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マンション購入ガイド

2017.03.30

Question

住宅ローンの固定金利・変動金利の違いとは?

現在、新築マンションの購入を検討しており、住宅ローンについていろいろと調べています。そこでよく出てくる「固定金利」と「変動金利」という言葉があるのですが、それぞれどのように違うのかよくわかりません。固定金利と変動金利の特徴と、それぞれのメリットや注意点を教えてください。

Answer

金利がずっと変わらない固定金利と経済状況に応じて変わる変動金利。自分の支払い状況に合わせて選択しましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢

人生の中で最も高い買い物のひとつとも言える、マイホーム。

念願のマイホーム購入にあたって、欠かすことができないのがお金の話ですよね。数千万円に上る分譲マンションの購入では、現金で一括の支払いが簡単ではないため、住宅ローンの利用を検討する方が多いと思います。

住宅ローンとは、分譲マンションなどの物件を担保に、金融機関からお金を借りることを言います。もちろん、無料で大金を貸してくれるという訳ではなく、借りたお金に加えて、お金を借りることに対する手数料にあたる「利子」も返済しなくてはいけません。

この利子を計算するための「利率」のことを「金利」と言います。
金利には種類があります。どの種類の金利を選択するかによって、支払いの総額も変わってきます。それぞれの金利の特徴について知り、自分に合った金利で支払いをしたいですね。

また、以下の記事では住宅ローンや利子について詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

住宅ローンとは?仕組みとポイントを解説

住宅ローンの基礎知識についてご紹介しています。

【2023年】住宅ローンの金利相場を徹底比較!変動金利の最新の動向は?
【2023年】住宅ローンの金利相場を徹底比較!変動金利の最新の動向は?

最新の住宅ローン金利の相場についてご紹介しています。

住宅ローンの固定金利と変動金利の違いとは

先ほど、金利にはタイプがあると述べました。
住宅ローンの金利タイプとしては大きく2種類に分けられ、固定型と変動型があります。

固定型はその名の通り、支払いの最初から最後まで利率が一定に固定されているプランです。
変動型は逆に、通常半年に一度見直して利率が変わるプランです。

その他に、特定の期間だけ固定金利を適用する、固定期間選択型というプランもあります。
固定期間選択型ではあらかじめ決めた固定期間を経過すると、再度固定期間を設定するか、新たに変動金利を選択することになります。

固定金利、変動金利のメリット・デメリット

では、固定金利と変動金利のメリット、デメリットについても考えてみましょう。

今後金利が上がると予想される場合、固定金利を選択することで総支払い額を抑えることができる可能性が高いです。
同じ時期に比較すると、固定金利の利率は変動金利よりも高いのが一般的ですが、固定金利を選択した利率は原則支払い開始から変わりません。

一方変動金利は半年ごとに見直しされるため、金利が上がった場合には、結果的に固定金利で借りていたときよりも利率が高くなることがあり得るからです。

一方、今後金利が変わらない・下がると予想される場合には、
変動金利を選んだ方が、固定金利よりも総支払い額を抑えることができるでしょう。

変動金利で、いきなり金利が一気に上がったらどうしよう!?

変動金利は、国の経済状況などによって変動するのですが、一方で、銀行などの貸す側にとっては利率が見直しできることからリスクが低いといえます。

でも、もしも、突然世界の情勢が変わって、一気に金利が上がったら…!?
と不安に思うかもしれませんが、そこは少し安心材料があります。

変動金利の返済には、5年ルールと1.25倍ルールというものがあって、いきなり返済金額が上がらないようになっています。

<5年ルール・1.25倍ルール>
・金利は半年ごとに見直しされるが、実際の返済額に影響があるのは5年に1度
・もし、金利が上がって毎月の返済額が上がるとしても、返済額の1.25倍が上限になる

[ 例 ] 毎月10万円の返済
5年間、金利が上がり続けても返済額は1.25倍までが上限
10万円 × 1.25 = 12.5万円(6~10年目の支払額)

これはある意味で、私たちを守る仕組みになっていて、“もしも”の変動があっても、暮らしに困らないようになっているという訳です。

<注意点>
でも、ここで1つ注意する点があります。

もしも「金利が上がっている」のに「返済額が変わらない」場合、どうなっているのでしょうか?
本来なら払わなければならない、未払い利子が残ってしまっているという状況になる訳です。
つまり、借入期間が終了したタイミングでも、払いきれなかった利子が残ってしまう可能性もあるということです。

変動金利を選ぶ場合は、その特徴やリスクと自分自身の支払い状況を照らし合わせて考えるようにしましょう。

固定金利と変動金利、それぞれどんな人に向いているの?

固定金利は金利が変わらないように保険をかけるようなものであること、変動金利は返済ルールに少し複雑な計算があることをお伝えしました。

では、それぞれどんな人に向いているのでしょうか?

●変動金利に向いている人
・こまめに金利の動向をチェックすることが苦痛でない人
・繰り上げ返済など金利上昇時に適切な対応できる人
・未払利子が残りそうな時にはその分の費用を計画的に準備できる人
・柔軟に対応できる、ややプロ向けのプラン

●固定金利に向いている人
・こまめに金利の動向をチェックすることが苦手な人
・将来設計をきちんと立てたい人
・途中で返済額が増えることで、生活が苦しくなる可能性がある人

いずれにしても、どっちが得なのか?という点が気になるかと思いますが、経済状況も、それに対応する家庭の経済状況もそれぞれなので、損得の観点では考えにくいところもあります。自分の暮らしと照らし合わせて、無理のない返済額になるように支払いシミュレーションを計画しましょう。

全期間固定の代表、フラット35とは?

こまめな金利チェックが苦手なので固定金利で住宅ローンを借りたいと、調べた時に最初に目にするのは「フラット35」ではないでしょうか。フラット35とは金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、金利がずっと変わらない住宅ローンです。

民間金融機関単体でも30年以上など全期間固定金利の住宅ローン商品を提供していることもありますが、審査が厳しいこともあります。金利変動の心配をしたくない場合は、フラット35や全期間固定金利などを候補に、審査の水準や借りられる金利を比較することになりますね。

固定金利と変動金利の当初の利率だけ見ていると、支払い金額の差が大きく感じるかもしれません。しかし、固定金利でも途中で繰上返済を行うことで、最終的な総支払い利子などを減らすことはできます。

住宅ローンを借りてからも金利動向を比較的細かくチェックし、対応していける場合は変動金利、そうでなければ固定金利やフラット35を選択するのが無難な判断基準といえるでしょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。自身のマンション購入をきっかけにお金の勉強を始める。様々なメディアでお金に関する情報を分かりやすく発信中。