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住宅ローン審査基準とは?審査基準と重要審査項目を解説

今度、家を購入する際に、住宅ローンを借りる予定なのですが、まず審査が必要だと聞きました。住宅ローンの審査に通らなかったらどうしよう…と少し不安です。審査に通るためには何が必要ですか?また、審査ではどんなところを見られるのでしょうか?

Answer

住宅ローン審査では「貸したお金が滞りなく返済されるのか」を総合的に見て判断されます。審査の際には、事前審査、本審査の2通りがあり、本審査では返済能力はもちろん、本人の信用力や担保物件、健康状態などが見られます。

情報提供:税理士 宮原 裕徳

そもそも住宅ローン審査とは?

家を購入するにあたって、銀行や信用金庫など金融機関からお金を借りることができる、便利な住宅ローン。その住宅ローンを利用するためには、さまざまな手続きが必要です。額の大きなお金を借りることになるので、そう手軽に借りられるわけではありません。

住宅ローンを借りる際に必要になるのが「住宅ローン審査」。これは、お金を貸す側が「大きな額のお金を貸しても、ちゃんと返してくれる人かな?」と、住宅ローンを借りたい人のことを審査するための手続きです。

特に家の購入や住宅ローンの手続きはステップが多く、「全部でどれだけの手順が必要なのだろう?」「この手続きにどういう意味があるのだろう?」と戸惑うことが多いかもしれません。そこで今回は住宅ローンを借りる際に必要な審査についてご説明します。

悩む夫婦
※イメージ写真

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住宅ローン審査の流れ

住宅ローンを契約するには、事前審査と本審査の2段階の審査を通過する必要があります。以下でそれぞれの審査の流れについて詳しく説明していきます。

事前審査
事前審査とは、本審査の前に行われる簡易的な審査のことであり、主に本人の返済能力が審査されます。その返済能力によって、住宅ローンの借入可能額が決定されます。そのため、物件価格まで借入可能な場合と、物件価格に満たずとも借入可能である場合、そして借り入れができない場合があります。

事前審査では、申込者本人が金融機関で申し込む方法と、不動産会社やハウスメーカーなどから申し込んでもらう方法の2通りあります。自分で申し込む場合、現在は多くの金融機関がネットから事前審査を受け付けているので、入力フォームに従って手軽に申し込むことができます。
また、住宅売買の専門業者にお願いする場合は、必要書類の用意や申し込みまで、ほとんど任せることができるので、より手続きもスムーズに進めやすくなります。審査にかかる期間は、1週間前後が一般的です。事前審査を通過して初めて、正式な審査である本審査に進むことができます。

本審査
事前審査を通過したら、いよいよ本審査に移ります。本審査では、本人の返済能力だけでなく、担保物件や本人の健康状態など、事前審査よりも細かい内容について審査されます。そのため、本人確認書類だけでなく、所得に関する書類や不動産に関する書類など、提出しなければならない書類が多くなります。本審査では、結果が分かるまでに1〜2週間ほどの時間がかかります。本審査を通過したら、いよいよ金融機関と住宅ローンの契約を交わします。その後、引渡し時に住宅ローンが実行されます。

なお、先に借入可能な金額を把握してから物件を探すのもよい方法です。なぜなら、借入可能額が分かれば、その範囲内で家を探すことができるからです。そうすれば、予算と理想的な住まいの焦点を定めやすく、時間のロスを防ぐことができます。

家の模型と虫眼鏡
※イメージ写真
住宅ローンに必要な書類

住宅ローン審査を受けるには、さまざまな書類が必要になります。事前審査や本審査では以下のような書類を用意しておきましょう。

事前審査
・運転免許証や健康保険証などのコピー
・源泉徴収票(会社に申請すると1週間程度で発行)
・物件の概要が分かるパンフレット等
・住宅ローン以外の借入金に関する償還表などの書類

源泉徴収票
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本審査
本審査は事前審査と異なり、より詳しい情報からの判断が必要になるため、大きく分けて「本人を証明する書類」「所得を証明する書類」の2種類が必要になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

●本人を証明する書類
・住民票
・印鑑証明書

●所得を証明する書類
・源泉徴収票(過去3年分)
・給与明細書
・確定申告書(控え)
・住民税決定通知書
・課税証明書など

また住宅ローン以外にお金を借りている場合には、その内容が分かる書類も準備するようにしましょう。

●不動産関連の書類
・売買契約書(工事請求契約書など)
・重要事項説明書
・登記事項証明書(登記簿謄本)
・明細地図
・建築確認通知書
・土地公図
・土地の図面
・分譲案内のパンフレットや価格表
・土地使用承諾書(借地の場合)
・土地賃貸借契約書(借地の場合)

なお、不動産関連の書類は、不動産会社に依頼すればほとんど取得することができます。また、登記事項証明書(登記簿謄本)や土地公図は所轄の法務局で申請するようにしましょう。

不動産売買契約書
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住宅ローン審査の審査項目は?

住宅ローン審査基準は、金融機関によって異なります。どの項目を重視するかも金融機関によって違いがありますし、そのときの不動産の景気や、審査を行うタイミングが影響する場合もあります。

1つの参考になるのが、国土交通省が毎年行っている「民間住宅ローンの実態に関する調査」の内容です。令和2年の結果では、調査に回答した金融機関の95%以上が、「完済時年齢」、「健康状態」、「担保評価」、「借入時年齢」、「年収」、「勤続年数」、そして「連帯保証」の7つを重視して審査すると答えています。以下で各項目について詳しく説明していきます。

完済時年齢
完済時年齢は80歳未満であることを条件とする金融機関が一般的です。高齢になるにつれて、病気になったり、亡くなってしまうリスクが高まるからです。金融機関は、それらが原因で貸したお金が返ってこない「貸し倒れ」を一番避けたいので、完済時の年齢が重視されます。

健康状態
健康状態も貸し倒れを避けるために見られるポイントの1つであり、健康診断書または人間ドックの検査結果を提出する場合もあります。住宅ローンの利用時には、団体信用生命保険(住宅ローンの返済中に、事故で返済不能となった際に加入者の代わりに住宅ローンの残額を支払う)への加入が必要になるのが一般的です。しかし、健康状態がよくない場合は、この団体信用生命保険に加入することができません。そうすると、住宅ローンの利用ができなくなってしまいます。

長期固定金利住宅ローンである、フラット35の利用時は、団体信用生命保険への加入は任意になりますが、病気や死亡で返済できなくなってしまうことによく注意しておくことが大切です。

健康診断書
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担保評価
担保評価は、保証会社が評価する対象の物件の資産価格で審査されます。住宅ローン契約者が万が一返済不能になった場合、売却をして資金を回収できるかどうかが大きな評価ポイントになります。築年数が古い中古住宅は、担保評価額が下がる傾向にあるため、最悪の場合、審査が通らないこともあります。中古物件を購入予定の場合は、築年数に気を付けて物件探しをするようにしましょう。

借入時年齢
借入時の下限年齢は18歳以上、上限年齢は75歳未満など金融機関や商品によって異なります。一般的に、住宅ローンを組む適齢期は30代からとされています。若すぎたり、年齢を重ねすぎたりすると安定した収入を得ることが難しいと判断される可能性があるためです。

年収
住宅ローンでは、一般的に年収の6~7倍程度が、貸し出しできる上限額の目安になっています。
また、返済負担割合として、年収の30%から35%を年間返済額と設定している金融機関が一般的です。しかし、購入時にかかる税金などの諸費用や今後の生活予備費、教育費や老後の生活に充てる貯蓄などを考慮すると、返済負担割合は年収の25%以下に設定しておくとよいでしょう。

勤続年数
勤続年数もローン審査の際に大切なポイントとなり、勤続年数3年以上が基本です。しかし、最低勤続年数が1年以上あれば、審査が通ることもあります。また、収入が安定していることも審査で見られるポイントの1つです。たとえば、正社員で固定給であれば、フリーランスや自営業の人たちよりも有利に審査を進められる傾向があります。

連帯保証
原則、住宅ローン契約時に連帯保証人は必要ありませんが、夫婦のどちらか片方のみの収入で住宅ローンを組むのが難しい場合は、もう片方を連帯保証人に設定しておくとよいでしょう。
連帯保証人が付くことで、単独で住宅ローンを組むよりも多くの融資金額を受け取れる可能性があります。連帯保証は、夫婦の収入合算をして、借入可能額を算出するからです。

しかし、連帯保証人には契約者と同じくらいの返済能力が必要になったり、離婚で契約者と疎遠になっても、返済する必要があったりとリスクが伴うため、連帯保証人の設定、もしくは自分が連帯保証人になる場合も慎重に検討するようにしましょう。

連帯保証人の署名
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住宅ローン審査を通過するためのポイントは?

上記の重要審査項目に問題がないのに、住宅ローンの審査が通らない人もいます。ここでは、重要審査項目以外にも、住宅ローン審査を通過するうえでの重要なポイントをご紹介していきます。

返済額と返済期間を見直す
重要審査項目を満たしているのに、審査が通らない場合は、まず返済額と返済期間を見直してみましょう。収入に見合わない返済負担率で返済計画を立てていると、審査に通らない可能性が高くなります。返済負担率とは、審査の重要ポイントの1つで、年収に占めるローンの利子を含めた年間返済額の割合のことです。また年収に対して借入額が多すぎると、返済負担率は高くなります。そのため、必要な借入金額と収入に見合った借入金額に大きなギャップがあるときは、物件自体をもう少し安価なものに変更することが必要になります。

また、返済期間も考慮してみるとよいでしょう。返済時の年齢が定年を迎える65歳を超えると、審査を通すのが難しくなるため、注意が必要になります。もし毎月の返済額が多すぎる場合は、借入期間の延長を視野にいれるようにしましょう。

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頭金を用意する
頭金とは、不動産購入時に用意する住宅ローンや諸費用以外の自己資金のことです。ローンの額を少しでも減らすには、頭金を増やす必要があります。もちろん、頭金がゼロでも家を購入できる場合もあります。しかし、頭金がゼロということは、住宅ローンの借入額が大きくなることを意味しています。住宅ローンが組みづらく、審査に通りにくくなったり、毎月の返済負担が大きくなってしまったりするため、毎月の返済金額を考慮したうえで、頭金の金額を検討しましょう。

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不動産と現金
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そのほかのローンを完済する
審査時に、並行して契約してしまっている借金や分割払いしているものがないか確認し、あらかじめ完済しておくようにしましょう。審査でチェックされる返済負担率は、住宅ローンに加えて車や教育資金などのローンも合算されます。そのため、住宅ローンの申込みをする前に、なるべくほかのローンを完済しておくと審査に通りやすくなります。

延滞履歴の有無を確認する
審査の際、信用情報を信用情報機関に照会するようにしましょう。クレジットカードの支払い、ほかのローンで延滞の履歴があると、滞納を解消していても審査で不利に働いてしまうからです。

一度延滞履歴に残ってしまっても、延滞完済から5年間経てば、信用情報は回復します。そこで、信用情報が回復するのを待ってから、住宅ローンの申込みをするのも手段の1つです。ただし借入時・完済時の年齢は重要な審査基準になるので、延滞履歴の回復を待って、年齢で審査に引っ掛かることがないように注意しましょう。

また、クレジットカードは必要最低限の数に整理するようにしましょう。近年ではポイントを貯めるために、複数枚のクレジットカードを使い分けている人が見受けられますが、実はクレジットカードには、キャッシング機能が付いているものもあります。キャッシングを利用していなくても、キャッシングを最大限に利用したと想定されて、審査されることもあるため、不要なクレジットカードを解約することで、住宅ローン審査は通過しやすくなります。

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住宅ローン審査はさまざまな角度から見られる

住宅ローンで審査の対象になるポイントを見てきましたが、審査の仕方は金融機関によって差があります。住宅ローンの審査では1つの条件だけでなく、総合的に見て判断されることが多いためです。そのため、1つの金融機関で審査に通らなかった場合でも、ほかの金融機関に申し込むと違った結果が得られることもあります。検討する金融機関の幅を広げておくようにしましょう。

住宅の購入を考えている人は、将来の自分の働き方の変化なども含めて、人生のどこで買うのがよいのかも考えておきましょう。あらかじめ購入計画を立てていると、住宅ローン審査にも安心して臨めますよ。

情報提供:税理士 宮原 裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。