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マンション購入ガイド

2017.05.31 更新:2019.03.19

Question

団体信用生命保険とは?加入方法や注意点を詳しくご紹介

現在、新築マンションの購入を検討しています。住宅ローンを利用しようと思っているのですが、住宅ローンを借りる条件に「団信(団体信用生命保険)の加入」というものがあると聞きました。この団信とはいったい何ですか?

Answer

団体信用生命保険とは生命保険の一種です。ローンの債務者に万が一のことがあった場合に、借り入れ残高分の保険金が出て、住宅ローンが完済できる仕組みになっています。この団体信用生命保険の加入をクリアしないと、住宅ローンの借り入れを断られることもあるので、きちんと理解しておきましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

住宅ローン借り入れ時に必要な団信(団体信用生命保険)とは?

戸建てやマンションなど住宅購入に必要になってくるのが「住宅ローンの借り入れ」です。現金一括でマイホームを購入する場合を除いて、多くの人が住宅ローンを利用します。そのような住宅ローンの借り入れをするためには、いくつかの審査項目があります。

その審査によって、あなたが住宅ローンを貸し付けるのに信用できる人物であるかどうかを、金融機関は判断するのです。

そして、住宅ローンの審査項目に、必ずといっていいほど含まれているのが「団信(団体信用生命保険)」です。今回は、団体信用生命保険の具体的な内容や加入条件などについてご紹介します。

もしものときに住宅ローン残高を肩代わりしてくれる
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済を組んだ契約者が亡くなってしまったり、重度の障害を抱えてしまった場合に、ローン残高分の保険金が出て、以降の返済が不要になる保険のことです。「団信(だんしん)」と略されることもあります。

たとえば、家族の夫が住宅ローン返済の契約者だったとします。その夫が住宅ローン完済前に、万が一亡くなってしまったときでも、団信に加入していることで残された家族はローンの返済から解放され、経済的な負担がかからない、ということになります。

住宅ローンの借入条件に含まれることが多い
住宅ローンの借り入れ審査では、収入や社会的な信用の面で十分にクリアできていても、審査が通らないことがあります。そのような場合は、もしかしたら健康面に問題があったのかもしれません。

健康面で住宅ローンを組めないのは、金融機関の多くが住宅ローンの借入条件の一つに「団体信用生命保険に加入できること」という項目を設けているから。この団信の審査のために、住宅ローンの仮審査まではスムーズだったのに、本審査が通らなかったという声は少なくありません。

マンションの模型
住宅ローンの借り入れに、団信(団体信用生命保険)の加入が求められる理由とは?

生命保険の一種である団信。
この団信は住宅ローンの審査をする金融機関にとって、融資をするかどうかを判断する重要な役割を担っています。それは融資した金額が回収不能とならないように、少しでもリスクを抑えたいという理由があるからです。

住宅ローンの融資上限として、よく「8000万円まで」や「1億円まで」と明記されていることがあります。この額がどこから来るのかというと、実は団信で保障される上限額からきているのです。住宅ローンは金額が大きく、返済期間も何十年と長いもの。金融機関は、多額で長期の融資が回収不能となるリスクを少しでも回避したいのです。

そのため、融資の際の条件として、団信の加入を求めるところが多いのが現状です。

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団信(団体信用生命保険)には、どれくらいの種類があるの?

現在、団信には利用者のニーズに合わせて様々な種類が用意されています。ここでは団信を大きく3種類に分けて、それぞれにかかる保険料や保障内容を、わかりやすくご紹介していきます。

[ 1 ] 一般的な団体信用生命保険
一般的な団信の保険料は、住宅ローンの金利に含まれているので、保険料を別途で支払うことはありません。保険加入者が死亡した場合と、保険会社が定める障害状態になった場合に適用されます。その障害状態とは、一般的に、両目の視力を失う、言語やそしゃく機能を失う、介護状態が終身続く、そして両手または両足、あるいは片手と片足の機能を失うといった高度の障害状態のことを指します。

なお、団信の保険料の支払いが別途必要になるケースとして、平成29年9月30日までにフラット35に申し込まれた方など、団信保険の加入を任意としている住宅ローンを利用する場合が挙げられます。
※平成29年10月1日以降、フラット35は、原則として団信付きタイプにリニューアルされています。

[ 2 ] 三大疾病保障付団信
通常の団信の保障範囲に、がん・脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)・急性心筋梗塞の3つを加えた保険です。保険料の別途支払いとして、住宅ローン金利に0.2%~0.3%程度上乗せされるのが通常です。がん・脳卒中・急性心筋梗塞は三大疾病とも呼ばれることから、この保険の名称の由来ともなっています。

[ 3 ] 七大疾病保障付団信、八大疾病保障付団信、11大疾病保障付団信
三大疾病保障付団信から、さらに保障範囲を広げた保険です。
一般的な団信の死亡時、障害状態、三大疾病のがん・脳卒中・急性心筋梗塞に加え、所定の生活習慣病(高血圧性疾患、糖尿病、腎疾患、慢性膵炎、肝疾患、大動脈瘤および解離、上皮内新生物など)が保障範囲に含まれています。

保障範囲が広がることで、別途保険料相当の負担も必要になります。具体的には、年齢やローンの残高、借り入れ状況によって変動するので一概には表せませんが、金利の約0.2%~0.3%程度の上乗せがあることを目安としてください。

対象となる疾病の数が多くても、保険金が出る基準となる病状そのものが厳しい場合もあるので、それぞれの保障範囲と保険料を比較しながら、自分に必要な保障のある団信を選ぶようにしましょう。

団信(団体信用生命保険)にはどうやって加入するの?

団信(団体信用生命保険)に加入するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
場合によっては条件を満たせず加入できないこともありますので、ここでは具体的な条件や手続きの方法などをご紹介していきます。

書類を虫めがねで確認する女性

住宅ローンの借り入れ申し込み時に、合わせて手続きをする
ほとんどの場合は、住宅ローンの借り入れ時に、団信への加入も一緒に済ませてしまいます。銀行などの住宅ローン取扱機関が保険会社の窓口としての役割も担うということですね。

団信への加入に際しては「同意書・告知書」に記入し、署名・捺印のうえ申し込みをします。この記入内容が取扱機関を経由して保険会社で確認され、承認されれば団信の加入と、晴れてローンの借入審査を通過することができるのです。

特に大切なのは、借入者の健康状態
団信には加入条件があります。主な内容として、1つは、借入時の年齢が満20歳以上、満71歳未満(かつ最終返済時が満82歳未満)であること(三大疾病団信は満51歳未満で最終返済時が満76歳未満)。2つ目は生命保険会社の加入承諾があること。生命保険会社の加入承諾の判断基準は、ずばり借入者の健康状態です。

団信加入で特に重要な部分は、告知書内でチェックされる健康状態の項目。一般的に健康診断の結果を元に記入していきます。詳細は保険会社によって異なりますが、告知書によると、主に以下の3つの項目で判断されることが多いようです。

[ 1 ] 最近3カ月以内で、医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるか

[ 2 ] 過去3年以内に所定の病気で手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるか

[ 3 ] 手・足の欠損または機能に障害があるか。または背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか

項目に該当する部分があれば、けがや病気の名前を記入しましょう。七大疾病や八大疾病など、保障内容を充実させると、申告書の内容が増えていくことも。細かい数値などは、健康診断の結果を見ながら、正しく記入するようにしましょう。この告知で虚偽の申告をしてしまうと、告知義務違反となり保険金が支払われないというケースもあるので、正しく申告することが大事です。

こんなところに注意したい!団信(団体信用生命保険)加入時のポイント

団信(団体信用生命保険)の加入時には、覚えておきたいいくつかの注意点があります。

生命保険の加入状況を見直そう
団信とは、いわば生命保険の一部です。すでに生命保険に加入している人は、保障内容が重複していることも。そうなると、従来の保険のままでは保険料を必要以上に払うことにもなりかねません。団信は住宅ローンに必須で、比較的保険料が割安なので優先的に考え、住宅ローンの借り入れのタイミングで、民間の保険加入状況を整理してみましょう。保障の超過などがあれば、団信が確保された後に保険を見直すことをおすすめします。

夫婦で住宅ローンを利用する場合は、団信の加入形態をチェックしよう
夫婦が住宅ローンを組む場合に多くみられるのは、1人ずつ住宅ローンを借り入れするペアローン。その場合、団信には2人ともが加入することになります。ここで注意したいのは、夫婦1人ずつにローンが貸し付けられるので、片方が亡くなった場合でも、住宅ローン全額が精算されるわけではないこと。

つまり、亡くなったのが夫であれば、夫名義のローン残額だけが保険の適用になるのです。亡くなった方のローンがゼロになっても、残された妻名義のローンはそのまま返済が続くことに。

そういったリスクを避けるために、残された配偶者の残債相当分の生命保険を民間の保険会社で加入する方法があります。

また、もう一つのリスクヘッジ策として、夫婦の収入を合算した金額をベースに組まれる「連帯債務」型の住宅ローンで、連生団体信用生命保険を組むという方法もあります。連帯債務というのは、1本の住宅ローンを配偶者や親子間で、主たる債務者と従たる債務者に分けるローンの組み方です。

通常は、団信が主たる債務者にのみ付与されるケースが多いのですが、連生団体信用生命保険を扱っている金融機関がいくつかあり、それに加入できれば、債務者のどちらかに万一の事態が起こった場合、抱えたローン残債がすべて返済されるという仕組みになります。

健康状態によっては加入できない場合も
団信の告知書に記入した内容(例えば入院歴など)にもしリスクがあると判断されたら、団信に加入できない場合もあります。そのため、健康状態をクリアできないと、団信の加入が必須の住宅ローンは借り入れできなくなってしまいます。

もし健康状態をクリアできなかった場合は、どうすればいいのでしょうか。例えば高血圧などの持病があり、どうしても通常の団信への加入が難しい人は、健康状態の審査が緩和された「ワイド団信」への加入を申し込むという方法があります。金融機関によって取り扱いの有無は異なるので、心配な場合は事前に確認しておきましょう。

通常の団信ではカバーできないリスクも
たとえば、高度障害に当てはまらない病気やけがにより働けなくなってしまった場合、通常の団信での保険金の支払い対象とはなりません。収入が滞った状態でも、住宅ローンを返済し続けなくてはならない人も多くいます。団信だけではカバーできないリスクもあるのです。

万が一の場合に備えて十分な貯蓄をしておくことは基本ですが、頭金の支払いやローンの返済がある状況ではなかなか大変でしょう。その場合は、病気やけがなどで働けなくなったら住宅ローンの返済をサポートしてくれる「債務返済支援保険」や「就業不能保障」への加入を検討してみてもいいかもしれません。

任意の保険ですが、住宅ローンの返済は長期にわたるので、こういう保険の存在を覚えておくと安心でしょう。なお最近では、一部の金融機関で、団信と債務返済支援保険や就業不能保障をセットしたものも登場しています。

ここまで、団信に関する基本的な情報と、健康状態が団信の加入および住宅ローンの借り入れを左右させること、加入時にチェックしておきたい注意点などをご紹介してきました。
戸建てやマンション購入にはかかせない住宅ローンの借り入れ。購入を現在検討している人は、住宅ローンの借り入れ審査をクリアするためにも、団信加入の条件を自分が満たしているか、いま一度確認してみましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。