが、何も掛かっていないハンガーをポールに掛けたままにしているケース。こうしたハンガーも10本たまれば、8~10センチ程のスペースを使ってしまいます。

洋服を掛ける貴重なスペースをロスしないように、使っていないハンガーはデッドスペースにまとめましょう。

デッドスペースになりやすいのは、クローゼットの折れ戸の端や、衣装ケースと壁の間など。ここに、ハンガーをまとめたファイルボックスを置けば、空間をしっかり使い切ることができます。

衣替えした洋服の収納方法とは?
シーズンオフの衣類は、クローゼット上部の枕棚へ収納します。そのときおすすめなのが、フタつきの布製収納ケース。布製のケースは通気性にすぐれているので、枕棚での長期保管も安心です。

一方、プラスチック製の衣装ケースは通気性が悪く、カビなどの思わぬダメージに繋がりがち。また、出し入れの際に枕棚から落下すると、硬い素材でケガをする危険もあるので、注意が必要です。

ひと手間にはなりますが、衣替えの度に衣装ケース内の洋服を入れ替えるのがおすすめ。そうすれば、年間を通しての収納量を確保できます。

クローゼットの上手な使い方 解説図

●シーズンオフの洋服の収納に関する記事はこちら

衣替えでシーズンオフの洋服をすっきり収納する方法とは

クローゼットで使える収納アイテムとは?

衣装ケース
衣装ケース選びは、サイズが重要。特に大切なのは、「高さ」です。中に入れるモノに合わせて、ベストな高さを選びましょう!

衣装ケースの高さと、それぞれ中に入れるのに適したアイテムは以下の通りです。
高さ18センチのタイプ…下着・靴下・小物類
高さ24センチのタイプ…Tシャツ・カットソー・トップス類
高さ30センチのタイプ…厚手のセーター・ジーンズ・ボトムス

布製フタつきケース
シーズンオフの洋服収納には、上でご紹介した布製のフタつきケースが最適。軽くて通気性にすぐれているだけでなく、フタがあることで、防虫剤の効きもよくなります。

ハンガーラック、メタルラック
子どものクローゼットの場合、低めのハンガーラックや、高さを調節できるメタルラックが役立ちます。クローゼットの下部に置くと子ども服のサイズにちょうどよく、子どもの目の高さにも合っているので、ひとりで洋服を出し入れできるようになります。

このような衣類の収納グッズは、透明か白で統一すると見た目もスッキリします。また、購入前には、使う場所のサイズをしっかり測っておきましょう。便利そうなグッズをやみくもに購入するのではなく、事前に収納計画をきちんと立てることが大切です。

布団収納袋、キャスター付き布団収納ワゴン
最近のマンションには和室が少ないとはいえ、床に布団を敷いているお宅や、来客用に布団を用意している家もあるでしょう。そうした事情から、布団をクローゼットに収納したいという場合は、クローゼットの奥行きに対応した「キャスター付き布団収納ワゴン」や「伸縮ラック」などがおすすめです。また、クローゼットの枕棚にぴったり収まる「布団収納袋」もあります。

収納スペースに合った収納グッズを選ぶことが、暮らしやすさに繋がります。購入前に、収納スペースの特徴やサイズを、しっかり確認しておきましょう。

S字フック
よく使う巻物(ストール・マフラーなど)やベルト・バッグは、大きめのS字フックに掛けましょう。引き出しなどにしまうよりも取り出しやすく、スペースも省けます。

ブックエンド
バッグなど、ブックエンドを使えば、自立しないモノを立てて収納できます。

クリアファイル
スカーフは、たたんで1枚ずつクリアファイルに入れることで、書類のようにファイルボックスに立てて収納できるようになります。

突っ張り棒
クローゼットの奥行きに余裕があれば、奥の壁に突っ張り棒を沿わせ、S字フックを取り付けてみましょう。帽子やハンドバッグなど、型崩れが気になるモノを掛けておくのに最適なアイデア収納です。

クローゼットに入りきらない場合は?

レンタルを利用して持つ洋服を減らす
どうしても収納スペースが足りない場合は、洋服を持たずにオシャレを楽しむという選択肢もあります。たとえば、最近はファッションにもレンタルサービスが増えてきました。パーティードレスやスーツなど、出番の少ないモノはレンタルを利用することで、その分収納スペースに余裕をつくることができます。

小物で変化をつける
いろいろな洋服を買うのではなく、アクセサリーなどの小物類を活用して、手持ちの洋服の幅を広げてみては?移り変わりが早いトレンドも、小物で楽しむほうが賢い選択といえるでしょう。

限りあるクローゼットの適正量を守ろう!

たとえどんなに広いクローゼットでも、収納スペースが無限ということはありません。特に狭いクローゼットなら、お気に入りのモノ・使うモノを厳選することは必須です。意識して適正量を守ることで、機能性と美観が保たれ、衝動買いを防ぐ節約対策にもなりますよ。

オシャレで楽しい暮らしのために、すっきりと使いやすいクローゼットを目指してくださいね!

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。