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収納ガイド

2017.03.03 更新:19.4.25

Question

調味料が使いやすくなる収納のコツとは?

料理が好きで、和・洋・中を問わずさまざまなメニューに挑戦中です。最近は調味料にも凝り始め、数がかなり増えてきました。使いやすく、見た目にもキレイな調味料の収納アイデアはありますか?

Answer

調味料は、統一された容器に移し替えると見た目がスッキリして残量もわかりやすくなります。使いやすく整頓することはもちろん、やみくもに数を増やさない心がけも大切ですよ。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

目次

たくさんの調味料、使いやすく収納するには?

料理を美味しく仕上げる、さまざまな調味料。最近では、プロ並みのラインナップも手軽に揃えられるようになってきました。

調味料が増えると、本格的な料理を作れる楽しみも増えますが、その分管理は複雑に。常温管理の塩や砂糖、開封後は冷蔵保存しなければならないドレッシングや味噌…。保管場所も、調味料ごとに適切な場所を選ばないと、風味が落ちたり、湿気たりしてしまいます

また、使いたいときに使いたい調味料をサッと取り出せないと、作業に手間取るうえ、つい面倒で使わなくなってしまう…なんていうことも。こうなっては、せっかく揃えた調味料も台なしですよね。

キッチンの調味料を最大限に活用するために、収納を見直し、効率よく楽しく料理ができる仕組みを整えましょう!

容器を活用した調味料収納術とは?

塩・砂糖・小麦粉などを、買ったときの袋のまま使っていませんか?調味料を袋のまま使っていると、出しにくくこぼれてしまったり、どのくらい残っているのかわかりにくく、使いたいときに足りなかったりといった不便が生じてしまいます。

よく使う塩・砂糖などの調味料は、スペースに合わせて詰め替え容器を活用して収納!

引き出しに合ったサイズの詰め替え容器

塩や砂糖などよく使う調味料は、袋から容器に移し替えましょう。袋のままより断然使いやすく、残量も一目でわかるようになります。写真のように、収納スペースにぴったり合った大きさの収納容器を揃えれば、空間の無駄を省けますよ。

小麦粉やパン粉なども容器に移し替える
粉モノの詰め替え容器

調味料に加えて、小麦粉やパン粉なども容器に移し替えたほうが、使いやすく管理も楽になります。これらは調味料ほど頻繁に使わないので、買ったときの袋の中身が全て入る大きさのモノを選ぶとよいでしょう。容器サイズの選び方については、後ほどご紹介します。

また、乾物・出汁パックなどは、袋のまま保存できるようにジッパー付きビニール袋で販売されていることが多いモノですが、これらも中身を容器に移し替えれば、「ジッパーを開けて、取り出して、また閉めて、収納する」という手間を省くことができます。

醤油・みりん・酒・お酢などの液体調味料も、なるべく容器に移し替えるのがおすすめ。透明な保存瓶で統一すると、見た目がスッキリして残量も分かりやすくなります。

わざわざ調味料を容器に移し替えることは面倒に感じるかもしれませんが、買ってきたときに「ひと手間」かけるだけで、その後使うたびにかかるたくさんの手間を省くことができるのです。

容器に移し替えれば見た目も美しく

引き出しに合ったサイズの詰め替え容器

写真のように、統一された容器に調味料を移し替えれば、使いやすくなるだけでなく見た目もスッキリします。おすすめは、中身が一目で分かる透明容器。100円均一ショップでも、シンプルでおしゃれなモノが簡単に見つかりますよ。

調味料を表に出して並べる「見せる収納」の場合は、特に同じ大きさ・種類の容器で統一することにこだ わると、より美しくセンスのよい印象に。デザイン性の高い容器なら、トレーなどにまとめておけば、そのまま食卓に出して 使うこともできますよ。

容器の選び方と使い方とは?

調味料を移し替える容器を選ぶとき、インテリア雑誌やブログを参考にされる方も多いでしょう。ですが、ここで注意したいのは、デザインばかりに気を取られて、収納する場所・空間を無駄使いしないようにするということです。

引き出しなどの狭い収納スペースでは、少しの隙間も貴重なもの。なるべく収納スペースのサイズに合った容器を選び、すみずみまで無駄なく収納に使えるようにしましょう。もちろん、収納する場所に容器がぴったり収まるかどうか、幅や高さをチェックすることも忘れずに!

次に注意したいのは、容器の容量です。「買ってきた容器に調味料を移し替えてみたら、中身が全部入りきらなかった…」という失敗をすると、余りが残った袋を別の場所に保存するという収納スペースの無駄、そして二度・三度と詰め替えをする時間の無駄まで招いてしまいます。

容量の目安として、砂糖1㎏なら約1.5~1.6Lのケース、小麦粉1㎏なら約1.7~1.8Lのケースが必要です。容器を揃えるときは、普段購入しているサイズの調味料を一度に入れられるだけのゆとりがあるのか、きちんとチェックしましょう。

一方、大量の調味料を購入する都合があって、どうしても1つの容器に収めることがが難しい場合もあるでしょう。たとえば、「ネット通販を利用しているので、なるべく大きなサイズを買って送料を節約したい」「どうしてもほしい調味料が少量で売られていない」など。こういう場合は、普段使う調味料とストックを分けましょう。ファイルボックスやカゴなどでストック置き場を作り、使ったら補充する、ストックがなくなったら購入する…という仕組みを作って管理するとよいでしょう。

また、調味料を保存するうえでは、気密性の高い容器であることも大切な条件です。お気に入りのデザインで、かつ機能性にもすぐれた容器なら、長くお付き合いすることができますね。

いずれの容器も、使用する前にはまず洗剤でしっかり洗い、耐熱性なら熱湯をかけて殺菌します。その後、十分に自然乾燥させて水気を飛ばしましょう。半乾きだと調味料が湿気ってしまい、カビの原因になるので要注意!

賞味期限の管理を工夫する

調味料を保存容器に移し替えると、賞味期限を忘れてしまいがち。「これ、まだ使えたかしら…」という混乱を防ぐためにも、容器のフタ・側面などに、マスキングテープやはがせるシールを貼り、賞味期限を書いておきましょう。テープのデザインやペンの色を統一するなど、お好みやアイデアしだいで見た目をおしゃれにすることもできますね。

また、使う回数があまり多くない調味料は、なるべく少ないサイズで購入することも、賞味期限を管理する工夫のひとつですよ。

動線に合わせた調味料収納術とは?

キッチンの収納において、特に大切なのは「動線」。スムーズに動けないと不便を感じるだけでなく、さらには料理をすること自体が億劫になってしまうかもしれません。この動線を意識して、より使いやすい調味料収納について考えてみましょう。

調味料は、動線と使用頻度で収納場所を決める
動線は、家ごとのライフスタイルや、家族それぞれによっても違っているもの。「誰が」「どこで」「何をするのか」をしっかり把握し、行動パターンに合わせて調味料の収納場所を決めると、スムーズに出し入れできるようになります。

ただ、調味料の収納場所は、それぞれの保存方法にも従わなければなりません。動線に加えて、常温か・冷暗所かなど、調味料に合った収納場所であることもきちんとチェックしましょう。

冷蔵庫内では、よく使う調味料を出しやすい場所に置く!

冷蔵庫内の収納も、使いやすく整えてみましょう。チェックするのは、各調味料の使用頻度です。
・毎朝お弁当作りに使う白だしは、一番取り出しやすいところ=ドアポケット下段手前に収納する
・たまに使うドレッシングは、上段に収納する
このように、家族の好みやライフスタイルに合わせて、収納場所を決めていきましょう。

冷蔵庫に入れたい調味料が収納規格に合わない場合は、100円均一ショップなどで別容器を用意するとよいでしょう。たとえば、スパイスボトルや、マグネット付き瓶などのアイテムは、冷蔵庫に収納するにはぴったりです。

さらに、狭い冷蔵庫内では、並べ方にひと工夫加えると効果的。
・容器の高低差を利用して、奥が見やすいように並べる
・奥と手前で種類を区別する

調味料収納容器のラベリング

また、細かいことですが、写真のように「調味料のラベルを正面に向ける」という、たったこれだけの心がけが見た目と使いやすさをアップさせてくれますよ。

カゴにまとめる「セット収納」で時短効果アップ

冷蔵庫内ジャムなどのセット収納

朝食のトーストにつけるバターとジャムなど、一緒に使うことが多い調味料はセットにしてカゴやケースに収納しておくと便利です。朝の忙しい時間でも調味料をワンアクションで取り出せて、スムーズに朝食の準備ができますよ。

冷蔵庫以外でも、セット収納は便利です。たとえば、塩・こしょう・砂糖など、出番が多い基本の調味料をセットにしてまとめておけば、調理をスムーズに行うことができます。キッチンに中途半端な隙間がある場合は、カゴのかわりにワゴンを利用するのもおすすめ。隙間にぴったり収納できるような、2~3段式の小さなキッチンワゴンに調味料を集めておけば、調理のときにワゴンを引き出すだけでOKです。

料理中に使う調味料は、使う場所に収納する

常温保存の調味料のなかでも料理中に使うモノは、動線に合わせて配置場所を考えることが、機能的なキッチン作りにつながります。

鍋やフライパンを火にかけながら味付けをしたり、合わせ調味料を調理台の上で作ったり…という作業のしやすさを考えると、基本的な置き場所は、コンロ下や調理台の近くになるでしょう。シンク下は、配管など水回りがあるため湿気がたまりやすく、調味料の保管には不向きです。

また、見える場所に収納する場合は、インテリアとの調和も気になるところ。温かみのある木製の棚が置かれているキッチンなら、ステンレス製の金属ラックを並べるよりも、DIYで木製のインテリアにマッチする棚などを作ったほうが、全体に統一感が生まれるかもしれません。

コンロ下の調味料収納には、ファイルボックスを活用
コンロ下引き出し収納にファイルボックスを利用

コンロ下の収納には、油・料理酒・みりんなどの瓶を収納しているご家庭が多いでしょう。引き出しタイプの場合は、100円均一ショップなどでも購入できるファイルボックスに瓶を収納すると、引き出しを開けたときにぐらついて倒れる心配がありません。また、液ダレしてもファイルボックスごと洗えるので、置き場所を常に清潔に保つことができます。

観音開きの扉付き収納の場合も、やはりファイルボックス収納がおすすめ。手前の調味料ばかり使って、奥の方に収納したモノは取り出さずに余らせてしまう、ということがなくなります。

コンロ脇にスライド式収納がある場合は、塩・砂糖など料理中によく使う調味料を収納すると便利です。縦長で幅の狭い引き出しには、市販容器が入らない場合もありますが、ぴったりサイズの統一容器を探して揃えるのも楽しいものですよ。

誰もが使いやすくなる調味料収納術とは?

容器や収納ケースを選び、動線に合った収納場所を決めれば、調味料収納は完了…ではありません。家族の誰もが使いやすく、元に戻しやすい仕組み作りが、リバウンドしないための大切なポイント。もうひと手間かけて、誰もが使いやすくなる収納に仕上げましょう!

ラベリングで、探しやすく戻しやすい仕組み作りを

調味料容器のラベリング

見た目をスッキリきれいに収納できても、「どこに何があるのか」を誰が見てもわかるようになっていないと、家族が引き出しを開けるたびに「〇〇はどこ?」と探すことになってしまいます。また、調味料を使った後、元の場所にサッと戻すことができないと、せっかく決めた収納場所がどんどん崩れてしまうことに。

一目で分かりやすくするには、調味料の容器にラベリングしましょう。フタなどの部分にラベルシールやマスキングテープを貼り、中に入っている調味料の名前を書きます。賞味期限は、別の場所にシールを貼って書いておきましょう。

収納容器がお手頃なモノでも、ラベルにデザイン性を持たせるとおしゃれ度がアップします。市販のラベルのほかにも、ネットで探すとラベルを無料でダウンロードできるサイトもあります。ポップなモノ、アンティーク調、レトロ風など、お気に入りのデザインでラベリングすると、愛着も湧きますよ。

調味料を増やしすぎない
どんなに収納の仕組みを整えても、調味料をやみくもに増やしてしまっては整頓が追い付きません。使いやすい収納のために、「適量を維持する」という心がけも忘れないようにしましょう。

調味料を増やしすぎないためのポイントは、まず使用頻度を把握すること。おおよそでもどのくらい使うかが判断できれば、使い切 りタイプや小分けのモノを買うことで収納スペースを有効活用できます。特に1人暮らしの場合は、余らせてしまうことがないか十分 吟味しましょう。

「持っていたのにまた買ってしまった…」という失敗防止には、ファイルボックスが役立ちます。引き出せば、奥に入っているモノまで一目で数を確認できるので、管理がしやすくなりますよ。

さらに、収納場所をしっかり絞り込み、その中に入る分だけしか持たないというルールを作るのもおすすめです。たくさんの調味料があればいろいろな料理を楽しめますが、めったに使わないものはなるべく使い切りサイズで購入しましょう。本当にお気に入りの調味料を数点持っているだけでも、普段の料理は十分楽しめることができますよ。

調味料収納術で料理をもっと楽しく!

使いやすく美しい収納に改善されると、料理へのモチベーションも自然にアップ!これこそ、収納へのこだわりで得られる大きな効果です。

さらに、「見せる」「しまう」を使い分けることでも、料理の楽しさはよりアップします。

「見せる収納」のメリットは、すぐに取り出せて戻しやすいところ。一方、「しまう収納」は見た目がスッキリして、油汚れなどによる掃除の手間がかからないのがメリットです。

たとえば、対面キッチンなど外から見えやすい造りなら、おしゃれな容器でこだわりの調味料を並べた「見せる収納」を目指すのも素敵です。一方、よく使う2~3種類のみを「見せる収納」にして、あとは頻度に合わせて収納場所に収めるのも合理的ですね。

日々、家族の健康を支えるキッチン。調味料の収納にひと工夫加えて、よりスムーズに気分よく料理を楽しんでくださいね!

(撮影協力:今井 知加)

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。