収納ガイド
洗面所の洗面台下の上手な収納術とは?
一人暮らしを始めることとなり、新居での片付けを進めています。万が一のことを考え、自宅からたくさんのストックやアメニティを持ってきました。持ってきたのはいいですが、洗面所にモノが多くなってしまい、うまく洗面台に収納できず悩んでいます。洗面台下のきれいな収納の仕方を教えてください。
ストック管理を行うシステムをつくり、洗面台下にスッキリ収納しましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
清掃用品、シャンプーなどのストック、メイク用品にタオル…
洗面所はモノの種類、大きさもさまざまで、生活感があふれやすい場所ですよね。洗面所は湿気がたまりやすい場所なので、通気よくお掃除しやすくするためにも、スッキリと収納できるとうれしいものです。
生活用品は食品と違い消費期限が記されていないため、永遠に使えるモノのように思えてしまったり、化粧品のサンプルやホテルなどのアメニティグッズなどを旅行用にと持ち帰ってきてしまったり、いつの間にか洗面所が大量のモノであふれている方も多いのではないでしょうか?
しかし、洗面台などの収納スペースには限りがあります。ストックを見直し、洗面台にごちゃっとモノがあふれることがないよう、洗面所のストック管理をしましょう。
ここがポイント!使いやすい洗面台を作るコツ
今、洗面台下がゴチャゴチャで困っている人は5つのポイントを実践しましょう!
整理・収納の手順「5つのポイント」
1.すべてのモノを収納から出す
洗面台下周りに収めているモノを種類ごとにすべて出して、持っているモノの量を把握しましょう。買ったきりのモノや、忘れてしまっていたモノなどが出てくるはずです。
2.出したモノを「使う」・「使わない」で仕分ける
出したモノすべてと向き合い、「使う」・「使わない」を判断していきます。まだ使えるモノでも、これから先一年で使わないと考えられるモノは処分しましょう。
3.迷ったら保留にしてOK
いつか使うかも…とすぐに判断ができないモノは、「一時置き箱」を用意してひとまずそこに入れましょう。期限を決めて、必ず中身の見直しをしましょう。
4.家族の意見を聞く
洗面台下周りは、家族みんなが使用する場所です。モノを使う人に要・不要を確認して整理をしましょう。
5.仕分けたら収納する
使いやすいようにグループにまとめて収納し、ラベルを貼って中身を「可視化」します。
誰が見てもひと目で分かるようにするのがポイントです。
以上の5つのポイントに沿って「整理・収納」をしてみましょう!
何がどれだけあるか分かる収納に
洗面所は水周りで行うことが集約されていて、洗濯、入浴、洗面周りでの身支度など、洗面所ですることはさまざまです。また、それぞれの目的に合わせて使うアイテムも非常に多く、収納するモノがたくさんあります。
限られた洗面台のスペースにモノがごちゃっと押し込まれていると、何がどれだけ収納してあるのか分からず、使い切れないモノが出たり、無駄買いやロスが増えがちに。
収納する際は、パッと見て何がどれだけあるのか分かるようにしましょう。
ファイルボックスを活用して収納
「洗濯洗剤」「清掃関係」などカテゴリーごとに分けて、ファイルボックスに入れて収納します。カゴやファイルボックスは100円グッズなどで準備し、液だれなどで汚れたら洗ったり交換して清潔に保ちましょう。
ラベルを貼ればさらにわかりやすく!
収納カゴや備品ごとにラベルを貼れば、さらにわかりやすい収納に。誰が見ても中に何が収納されているか分かるようになるだけでなく、「他のモノは入れない!」というルールを決めることで、維持・管理がしやすくなります。収納するモノの定位置が決まっていると、使いやすく、片付けやすくなるのです。
動線に合わせた収納場所で効率よく
収納場所を考える際に大事なのが、行動の道筋(動線)に合わせることです。
例えば、洗濯洗剤を洗面台下に収納する場合。洗濯機が右側の場合は洗面台の右側、洗濯機が左側の場合は洗面台の左側の方が使いやすくなりますよね。
収納場所一つで移動距離や無駄な動作が少なくなり、使いやすく、片付けやすくなります。
洗面台下の収納を考える際は、まず動線を考え収納場所を決めていきましょう。
観音開きの洗面台下の収納術とは?
洗面台下の収納は、その形状によって収納の範囲や収納量が異なります。洗面台下が観音扉の場合と、スライド式引き出しに分けて考えましょう。
洗面台下は一番モノを出し入れしやすい場所ですが、収納を悩ませる原因の一つが排水管です。洗面台下は、上下二段に分けるとスペースを有効に使うことができます。排水管にぶつからないよう上部は軽めのモノを、下部は大きいモノや重いモノを収納するのがポイントです。
棚を活用して上段・下段に分ける
「洗面台下の配水管が邪魔をして全然収納できない!」という方は、ホームセンターなどに売っている、排水管を避けて設置できる棚を使用してみましょう。棚を設置することで、上段、下段ができ、収納量をアップさせることができます。収納棚は軽く、組み立て式で、女性でも簡単に設置できます。ぜひ試してみてください。
上段には立ったまま使うモノを収納
洗面台下の上段は膝ぐらいの高さになるので、立ったままの姿勢で楽に取り出せる場所です。洗面台で立ったまま使うモノ、例えばコンタクトレンズやお化粧品などをカゴに入れて収納すると便利です。
下段には高さがあるモノを収納
また、洗面台下の下段には洗剤や清掃用品など、高さがあるモノを収納しましょう。洗面台下は奥まで目が届きにくく、モノの出し入れがしにくくなります。死蔵品を生まないようにするためにはカゴを使い、カゴごと引き出すことで奥のモノも取り出しやすいようにします。
突っ張り棒を使用する
1.ノズルのあるものは突っ張り棒にひっかける
洗面台下の上部前方に突っ張り棒を設置し、ボトルのノズル部を引っ掛けます。下部には重い洗剤や掃除道具カゴなどに入れて収納します。
2.小物(スポンジ・雑巾等)軽いモノは突っ張り棒2本で収納
突っ張り棒を、洗面台下の上部に2本、奥と手前に設置します。この2本に、軽い小物を入れたカゴを渡して棚のように利用します。買い置きの歯ブラシ、試供品、スポンジ、雑巾などを入れておくとよいでしょう。
突っ張り棒の位置は、手前を少し低くすることで、カゴの中身ががパッと見てわかります。突っ張り棒は強度が低く、落下の恐れがありますから、中身がすぐにこぼれないようなモノ、軽いモノを置くスペースにしましょう。
スライドラックや収納ケースを使用する
スライドラックは、重いモノを入れてもローラーがあるのでスムーズに引き出すことができます。収納力バツグンで奥まで活用できるのが利点です。ステンレス製であれば、湿気による傷みも気にせず使えますね!
収納ケースは種類豊富でさまざまなサイズから選べるため、余計なすき間が生まれません。また空間が四角で統一できて見た目もスッキリします。引き出して使うので、奥に入れたモノも少しかがむだけで簡単に取り出せます。
扉の内側を活用
1.タオルハンガー+S字フック
場所を取るドライヤーやヘアアイロンはフックに掛けて収納しましょう。こうしておけばコードも絡まず、使う時にもパッと取り出せるので、朝のヘアセットもスムーズにできます。
2.扉に引っ掛けるタイプのフリーバスケット
扉裏に掛けるタイプは、貼り付けタイプよりも手軽で耐荷重性もあります。パッと取り出しやすく、扉裏を有効活用できますね!
スライド式の洗面台下の収納術とは?
洗面台下が、一段または二段の引き出しになっているタイプもあります。引き出しになっていると、奥のモノまで楽に取り出せるので便利です。
上段には細かいモノを収納
上段は高さがない引き出しが多いので、細かいアイテムを収納します。
細かいモノを収める際は、仕切って収納することがポイント!アイテムごとに分けることで、いつでもサッと取り出せ、モノがごちゃつくことなく管理しやすくなります。仕切りを動かせるトレーは100円ショップでも購入できるので探してみてください。
下段には高さがあるモノを収納
下段は高さがあるタイプが多いです。そのような場合には、洗剤や清掃用品など高さがあるモノをカテゴリーごとに分けて、ファイルボックスに入れて収納します。
よく使うモノは手前、ストックは奥に
収納場所が決まれば、次は配置位置を決めましょう。
洗面台下の収納は奥行きが深い収納です。使いやすい場所は手前側。よく使うモノを手前、ストックは奥に収納しましょう。同じ銘柄で奥から手前に並べて収納しておくと見やすくなり、全体の量も管理しやすくなります。
ストックを持ち過ぎないために…消費サイクルを知る
つい安かったから…家にあったことを忘れて無駄買い…などと増えがちなストック。ストックは、持ちすぎないことがポイントです。
ストックの目安は、ご家庭によって違います。例えば、洗剤やシャンプーなどの日用品はストックを1袋とし、ストックの封を開けたら次の品を買い足す等ご家庭それぞれの目安を持って下さいね。
消費サイクルを知ると、買い足すタイミングを知ることができます。開封時に日付を容器に書いておけば、開封からなくなるまでの目安が分かります。消費量を知ることは無駄を省くための第一歩です!節約を考える時にも使い方を知っておくといいですね。
詰め込み過ぎるとこうなる
モノを詰め込み過ぎていると、「中にあるのはわかっているのに出すのが面倒になる」「なかなか見つけられずとりあえず目の前にあるモノから使ってしまう」など、不具合が起きてきます。それが重なるとストレスの元になってしまいます。
8割収納のすすめ
理想の収納量は、収納スペースに対して8割収納がベストと言われています。モノを取り出す時のストレスが無く、元に戻すことができるからです。一目瞭然でモノが見えるのも8割程度の収納です。見た目がスッキリしていると探し物が無くなり、その分の時間を有効に使える、といった利点があります。
収納用品の選び方のコツとは?
収納をする上で欠かせないのが収納用品。洗面所は湿気が多い場所ですので、収納用品は水や汚れに強いプラスチックがおすすめです。
白か透明の収納用品に統一してスッキリと
洗面台の収納用品は、色を白か透明で統一することで、視覚からくるごちゃつきも防ぐことができますよ。清掃用品や洗濯洗剤などは、パッケージがカラフルなモノが多いので、収納用品に収めることで見た目にもスッキリとさせることができます。
収納術でスッキリ使いやすい洗面台に
洗面台下は、普段人の目に触れない場所。そのため、ただモノを詰め込んだだけになってしまう方も多い場所です。
お片付けのシステム作りをすると、あとの生活がグンと楽になります。ぜひ、この機会にご自身の洗面台下の収納を見直してみてくださいね!
(撮影協力:今井 知加)
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。