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2017.03.30 更新:2024.01.15

Question

納戸の収納アイデア5選!おすすめの収納方法を専門家が回答

新居探しで間取り図を見ていると納戸という部屋をよく目にします。実家の納戸は狭い物置のような部屋なのですが、最近のマンションの納戸は広いものから狭いものまであるようです。マンションの納戸とは、具体的にどのような部屋のことを指すのでしょうか?また、納戸の使い方や、収納方法についても知りたいです。

Answer

納戸とは、建築基準法の定義において、「基準よりも採光のための窓が小さい部屋」のことを指します。具体的には、住宅の居室には、採光のための窓などを居室の床面積の7分の1以上の大きさで設けなければならないと定められています。この基準を満たさないため、建築基準法において「居室と認められない部屋」とされます。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

目次

    納戸とは?
    納戸の中

    「納戸」の読み方を知っていますか?正解は「なんど」です。

    納戸とは主に収納に使える部屋のことで、間取り図では「N」と表示されることが一般的です。最近のマンションでは「サービスルーム(間取り図では「S」と表示されることがあります)」「ユーティリティースペース」「多目的ルーム」などと呼ばれることもあるようです。限られたスペースのなかで、納戸のような収納に使える部屋があることは、とても便利だといえるでしょう。

    納戸とサービスルームとの違いとは?
    間取り図を見ていると、「3LDK+N」や「2LDK+S」などと記述されていますが、納戸とサービスルームに違いはあるのでしょうか?結論からいうと、「サービスルーム」と「納戸」どちらにも明確な定義はないため、違いはありません。収納向きなら納戸、居室や書斎として使えそうならサービスルームといったように、広さや用途によって使い分けられていることが多いです。

    また、納戸やサービスルームは建築基準法において、「居室と認められない部屋」と理解しておいたほうがよいでしょう。居室と認められるには、採光や通風のための窓が設けられている必要があります。また、窓が設けられていても、部屋の床面積に対して7分の1以上のサイズがないと、居室として認められません。

    建築基準法で居室と認められていないため、納戸やサービスルームには明確な面積の定義は設定されておらず、居室より広いケースや、逆にとても狭いスペースの場合もあります。納戸やサービスルームの使い方はさまざまですが、収納スペースとして使いたい場合は人が通るスペースを確保する必要があるため、目安として60cm程度の通路を設けられる広さがあるとよいでしょう。

    納戸とは何かを説明した図
    納戸の活用方法は収納スペースがおすすめ

    納戸は、場所を取る布団やシーズンオフの衣類など大きなものを入れる収納スペースとして最適です。もし納戸がキッチンの近くにある場合は、食品ストックや防災用の備蓄品収納として重宝される「パントリー」として使うのもよいでしょう。

    また、納戸をウォークインクローゼットとして活用するのもおすすめです。納戸はウォークインクローゼットのように収納スペースやラックといったものはありませんが、DIYによって劇的に用途の幅を広げることができます。DIY初心者の方であれば、スチールラックやスチールシェルフ、収納棚を設置するところから始めてみるのがよいでしょう。分譲マンションであれば、自分の家であるため自由にDIYが可能です。

    納戸を収納として使用する場合は、後に説明する収納アイデアを用いて空間を無駄なく立体的に活用してみましょう。

    納戸には何を収納するのがおすすめ?

    納戸にはどのようなものを収納したらよいのか分からないと悩む方も多いのではないでしょうか?納戸には、使用頻度が低いものや手放すか迷っているものを収納するのがおすすめです。具体的には以下のようなものが挙げられます。

    ・使用していない布団
    ・オフシーズンの衣類やシューズ
    ・季節用品(扇風機や電気ストーブなど)
    ・アルバム
    ・スポーツ用品(ゴルフ道具や釣り竿、ラケットなど)
    ・ストック用の日用品・食品

    使う出番が少ないものや、まだ利用しないものを出しっぱなしにしていると部屋が散らかり、雑然とした印象になってしまいます。使用頻度や取り出す際の安全性を考慮しながら、納戸に収納すべきものと収納する位置を決めるようにしましょう。

    また、使用頻度の低いものは収納場所を忘れがちになります。どこに何があるのか分かるように、収納ボックスに入れる際はラベルを貼ったりメモを残したりして、見ただけで確認できるよう工夫するとよいでしょう。

    ラベリングされたファイルボックス
    納戸収納のおすすめアイデア5選!

    ジャンルを問わず自由に収納できる納戸に、少しの工夫を加えることで収納力が一気に上がることもあります。ここからは、納戸の収納アイデアを紹介します。

    突っ張り棒を設置する

    突っ張り棒を設置しフックを取り付けたところ

    突っ張り棒は簡単に収納スペースをつくれる便利なアイテムです。納戸に棚や仕切りがなかったり、少なかったりする場合は、突っ張り棒を床から天井まで継ぎ足してポールのようにし、フックを取り付けることによって、帽子やバッグなどを掛けることができます。限られたスペースを上手に使いこなしましょう。

    収納アイテムを活用する
    納戸の収納におすすめのアイテムは、以下の通りです。

    ●収納ラック
    納戸の収納で棚がない場合は、高さを有効に使える収納ラックを使うことがおすすめです。棚板の高さが変えられる収納ラックを選ぶと、収納するものによって高さを調整できるため、収納力が上がります。さらに棚板を増やしたり、衣類を吊るすハンガーパイプを付けたりすることで用途を広げることもできます。

    収納ラック使用で高さを有効に使った納戸

    ●キャスター付き収納ケース
    ラックの一番下に収める収納ケースは、キャスター付きのものにしておくと取り出しやすく、お掃除するときに便利です。キャスター付きの収納ケースはインテリアショップで購入できます。また、100円ショップで販売されている商品を使って作ることも可能です。うまく活用してみましょう。

    ●ハンガーラック
    ハンガーラックを使うことで、クローゼットに入らないシーズンオフのコートや冠婚葬祭用の衣類などを、シワを作らずに次のシーズンまで保管することができます。ハンガーラックはスリムなものから衣類を複数掛けられる大きなものまで幅広いサイズが売られているため、家の納戸の大きさに合わせて選ぶようにしましょう。

    ハンガーラック
    納戸収納のアイデアを説明した図

    収納用品の色を統一する
    収納ラックに並べる収納用品をできるだけ白か透明で統一することで、全体的に整った印象に見せることができます。人は物事に対する情報の8割を視覚(「目」からの情報)で判断するといわれているため、色や素材が統一されていることでスッキリ片付いて見せられるのです。見た目を美しく整えることも、納戸の上手な収納術の1つです。

    白と透明の収納用品でスッキリ整えられた納戸

    ラベリングする
    きれいに収納するだけでなく、中身を分かりやすくすることも重要です。ラベリングをすることで、どこに何があるか把握でき、探しものがグッと減ります。誰が見ても分かる仕組みづくりを心がけましょう。

    ラベリングされた引き出し
    ラベリングされた収納用品
    納戸に上手に収納するコツ

    ここからは納戸を収納場所として活用する際のコツを解説します。以下の点を押さえて、納戸を上手に活用しましょう。

    「とりあえず納戸に収納」はNG
    納戸は押入れやクローゼットよりも広さ・奥行きがあることが多く、たくさんのものを収納できます。しかし、それが大きな落とし穴になっていることが多々あります。

    よくあるのが、不要になった家電や、空き箱などを「とりあえず置いておこう!」と納戸に放置してしまうことです。「とりあえず置き」はもののたまり場を作ってしまいます。納戸も貴重な収納スペースだということを認識し、ルールを決め、収納グッズを使って生かせるスペースを作り上げましょう。

    ものを詰め込み過ぎない
    納戸をスッキリとした状態に保つためには、ものを詰め込み過ぎないことが大切です。ものの出し入れをすることを考えて人が通れるスペースを確保するようにしましょう。人の通るスペースは幅60cm、ものを持って通るのならば幅80cmほど必要です。

    要・不要の定期的な見直しをする
    ものを詰め込み過ぎないためには、収納しているものが本当に必要であるか定期的な見直しをすることが重要です。まずは納戸に収納してあるものを必要なものと不要なものに分けます

    そのなかでも「今は必要ないがいずれ使うタイミングがくるかもしれない」というように迷うものは、必要なものとは区別して置いておくとよいでしょう。このとき、一時保管しているものの保管期間は1年程度に定めましょう。また、保管の際には「一時保管」「迷い中」など分かりやすい名前を付けて、見直しの期限も合わせて記載しておくようにするのがおすすめです。期限を記載することで、見直しをする時期が来たときに一度も使用していなければ、自然と手放そうという気持ちになるでしょう。

    また、壊れていない、欠陥がないなどの理由でなかなか捨てられず、ものがたまっていってしまうというケースもあります。これには完全な形のものは捨てづらいという人間の心理が働いているといわれています。※1一定期間使用しなかったものは、「捨てる!」と割り切ることも必要です。

    全て見直した後で必要なものは収納し、不要なものはできるだけ早く処分しましょう。

    衝動買いをしない
    ものを購入する前にそれが「本当に自分にとって必要なのか」をよく考えてから購入しましょう。よく考え判断することで衝動買いがなくなり、無駄なものを徐々に減らせます。

    また、お得商品をむやみに買わないことも無駄なものを増やさないポイントです。お得商品は、お得にものを買えたという満足感を味わうことが目的となり、購入後には商品に対する興味がなくなっていることも少なくありません。※1無駄な買い物を避けるためにも、お買い得という言葉に惑わされず本当に必要なものとそうでないものを識別するようにしましょう。

    納戸は居室に比べ、普段目につかないためものを置きっぱなしにしがちな場所です。だからこそ、自分で継続できるルールを持って収納スペースを活用することが大切です。

    グルーピングして収納する
    一緒に使うものをグルーピングして納戸に収納しておくと家事がはかどります。たとえば、アイロン・霧吹き・アイロン台・あて布などを「アイロンセット」としてまとめておくというイメージです。

    収納は使わないものをしまうのではなく、「普段使うものをしまう活きた空間」にすることで、家全体が整います。部屋の片付けをする際は、一度家全体を見て収納場所や収納方法について計画を立ててみましょう。

    「使うもの」をグルーピングして使いやすく収納された納戸
    「使うもの」を収納した納戸
    納戸に収納する際の注意点と対策

    使い勝手が自由な納戸には、利用する際に注意すべき点があります。それは、窓がない納戸の場合には、湿気がたまりやすいということです。湿気がたまることでカビが発生し、収納しているものに大きなダメージが加わります。ここからは納戸の湿気を防ぐための方法をお伝えします。しっかりと把握し、湿気対策を行いましょう。

    除湿機を設置する
    納戸の弱点は窓からの換気が行えないため、湿気がたまりやすいということです。空気循環を行う際には除湿器の設置や抗菌マットを敷き、カビの繁殖を防ぐように心がけましょう。

    定期的にドアを開けて、換気をよくする
    ドアを開けて隣接する部屋や、玄関から流れる空気を取り込むことも効果的です。空気が流れやすいため、扇風機を利用するのもよいでしょう。

    納戸の奥行きが深い場合は引き出し型の収納棚を使う
    奥行きのある納戸の場合、奥から順に普段から使用しないものを詰め込む方も多いのではないでしょうか?普段から使用しないものを奥にしまうと、取り出すのが億劫になり、ますます取り出さなくなるといったことになりがちです。奥行きのある納戸には、同じくらい奥行きがあり、簡単に引き出せるような収納ボックスを活用するとよいでしょう。引き出しを使うことで、納戸のスペースを十分に有効活用しつつ、取り出しの際の利便性が向上します。

    収納空間としての納戸は、ただの物置にしてしまうと使っていない生活用品をしまい込んだり、今後も使わないものをため込む場所になったりしがちです。収納空間も家の貴重な場所であるため、普段からものを出し入れできるような活きた空間にしましょう!

    納戸の収納で家全体をスッキリと!

    納戸は家の貴重な収納スペースです。ただむやみにものを詰め込んだり、不必要なものを保管したりするのでなく、自身や家族が継続できるルールを作る、収納グッズを活用するなどしてスッキリとした納戸を保ちましょう。

    また納戸の中身の定期的な見直しも忘れずに行いましょう。納戸を有効活用できる収納スペースにできれば、ほかの部屋での過ごし方ももっと快適なものになるでしょう。

    長谷工アーベストでは、納戸のある新築分譲マンションを取り扱っています。収納に十分なスペースを確保できる住まいをお探しの方は、以下の検索サイトから一度調べてみてはいかがでしょうか。加えて、長谷工アーベストでは長谷工の住まいアドバイザーが取り扱い物件のなかからご希望に合った物件を紹介いたします。ぜひこちらも併せてお気軽にご利用ください。

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    (撮影協力:今井 知加)

    ※1出典:一番わかりやすい整理入門,(株)ハウジングエージェンシー出版事業部

    情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

    整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。